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段取り編37 その胃袋は世界まるごとhad enough

 先日

・ToDoリスト「持ち物リスト、地球の歩き方のそれをベースに妻と相談しアレンジを加える」

 を一通り作成し終えて、他のToDoリストを消化する事にした。


 次に消化する必要があるリストとなると

・ToDoリスト「ニューヨーク、ボストンでのレストランの選定、必要なら予約」

 になるだろう。


 レストランに関してはニューヨーク到着日10日木曜日夕食は宿泊するRENAISSANCE NEW YORK TIMES SQUARE内にあるレストラン『R Lounge』で確定。

 

 そして移動日前日の13日日曜日の夕食はディナークルーズで確定。


 よって、ニューヨーク滞在中の11日金曜日、12日土曜日、そしてボストン到着日である14日月曜日、最終日15日火曜日の4日分を選定、予約する必要がある。


 ただ、ニューヨークの2日間に関しては両日共に、ニューヨークメッツのナイターで千賀投手が先発登板する可能性がある以上、『事前にレストランを予約して置いて11日、12日の前日に千賀投手の先発登板可能性の有無が確認出来てから予約を入れたレストランに対してキャンセルであったり予約の最終確認を行う』と言う一手間掛かる選択肢しか無い。


 よって、予約したら当日まで何の変更も無い可能性があるのはボストンでの14日月曜日、15日火曜日の2日分のみ、となる。


 何時ものグーグル先生に「アメリカ レストラン 予約サイト」で仕事をさせると、トップから次ページになるまで『OpenTable』の名前が出て来ないサイトは無かった。

 他にも『Yelp』とか『RESY』と言う検索、予約サイトもあるのだが、どうも登録件数等で『OpenTable』はアメリカのレストラン予約サイトとしてのプラットフォーマーの地位を築き上げている様だ。


 早速『OpenTable』のページに入ると普通に日本語のページが運営されていてビックリした。

 東京エリアだけでも既に4000件以上のレストランが登録されている、と言う事で2度ビックリ。

 予約に関しても予約可能な時間帯が15~30分刻みでマークが表示されていて、好きな時間帯を選択出来る仕組みになっている。


 成程、日本のプラットフォーマーは世界市場を取る事が叶わないケースが大半だが、アメリカのプラットフォーマーはその限りでは無い、って話か。


 早速ニューヨークのレストランを調べようとする。

 左上の『OpenTable』の文字の所をポチるとメインの画面に移動する。

 次にその右隣にアイコンの表示があるからそこをポチるとウィンドゥが開き『エリア』『エリアグループ』が表示、その下の方に『すべてのエリア』と言う表示があるので、そこをポチ。

 すると新しい画面が表示され『すべてのエリア』の中に世界各国の名前が記載されているのを確認出来る。

 そこで一番左、上から4番目に『アメリカ』とあるから、そこをポチると各都市が表示されるのでその中で『New York State』と『ニューヨーク』の2つがある事を発見、先ず『New York State』をポチる。

 成程、『New York State』だとスクロールして一番下の『OpenTable でレストランを見つけましょう』の『地区』で「グリーンベール」「ポート ・ チェスター」「コンガーズ」等ニューヨーク州全般が検索エリアになる。

 これは一寸違うな・・・

 そこで下の方にスクロールして『ニューヨーク』をポチる。

 ビンゴだ。

 「アッパー イースト サイド」「マーレー ・ ヒル」「タートル・ベイ」「ベイサイド」等マンハッタン、および周辺エリアに範囲が限定される。

 この中で候補を何件か用意する事になる。

 

 一番下にスクロールすると出て来る『OpenTable でレストランを見つけましょう』の所に『料理ジャンル』と言うタグがあるのでポチると、

「オーガニック料理」

「カリブ料理」

「バーベキュー」

「タイ料理」

「アメリカ料理」

「レバノン料理」

「ヨーロッパ料理」

「日本料理」

「コンチネンタルヨーロピアン」

「グリル料理」

「メキシコ料理」

「韓国料理」

「アフタヌーンティー」

「ファーム・トゥ・テーブル」

「ブレックファースト(朝食)」

「インド料理」

「ブラジル料理」

「東南アジア料理」

「ステーキ」

「ベジタリアン・野菜料理」

 と20種類も料理ジャンルが出て来て、成程「人種のるつぼ」と言われるだけあって料理ジャンルも非常に多岐に渡っているのが確認出来る。

 ただ、今回の旅行の中で「日本料理」や「韓国料理」は選択肢として一寸入れ難いのも事実だったりする。

 今回の旅行の行程が6泊8日だから、そこまで日本食が恋しくなる訳でも無いし、どうせニューヨークやボストンに行くのなら、現地でしか堪能出来ないレストランの方が良いだろうと言うリクエストは父の方から既に出ていたりする。

