キラキラ光って、
二組、青沢賢臣part6
空中で繰り広げられる攻防は激しさを増す。
降りしきる紙吹雪に悪くなる視界をなんとか確保しながら足を進める。おれたちは二組に別れて先生への攻撃の機会を待つことにした。おれの魔法の質量をぶつけて先生のお札を相殺しつつ、辛くんと芥江くんの魔法を組み合わせて一本取る作戦だ。一組の彼女の攻撃を目眩ましに使わせてもらいつつ先生の手札を削る。
上手くいく……といいが、まあ、いかなかったらいかなかった時!なんとかなるさー!
おれは強化魔法を体にかけて先生の後方のガラス張りのオフィスビルに入る。上階から様子を覗くと彼女が連撃をやめて空中に大きく弧を描き先生に向かって足を振り下ろす。斬撃となったその一撃は先生の立つ道路を真っ二つにした。……威力すごいな!?巻き込まれたらひとたまりもないよ!?
先生がそれを難なく躱しているのを確認するとこちらの攻撃の合図を待つ。
時計の針が進む。カチカチと聞こえるその音がいつの間にか鼓動とリンクしていく。
三、ニ、一、
「――星屑よ!止め処無く落ちろ!」
割れたガラスが光を反射しながら流星と共に落ちていく。それは街を光が染めていくように降り注ぐ。
痛烈な光は辺り全てを飲み込もうとする。上空から降るガラスと星屑を先生はお札で作った半円の陣で防御した。
ここまではいい感じ……!
守りを固めた先生に向かって建物に隠れていた二人が追撃する。
「糸を断ち切れ、轟々と燃えよ」
芥江くんが魔法で先生のお札を燃やす。
先生が生み出した半円の陣はやがて燃え尽きてぐるりと取り囲むように炎だけが残る。
逃げ場を失った先生は唯一開けた上に飛び跳ねようとする。しかし、その上空には辛くんが創り出した花冠があり――
「白蝶よ、その花を結え――二の花、白詰草」
大きな花冠の輪が先生の体を捉え、縛り付けた。
「さっきはどうも!」
これで先生はお札を出すことができないはず……!
トドメの一撃を当てるために地上にいる芥江くんが剣を構えて飛び出す。
「断つべきは彼方の糸――!……っ!?」
芥江くんが魔法を唱えて先生に攻撃しようとした……!
しかし、先生は突然手に持っていたお札を全てを離し道路に落とした。いったいどうする気だ……?おれたちが戸惑っているのを余所に先生は動こうとしない。
あと少しで芥江くんの剣が先生の服を貫く――その瞬間。
落とされていたお札が大きな手の形になって先生を持ち上げる。
――――やられた……!このためにお札を落としたのか!
空を切った剣先は何も映さない。
時計の針は終わりに向かって進み続ける――――
「……でも、上に逃げたのは失敗だと思いますよ」
窓ガラスがなくなったビル。
明かりのないオフィスは、だけども一筋の光を放つ。
「星は――」
弾ける音。
それは一陣の風のように。
「瞬きを落とす!」
ひらり、と落ちた一房の髪は確かに――
先生のものだった。




