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食べもののアンダンテ

九話目

食堂は大賑わいだ。

購買もあるとはいえ、生徒たちが多く集まるこの場所は席を取るのも大変……かと思いきや意外とスムーズに座れた。


「けっこうすんなり座れたな」


「そうだね、ここは完全に使い魔のみんなで回してるから効率もいいし、休み時間は長めにあるから、来るタイミングも生徒の自由なんだよね」


「そっすそっす!にゃんこたちが慌ただしく動いてるからいっぱいに見えるけど意外と席には座れるよん」


「へー!そりゃ助かるな!俺けっこう食べるしデカいからスペースとっちゃってよ……これなら落ち着いて食べられるな!」


守道はどうやら大食いらしい、大柄な体格の見た目通りだ。

その宣言通りに大盛りの料理を頼んでいた……俺もそれなりに食べるがあの量は無理だな、うん。

その大盛りの唐揚げ定食を横目に俺と羽知瑠はうどん、

直樹はさば味噌定食を食べていた。

お前そのキャラでさば味噌定食なのかよ……箸使い上手いな!意外だ……人は見かけによらないもんだ。


「なんすか〜とうまきゅん?」


「いや、なんでも」


あんまり珍しがるのも悪いよな、さあ食べるか!

温かな器から湯気にのってお出汁の匂いがする……箸で麺を上げるとより香りが分かる。口に入れると優しいお出汁が広がり、コシのある麺が噛むたびに味わい深さを増す。暖色の汁に懐かしさを感じながら飲み干す……うん!美味しい!


「おいしそうに食べるね」


「そうか?」


羽知瑠に指摘されて俺は照れながら顔を触る。

頬が緩みまくっていたのだろうか?なんとなく恥ずかしい。


羽知瑠と俺が食べ終わって暇なので次の授業の話をする。訓練室に集まれって言ってたよな?なにをするんだろう?


「次の授業はなにをするんだろうな?」


「うーん……なんだろう?訓練だからさっき出した魔導具を使うのかな」


「あ、そういえば武器としての使い方を教えるって言ってたな」


「そうだったね!……もしかして戦闘なのかな?」


羽知瑠は不安そうな顔をしているがその可能性は大きいだろう。魔導具の使い道はまだ多くは教えてもらってないが、やはり戦闘に使うのが一番多いはずだ。

と、なると俺は刀だからいいが……そういえば羽知瑠はなんだったんだ?


「なあ、羽知瑠の魔導具はなんだったんだ?」


「僕?僕はペンと魔導書だったよ」


「へぇ……なんか魔法使いっぽいな、でも戦えるのか?」


「うーん……確かに近接は難しい、かな」


そうだよな……もしチーム戦なら俺が前衛で後衛を羽知瑠にすれば完璧なんだが。そうも上手くはいかないだろうか?


「ちょ!オレのも聞いてほしいですっす!」


突然食べ終わった直樹が会話に飛び込んできた。ああ、そういえば直樹の魔導具も聞いていなかったな。


「直樹はなんだったんだ?」


俺の正面、羽知瑠の隣に座った直樹は身体をのけぞりながら答える。


「ふっふっふっ……私めの魔導具は……なんと!コインでーす!」


……コイン?コインを武器として……?全然思いつかない……俺の想像力がないのか……?

頭にはてなマークを飛ばしていると羽知瑠が教えてくれた。


「そもそも魔導具はなんていうか、概念っていうか……使用者の魔力があればわりと多彩な攻撃手段になったり、媒介として使うものなんだ」


「なるほど、わからん」


「あはは……まあ見れば分かるんじゃないかな?」


「ふぉんなふぉふぉむ、んぐ、ろだ!」


うーん……まだわからない……が、まあそのうち授業でわかるようになる、ということだろう!

ていうか、まだ食べてたのか……?守道……


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