 え?息子のリクエスト?知らんがな。

 てか彼のリクエストは基本何時も『寿司』か『焼肉(ただし牛タンとミノとユッケのみ)』がデフォだから、逆に選択の余地が無いのでリクエストを取る事自体無駄な作業なのだ。


 時間に関しては11日金曜日は晴雨関係無く国連ツアーが終わってからの行動になる。 

 国連本部ビルはイーストリバー西岸に面するイースト42~47thStの東際にあり、最寄りの駅はGrand Central-42 St駅になるが、そこまでの移動距離が普通に1km弱あるので、徒歩で歩いても良いんだがまあ多分最寄りのバス停からバスを使ってからの地下鉄、と言う順番になるだろう。


 で12日土曜日に関しては今度はヘリツアーが終了してからの行動。

 この場合はヘリポートがマンハッタン最南端のバッテリーパークの近く、最寄り駅で言えば1番路線SouthFerry駅、あるいはR、W路線のWhitehall St-South Ferry駅にあるから、恐らく地下鉄を使った移動、と言う事になるだろう。

 

 両日共にその後の予定が設定されている訳では無いから、仮に予約したレストランがある程度移動時間が掛かったとしても問題は無い。

 と言うか最大の問題は、千賀投手の予告先発発表を確認してからの予約、あるいはキャンセル作業が必要、と言う点だ。

 ただ、流石に両日共に前日に確認してから予約作業を開始する、と言うのは幾ら何でもリスクしかないので選択肢にはならず、基本予約は入れて置く、そして予告先発発表を確認したら必要に応じてキャンセルを入れる、と言う流れに成らざるを得ないだろう。


 完全な独断と偏見ではあるのだが、ニューヨークにおいて1日はステーキが喰いたい。

 そして、ボストンにおいて1日は海鮮が喰いたい。

 そんなティピカル昭和脳の発想でレストランを決めて良いのか?と言う疑問はあるにはあるのだが、じゃあそれ以上のアイディア出せるのかよ?となると、これまた難しい話なので、この2日は決め打ちにしようと思う。

 

 ではニューヨークにおいてステーキレストランは何処が良いのか?

 価格的にも超の付く高級店もあれば、ニューヨークの地価の事を考えたら結構庶民的な部類まで多種多様な店舗がある。

 その中で先ず選択肢から外すのは『東京に店舗が進出済み』なお店だったりする。

 無論現地で喰うのと日本で喰うのとじゃ雰囲気もサービスも違うだろ?と言うツッコミはあるのだが、それでも、出来るなら現地でしか味わえないお店で食事をしたい。

 そうなるとニューヨークのステーキハウスで超有名な『ピータールーガー』や『ウルフギャング』、『ベンジャミン』はリストから除外される事になる。


 これ等の店舗は特にポーターハウスステーキがお勧めで、ドライエイジングされたUSプライムビーフの周りを贅沢にトリミングし、塩した後最初単独で高温のオーブンに入れ表面を焼き上げ、その後皿に乗せサーロイン部分とフィレ部分をそれぞれカット、溶かしバターを入れたその皿ごと高温のオーブンに放り込み再び焼き上げ、皿でマッチに火が付きそうな程高温の状態でサーブ、取り皿にサーロインとフィレ部分を1切れずつ並べた後、溶かしバターを皿からスプーンで掬い上げ、肉の上からたらーっと滴らせたポーターハウスは、表面がカリっと歯応えがありつつ、中は柔らかく肉を噛み締める歓びを歯や舌や顎で堪能しながら、同時に熟成された牛肉の旨味が肉汁としてあふれ、それをかみ砕いた肉と共に舌で散々味わった後にゆっくりと嚥下する快感ときたら「ああ、今私はこの場でこの肉を喰らっているんだ、この牛の命を頂いて私の体内に取り込んでいるのだ」と思わず頭が垂れる程の圧倒的感謝の念と同時に極めてプリミティブな達成感、充足感を感じずにはいられない逸品だったりする。

