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パーティーをリストラされたおじさん冒険者(46)は実は無自覚に最強でした〜そしておじさんなのに何故か無自覚にモテてしまいます〜  作者: 十目 イチ
第九章 キケン?な女

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108.護衛の二人

 剣や槍を持ったバーランの衛兵たちが俺達に迫る。その瞬間に衛兵たちの足元から土壁がせり上がり、その行く手を阻む。

 

 ミザネアの土魔法。衛兵が迫るよりも早く発動する、凄まじい詠唱速度。だがその土壁も俺達の全方位をカバー出来たわけじゃない。

 土壁を回り込んできた衛兵が俺達に迫る。目の前に飛び込んで来た衛兵の武器を連続で弾き返した。

 同時に光の鞭が俺の背後から伸びて、衛兵たちの武器を弾く。ネルアリアの光魔法だ。

 光魔法の鞭を操って、俺が対応出来ない方向から来る衛兵に応戦する。

 その光の鞭に気をつけながら、衛兵どもの急所ではなく、腕や足を斬りつけて無力化していく。


 ミザネアも土壁や土杭を次々と床から生み出し、衛兵どもの進撃を上手く封じていく。


 とはいえ、数が多い。ここで粘る事は出来ても、脱出が出来ない。このままだと数で押し切られてしまう。


「ネルアリア! 指輪で外の応援を呼べるか?」

「もうとっくに呼んでおる! じゃが、反応せん!」

「何?」


 どういうことだ? ネルアリアのあの光る指輪が反応しない?

 

 ミザネアの作る土壁を越えて次々と襲いかかってくる衛兵を相手にしながら考える。


 そうだ! これなら繋がるか?

 俺が掴んだのはベルトにぶら下げていたレヴィアラからもらった魔道具。

 これに魔力を送ればレヴィアラに伝わるはず……。


 乱戦の中、石に魔力を送ったが一瞬淡く赤色に光って、すぐにその光は消失した。

 駄目か。これも反応しない。


 どうする? 玄関から外へ脱出するのが一番近いが、玄関は閉じられている上に衛兵が数人、俺達を逃さないように張り付いていやがる。

 そうなると衛兵がなだれ込んで来ている廊下か。この玄関ホールの左右には廊下が続いていて、衛兵はそこから来ている。

 

 そこを突破して廊下に出ればどこかの窓をぶち割って外に逃げられるか?

 だが俺一人は抜けられても、俊敏さのないネルアリアとミザネアは無理か?

 いや、廊下までのルートが確保出来ればいける!


「ミザネア! ホールの右側を抑えてくれ! 左側の廊下を目指す!」

「分かったわ!」


 ミザネアの生み出す土壁が高さを増して、俺達の右側にせり上がる。これで衛兵たちは俺達の左側からしか来れなくなる。


「ネルアリア! こっちの道を切り開くぞ!」

「承知した!」


 右から来る衛兵はミザネアに任せ、俺とネルアリアが空いた左側から回り込んでくる衛兵たちを相手にする。


 徐々に廊下に近付く俺達。


「ゴルデラン! 出番だ!」


 玄関ホールの中央階段上部から高見の見物を決め込んでいたバーランが叫んだ。

 すると二階の廊下から玄関ホールに飛び降りる人影が見えた。そいつは地響きがするかと思うくらいの爆音を立てて、俺達が目指す左側の廊下の入口に着地した。


 デカい! ディケイドよりもデカい大男。その大男が廊下の入口に立ち塞がった。


「オラァ! お前ら巻き込まれっぞぉ!」


 大男が数人の衛兵を蹴散らし、俺達に向かって来る。その手には体と比例してバカでかい段平(だんびら)が握られている。


 こいつの一撃は間違いなくヤバい!

 すぐに強化魔法をかけ、大男の一撃に備える。


 ガキィンッ゙!!


 凄まじい衝撃音がホールに響く。

 大男の一撃に弾かれた俺は数歩下がり、大男も下がって距離を取る。

 大男がニヤリと笑い、俺に目を向ける。


「へぇ、やるじゃねえか。おっさん」


 えげつない初撃を何とか凌いだ俺は周りに目を向ける。こちら側の衛兵どもはほとんどが戦闘不能になっていた。

 背後ではミザネアがまだ衛兵どもの相手をしている音が聞こえる。


 この大男さえどうにかすれば三人で廊下に駆け込めるんだが……。

 大男は段平を俺に向ける。


「ここは通さねえぞ? 大人しく諦めな」

「そういう訳にはいかなくてね」


 ホールの上部から再びバーランの声が聞こえる。


「ゴルデラン! その男は殺しても構わん。さっさとそこの銀髪の女を捕まえろ」

「はいよ。仰せのままに」


 ゴルデランが雑に応え、再び俺に段平の切っ先を向ける。


「というわけで、依頼人のご要望でな。悪いが死んでくれや」


 こっちもそう簡単に殺られるわけにはいかない。

 俺の側にネルアリアが近付いて来る。


「ラドウィン。二人がかりでゆくぞ」

「ああ」


 このゴルデランという男、かなり強い。

 だったら二人がかりでさっさと終わらせる。

 そう思って剣を再び構えた瞬間、


「きゃあぁ!」


 背後からミザネアの声が響いた。


「ミザネア!」


 ゴルデランから目が離せない俺に代わってネルアリアがミザネアに向かって叫ぶ。


「ごめ〜ん、ゴル。遅くなった」

「遅えよ。ガラテア。俺一人に仕事させるつもりか?」

「いやぁ? ボクもちゃんと屋敷に結界張ったりして仕事してたよ?」


 ゴルデランが構えを解いたので、俺も背後のミザネアの方に目を向ける。そこには土の残骸の上に倒れるミザネアと、少し離れた所からミザネアの見下ろす全身黒衣の少女。

 ゴルデランと話していたのはこの女か。


 さっき結界とか言ったな。魔道具がちゃんと動かなかったのはこいつの結界のせいか?


 ホール左側の廊下に続くルートにはゴルデラン。そしてホール右側へ続くルートにはこの黒衣の女。


「ガラテア! その緑髪の女も殺して構わない。銀髪の女だけ捕らえろ」

「はいはーい」


 ネルアリアがミザネアに駆け寄ったが、ミザネアはすぐに上半身を起こした。大したダメージじゃなかったみたいだ。

 階段上部でその様子を眺めていたバーランがネルアリアに向かって声を上げる。

 

「オリベラーナさん! 大人しく捕まってくれませんか? 今ならお仲間は見逃してあげますよ?」


 さっき殺すとか言ってたくせに……。


 ミザネアを助け起こしながらネルアリアが階段上部にいるバーランを見上げる。


「その名で呼ばれるのは好まんの。それに捕まるのもまっぴら御免じゃ」

「そうですか……。では力づくで捕まえさせてもらいますね」


 バーランがホールの左右に控えているゴルデランとガラテアを交互に見やる。


「ゴルデラン、ガラテア。今聞いた通りだ。オリベラーナを捕まえろ」

「あいよ。衛兵どもは下がってろよ。オレらの攻撃に巻き込まれても知らねえぞ?」

「巻き込まれても自己責任ね?」


 玄関ホールの左右から、ゴルデランとガラテアが俺達に視線を戻した。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


ゴルデランは作中一番のデカ男です。

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