 個人的には、その余韻を次の一口につなげる為にアメリカンウイスキーのロックで少しばかり氷が溶け味わいが柔らかくなったヤツをグビリと飲り、口腔内と喉と胃袋に火を灯す瞬間も同じ位貴重な瞬間だったりする・・・いやはや、また肉と酒による相乗効果って奴をやりたくなってきちまうなぁ・・・


 幸福な事に両店共東京で味わう事が出来る。

 だが、それ故に今回のリストからは外したい。


 日本ではお目にかかれない現地でだけ堪能出来るステーキハウスを今回の旅行において優先したい。

 そこで何時もの「ニューヨーク ステーキハウス」でグーグル先生を扱き使う。


 幾つか候補があったのだが、どうせなら歴史がある老舗ステーキハウスの方が良いかな、と思いつつドレスコードが厳しいと選択肢からは外れるだろうな、と考えリストアップした候補についてそれぞれのドレスコードも同時に調べてみる。

 すると結構な店舗で「Business Casual」がデフォになっていた。

 実際の店舗をそれぞれググって写真とかを見ている分には、完全にスーツ&ネクタイ必須、と言う条件では無さそうで、普通に「ジャケパン」と言われる様なジャケット&パンツがあれば無問題、なスマートカジュアルであったり、「綿パンとボタンシャツだけ」が鉄板なリゾートカジュアルでも問題は無さそうではある。


 幾つかの候補で迷ったのだが、最終的に決めたのは『Keens Steakhouse』となった。


 このお店のクラシカルだがカジュアルで余り肩肘張らないフランクな所だったり、老舗で有名人も含めた数多くのパイプが天井に所狭しと飾られていて、単に食事をとるレストラン、では無くサブイベントとしてニューヨークの歴史観光名所としての価値がある場所に思えた点が評価が高かったポイントだったりする。


 後個人的にこのお店のメニューである「Our Legendary Mutton Chop」に実は結構惹かれていたりするのも、選択する切っ掛けの一つになったことは否めない。

 実は個人的に羊肉は好物で、ジンギスカンとかマトンチョップとかチャンサンマハ(羊肉の塩ゆで)等は機会があれば常に食べたいレベルで好きなんだが、悲しい事に妻が羊肉全体が苦手なもんだから、中々食べる機会が無かったりするのだ。


 写真を観ても、かなり食べ出があるカットがされていて、十分羊肉を堪能出来そうだ。

 部位的はマトンチョップとあるが、写真を観る限りあばら部分では無さそうで左右対称になっているから、個人的には背骨周辺の肉かしら?と思った。


 ただ、情報を仕入れる事は出来たのだが、Open Table経由で予約する事は出来なかったので、直接HPから予約を入れる事になる。


◇     ◇     ◇     ◇     ◇


 で、ニューヨークでの1日がステーキハウスなら、もう1日に関しては人種のるつぼであるニューヨークならではのニューヨークに移住してきた移民のルーツである祖国の料理なんてのも悪くは無い。

 実際OpenTableの料理ジャンルでも


「カリブ料理」

「タイ料理」

「アメリカ料理」

「レバノン料理」

「ヨーロッパ料理」

「コンチネンタルヨーロピアン」

「メキシコ料理」

「インド料理」

「ブラジル料理」

「東南アジア料理」


 と幅広く選べる上、更に細かく検索を掛けると地域、国籍、民族、宗教絡みである程度縛りを入れただけでも


 「アメリカ料理」「イタリア料理」「フランス料理」「インド料理」「メキシコ料理」「日本料理」「イギリス料理」「中華料理」「スペイン料理」「フュージョン料理(注:多国籍料理の事です)」「ギリシャ料理」「トルコ料理」「アイルランド料理」「アルゼンチン料理」「ポルトガル料理」「レバノン料理」「ブラジル料理」「韓国料理」「オーストラリア料理」「キューバ料理」「モロッコ料理」「ペルシャ料理」「コーシャ料理(注:ユダヤ教で定めている食事のルールによる料理)」「オーストリア料理」「ネパール料理」「ベルギー料理」「ビルマ料理」「ジャマイカ料理」「プエルトリコ料理」「フィリピン料理」「イスラエル料理」「カンボジア料理」「コロンビア料理」「ハラール料理」「クロアチア料理」「エクアドル料理」「ウクライナ料理」「グルジア(注:ジョージア)料理」「フレンチアメリカン料理コンテンポラリー」「コンチネンタルヨーロピアン」「ラテン・スペイン料理」「ベトナム料理」「アジア料理コンテンポラリー」「アジア料理」「中南米料理コンテンポラリー」「南アメリカ料理」「アジア料理」「東欧料理」「ヨーロッパ料理コンテンポラリー」「スカンジナビア料理」「各国料理」「バルカン料理」「ヨーロッパ料理」「西アフリカ料理」「アフリカ料理」「中南米料理」「地中海料理」「ペルー料理」「中近東料理」「ベネズエラ料理」「ドイツ地方料理ベルリン」「テクス・メクス料理」「飲茶」「カリブ料理」「東南アジア料理」「インドネシア料理」「ドイツ地方料理ババリア」「北欧料理」「北アフリカ料理」「ヨーロッパ料理コンテンポラリー」「タイ料理」

 

 ・・・ってまあ、こりゃ無理ですゴメンナサイってレベルで出て来た。


 選択肢が余りにも多過ぎると逆に何一つ決められなくなる危険性があるってマジなんだな。

 でも決めない訳にもいかないので、先ずは方向性から決めてそこから段々と細かく絞って行き、最終的に1ジャンルで決める様にしてみる。


 最初に、1日がステーキ、そっからアメリカン>欧米か>全欧州ハイ消えたぁー。

 次、日本料理、中華、韓国料理系は選択肢から外れるから全アジア系ハイ消えたぁー。

 ・・・ってかこん位ザックリ乱暴に決めなきゃ何時まで経っても決定出来ない。

 それでも、まだ


「メキシコ料理」「トルコ料理」「アルゼンチン料理」「レバノン料理」「ブラジル料理」「キューバ料理」「モロッコ料理」「ペルシャ料理」「コーシャ料理(注:ユダヤ教で定めている食事のルールによる料理)」「ジャマイカ料理」「プエルトリコ料理」「イスラエル料理」「コロンビア料理」「ハラール料理」「エクアドル料理」「ラテン・スペイン料理」「中南米料理コンテンポラリー」「南アメリカ料理」「西アフリカ料理」「アフリカ料理」「中南米料理」「ペルー料理」「中近東料理」「ベネズエラ料理」「テクス・メクス料理」「カリブ料理」「北アフリカ料理」


 と残っている。

 ザックリ言えば、カリブ海系、中米系、南米系、アフリカ系、中東系って感じかしら?


 純粋な海鮮祭はボストンで行う予定だから、良い意味で『海の物とも山の物ともつかない』料理の方が良いかなぁ・・・

 それと、ボストンでの最終日はスマート~リゾートカジュアルレベルの緩いドレスコードがある、ある程度キッチリしたレストランで落ち着いて食事やお話をしたいな、と思っていたりするから、その真逆なサービスがあるレストランとかも良いかも知れない。

 ライブキッチンでのパフォーマンスとか、ライブミュージックのサービスとか・・・

 

 と言う事で、『目的・シーン・こだわり』のソートで「にぎやか」「グループ・宴会に最適」「ライブ音楽が評判」「地元で評判」「斬新」「注目のお店」「特別な食事に最適」「魅力的」でソート、他にも『予算』の所を3段階で下から1、2段までに設定、最高価格帯を外す設定を行って、検索を掛ける。

 

 これで、ザックリ20件を切るレベルまで絞り込む事が出来た。


 後はホテルとのアクセスが近い所があれば、食事が終わった後時間を掛けずに戻る事が出来るから・・・ああ、ここなんて良いんじゃないかな?


 『Havana Central Times Square』


 キューバ料理、と言う東京でもそこまで沢山レストランがある訳でも無いジャンルである珍しさ、ホテルに徒歩圏で戻れるアクセスの良さ、11日金曜日の夜にはキューバ音楽のライブも行われるみたいだし、コスパも良さげでドレスコードがカジュアルな自由さ加減。

 良いじゃん。

 スケジュール的には11日国連ツアーが終わったらバスでタイムズスクエアまで移動、そのまま徒歩でお店に入って食事、終了後同じく徒歩でホテルに帰還、と言う段取りになるだろう。


 となると、自動的に『Keens Steakhouse』は12日土曜日で決定。

 ヘリツアーが終了後、地下鉄で移動、となるから、そこから逆算して予約時間を設定すれば良いだろう。

 仮に30分、1時間遅い時間でしか予約出来なくても、レストランの周辺を観光すれば良いだけなので、その辺りは特に心配はしていない。


 予約時間はどうするか?

 先ずは『Havana Central Times Square』

 11日金曜日の国連ツアーは15:00スタート予定。

 となると終了時間は2時間もみておけば良いだろうから17:00終了をイメージすれば、そこから近くのバス停に移動、バスに乗車しタイムズスクエア周辺で降車、と言う段取りになる。

 M42路線でEast 41 Street & 1 Avenue停留所から乗車、E42ndStを西進してW 42 St/7 Av停留所で降車、所要時間は大体12分と表示されている。

 まあ、夕方だと渋滞もあるだろうからなぁ・・・ざっくり20~30分で見とけば良いだろう。

 M42路線のバスの運転間隔が約20分位らしいから、それを考慮してW 42 St/7 Av停留所から『Havana Central Times Square』までの徒歩での移動約6分も追加すると、目の前でバスが出発してしまった、というアルアル最悪の出目(ファンブル)でも最大で約1時間で到着、となる。

 となれば予約時間は18:30で良いな。


 『Keens Steakhouse』はどうするか。

 予定ではヘリツアー終了時間が18:50。

 若干ズレるとして19:00終了として、そっからお土産の写真購入とかライフジャケットの着脱作業とか、ロッカーに預けた荷物のピックアップとか諸々の作業があるだろうから、それを20分で計算したとして、ヘリポートから移動出来るのが19:20。


 ヘリポートからN、R、W路線のWhitehall St-South Ferry駅まで徒歩で約6分。1路線のSouth Ferry駅も徒歩約6分。

 そこからN、R、W路線で移動なら34 St-Herald Sq駅まで地下鉄で約16分。1路線の場合34 St-Penn Station駅まで約16分。

 それぞれの駅から『Keens Steakhouse』まで徒歩で34 St-Herald Sq駅から3分。34 St-Penn Station駅からで約7分。

 単純に合計するとN、R、W路線を使った場合約25分、1路線を使った場合約29分掛かる事になる。

 どちらかでも良いのだろうが、とは言えとは言え、地下鉄の遅延とかニューヨークの道路での車によるクラクションと同じレベルな日常イベントらしいので、選択肢は複数あった方が良いだろう。

 念の為両ルートについて共に書いて置く。

 

 予約時間については20:15位にしておくか。

 もっと遅い時間にする、と言う選択肢もあるのだが、お店自体が22:30クローズだから、恐らくラストオーダーはもっと早い時間になるだろうし、あんまりバタバタしている食事にしたくないから、これ位の時間設定に成らざるを得ない。

 この日が一番時間的にクリティカルな夕食になるかも知れない。


◇     ◇     ◇     ◇     ◇


 お次はボストンでの予約。

 到着日である14日月曜日と実質最終日である15日火曜日の2日分。

 方向性としては到着日の14日がボストン海鮮フェスティバル、15日は落ち着いたレストランで旅の総括についてとかその他諸々の思い出話とか、と言うイメージで考えていたりする。

 まあ、ボストンで肉メインに喰っても炭水化物系メインに喰っても何にも悪くないんだが、ティピカル昭和脳の発想が「ボストンだったら海鮮一択だろ」にするのだ。

 是非もなし。


 「料理ジャンル」を「シーフード・海鮮料理」でソート。

 これで130件位に絞れる。

 次に予算を3段階で下2段階のみにし、最高価格帯を外す。

 「目的・シーン・こだわり」を「にぎやか」「クラフトビールが評判」「グループ・宴会に最適」「地元で評判」「注目のお店」「特別な食事に最適」でソート、結果45件が残った。

 そのリストの中で気になった店があった。

 と言うかチェーン店なのだろうか、ボストン内の結構な地域で同じブランド名の店舗展開がされていた。

 では、宿泊するホテル『Boston Omni Parker House』の最寄にあれば、選択肢として良いかもしれない。

 そう思いエリアを絞る。

 最寄りの店舗が『Legal Sea Foods – Downtown Crossing』と出て来た。

 一旦、別ウィンドウでHPを開いて内容を確認して見る。

 なるほど一通りシーフード全般を扱っていて、特に『時価』となってるロブスターは大きく食べ出がありそうだ。

 3人とも甲殻類はエビもカニもロブスターも大好物な部類なので、ここにしようと思った。

 もし味やボリューム、コスパが良ければ、今後ボストンに再度行く機会があれば1日はこのレストラングループを利用する、と言うカードが手に入る事になる。

 まあ、そんな機会が今後一生の中でどれだけあるかは判らないが、何事も段取りが重要なれば、手札は多いに越した事が無い。


 時間はどうしようか。

 ボストン美術館の閉館時間が17:00

 そこからGLE路線のMuseum of Fine Arts駅まで徒歩約3分、そこから地下鉄、というよりその区域は路面電車の様な形なのだが、ホテルの最寄り駅であるGovernment Center駅まで8駅分約16分、そこから徒歩でホテルまで約6分、合計約25分となる。

 地下鉄の待ち合わせ時間も考えればもう少し猶予を持たせたとしても40分位で十分だろう。

 今度はホテルからこの店舗まで徒歩で移動する事になるからそこまでがおおよそ10分。

 となると、ホテルで着替えたり一息入れたりする時間を考慮しても18:30位で良いかな?


 いやぁ、一々時間を追っかけるのって大変。

 でもこんなんで、十津川省三の気持ちが判るぜ、とかうそぶいた日にゃ熱狂的なファンにNゲージでタコ殴りされてしまうだろうなぁ・・・


 最後に、15日火曜日。

 この日は逆にゆったりと食事をしたいので、余り騒がしいのはNG。

 「料理ジャンル」を「シーフード・海鮮料理」でソート、更に「目的・シーン・こだわり」で「デート」「ビジネス・接待に最適」「地元で評判」「注目のお店」「特別な食事に最適」「高級」「高級ワインが評判」「魅力的」でソート、ホテルから出来れば徒歩圏の範囲で調べてみる。


 幾つか候補が出て来たのだが、その中でもあるお店が気になった。


 『Ostra』


 紹介されているページの掲載されている写真を観ると、店内が白を基調とした柱や高い天井で奇麗にまとめられていて開放感があり、歴史のある町ボストンが持つ重厚感とはまた違ったイメージを訪れる者に与える。

 ライティングも昼白色を基調としてアクセントとして電球色を使う箇所が幾つかあり、テーブルにはそれぞれキャンドルが灯されていて、来客に対し清潔感と同時に安心感も与える。


 メニューに関しても前日に訪れる『Legal Sea Foods – Downtown Crossing』とは若干違い同じシーフード系でも一寸洒落た感覚のセンスの良いメニューが多そうに感じた。


 これならそれぞれ店舗の雰囲気だったり食事の内容も違いが楽しめるし、選択肢として悪くは無いのでは?と感じた。


 移動手段は徒歩で約15分と出ていて、電車での移動が約14分となっていたから、どう考えても徒歩一択となる。

 問題は予約時間をどうするか、についてなんだが、実質最後の夜だしスタート時間が若干後ろ倒しでも問題は無いだろう、と思うので19:00位にして置いた方が良いだろう。

 早い段階でイベント消化が進んだ場合はホテルの近くにある店舗を冷やかしても良いし、ホテルで休憩しても良い。


 ・・・ざっとこんな感じかな?

 『Keens Steakhouse』だけは『OpenTable』経由で予約が出来なかったから、明日にでもHP経由で予約を入れよう。

 

 それぞれの店舗の予約時間やレストラン情報をエクセルシートやお気に入りに登録するのと同時に、携帯の方にピンピロ入る『OpenTable』からの予約メールを確認する。


 もそもそと片付け作業に入っているのを確認したのか妻の方から、


 「今日の作業って目途が立ったの?」

 と聞いて来た。


 「ああ、今日は夕食で使うレストランの選定と予約作業かな。お陰様で目処が立ったよ」

 「そっか、君が作業している途中でちろっと観てたけど、何か美味しそうなお店が結構あったよねぇ。どんなとこ予約したの?」


 と聞いて来たので、10日の『R Lounge』、11日の『Havana Central Times Square』、12日の『Keens Steakhouse』、13日のディナークルーズ『New York Signature Dinner Cruise』、14日の『Legal Sea Foods – Downtown Crossing』、そして15日の『Ostra』と一通り写真等も交えながら教える事にした。


 「しっかしまあ、選んだ所全部店舗の雰囲気だったり、コンセプトだったり、出て来るメニューの内容だったりが違っていて、せいぜい似ている所があるとしても14日の『Legal Sea Foods – Downtown Crossing』と15日の『Ostra』が「シーフード中心」って事位しか共通点が無い組み合わせなんだねぇ」


 と妻は目を大きくして驚く。


 「だべ?だべ?同じ様なお店になるよりも折角の機会だから、全部違うコンセプトにした方が良いでしょ?って思って、でもってこんな組み合わせ方になったんだよね」


 そうなのだ、今回の旅行では食事も色々なタイプを堪能出来れば良い、と考えていたから、意図的にタイプが違う店舗やツアーにしようと考えて段取りを組んでいた。

 だから、その事を取り上げてくれた事は素直に嬉しいなぁと感じたのだ。

 そう思っていた時に、


 「・・・ねえねえ、今の私がこの中だったら、何処に行きたいか判る?」


 と妻から突然クイズを出された。

 何か顔を見るとニマニマしてるから、多分当たらないだろうなぁ、と高をくくっているんだろう。

 うーむ、彼女がこう言う表情をする時って大抵「裏をかく」「想定外の答え」が正解だったりするんだよなぁ・・・

 でも、彼女が羊肉が不得意なのも知ってるし、ステーキがこの中で一番外しやすい選択肢だと思うんだが・・・

 いや待てよ、今『何処に行きたいか判る?』って言ってたよな?

 って事はディナークルーズが選択肢から外せないって事か?

 『何が食べたいか判る?』だったら、ディナークルーズは真っ先に外せる安全パイだったんだが、これじゃ全選択肢が可能性あるじゃねーか。


 「・・・何かヒント」

 「ダメーッ。完全ノーヒント」


 と言いながら二ヒヒと悪い笑みで笑う。

 うわぁ、スゲェドヤ顔だな、オイ。

 うーむ、こんだけ得意気だと言う事は絶対に裏をかいた答えだよなぁ・・・


 「・・・うーむ、じゃあ、『Keens Steakhouse』」

 「うん、正解」


 何となく一番裏をかいた答えを言ったのだが、あっけなく正解で逆に拍子抜けした。


 「え?ホントに正解なの?」

 「うん、そうだよ。ちなみに・・・実は全部の選択肢が正解で~すっ」


 と言って得意気にブイサインを出しながらぎこちなく微笑む。


 ・・・ああ、やられた。

 そりゃ「予想出来ない」わな。

 いや、違うな。

 俺は彼女の求めていた「真の答え」を予め予想してなきゃいけない立場だったんだ。

 

 「・・・ゴメンな。何かここ暫く今回の旅行の準備やら段取りやらで、貴方に迷惑かけっぱなしな状態がずーっと続いていたのを失念してたわ。」


 確かに、時間も後1か月で押し迫っていたのも事実だし、色々調べたり確認する事が多かったり、失敗しない様に時間を掛ける必要があったのは事実だが、その間土日の休みも空いた時間の大半が作業で忙殺していたのも事実だったりする。

 家の事とか息子の事とかも放置プレー状態であったし、先月位からは梅雨だったり他の原因もあったけど、一緒に『スーパー獲物ハンティング』を楽しむ事も御無沙汰気味だったりもしていた。

 ゆっくりと2人で話す時間が無かったのも事実だ。


 「ううん、君が下調べや準備や段取りで忙しいのは目の前でずっと見ているから知ってるし、旅行まで後1か月な状況で何か色々と夜遅くまで焦っている様で大変そうなのも判ってるから・・・ただ、なんか・・・ね?」


 と妻は小首をかしげながら、指で自身の頬をポリポリ掻きながら微笑みを浮かべる。

 俺にとってそれは罰に等しい微笑みだった。

 その微笑が最後のピールとなって、申し訳無さと罪悪感が苦酒としてステアされ悔恨と名付けられたカクテルが完成され俺の心に容赦無く注がれる。


 「もし、良ければなんだけど、次の週末、アイツがサッカー部の練習で出かけている間、2人でどっかに食べに行こっか。ランチタイムで食べたいレストランとかリクエストがあったら教えて欲しい」

 「・・・うむ、では吾輩は久しぶりに「『みはし』の白玉クリームあんみつ」を所望するぞ」


 と妻は芝居掛かった態度と声で言う。

 彼女は判っている。

 2人で何処か食べに行くにしても、夕方までには息子は戻るし、昼間っからランチコースとかで重たいものを食べると俺の場合は全く問題が無くても妻の場合は夕食に差し支えるから、昼食を家で軽めに抑えてそこから出かけてデザートを食べよう、と言う事なのだ。


 「ははぁ」


 とこっちも家臣の様に仰々しく頭を下げる。


 「ああ、ちなみに君はこれ以上太っても困るから「ところてん」だけね」

 「はぁっ!?」


 と思わず下げた頭を上げちまった。

 いやいや、「みはし」に行ったらあんみつだろ。

 と言いかけたんだが、彼女のにまぁ~って顔を見て、ああ、成程これは俺が今回支払う「罰符」なんだな、と思い直し、


 「御意」


 と言い再び頭を下げた。


 作業時間が押してしまう分?

 んなモン、俺の寝る時間削りゃ良いだけだ。

 この歳でも月に2~3回位なら何とかなるべ?


>世界まるごとhad enough


 I’ve had enoughで「マジ腹いっぱい」になりますので(I’m full、I’m stuffedの方が有名ですけど)その一部を「世界まるごとHOWマッチ」に引っ掛けました。


 いやぁ、アン時の石坂浩二氏のニアピン率はクイズダービーのはらたいら氏にタメ張るレベルで安定感が抜群でしたね。


 ああいう番組また観たいなぁ・・・


>ハイ消えたぁー


 ハイ懐かしい昭和の番組その2、「なるほど!ザ・ワールド」から愛川欽也氏の有名なセリフですね。


 「アメリカ横断ウルトラクイズ」もそうなんですが、1980年代って実は一部の都市部在住の人以外にとってまだ「世界が遠かった」時代でもあったんですよね。

 故にテレビ番組、と言う形で海外に関するコンテンツが成り立っていた訳です。


>十津川省三の気持ち


 はい、昭和を代表するミステリーの傑作、十津川警部シリーズの主人公ですね。

 作者である西村京太郎先生がそもそも生涯著作数600作オーバーってリアルバケモンなので、彼の主要登場人物である十津川警部も当然全国区のキャラクターになりました。

 ドラマでも様々な名役者が演じられていましたね。

 ただ、どうしても昭和バイアスが掛かっているのか、個人的には三橋達也氏の十津川警部が一番しっくりと来ていましたね。


 ええ、明智小五郎とかはやっぱり天知茂氏が一番しっくり来ている世代だったりします。

 でもあの番組「土曜ワイド劇場」として土曜日の夜9時から10時半以降位までの放送時間で、良い子は結構寝ていたりする時間だったりするんですよね。

 放送内容も結構女性の裸身描写とかサービスシーンがあったりで、今思えばあの当時あれが好きだった私は随分マセたクソガキだったんだなぁと思うw


>「みはし」に行ったらあんみつだろ


 浅草でも「梅園」とか「梅むら」、「舟和」等老舗で美味な甘味処は沢山あるしどこの甘味も好物だったりするのですが、我が家であんみつとなると上野の「みはし」がデフォだったりします。

 や、マジで美味しいんですよ、あれ。

 結構並んでいますが、回転が速いので言うてそこまで待たない印象だったりします。


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