段取り編36 ポン酒はおやつに入らない
その日は結局3人分の作業が終わったのが夜の10時半近く、そこから家に戻って遅めの夕食を取り、速攻で風呂入って寝たと思ったら、もう翌朝で御座いますよ、ええ。
取り敢えずESTAの作業は終わり後は申請完了メールを待つだけになる。
これは遅くても3日以内にはメールが来るそうで、それが来たら念の為、画面をプリントアウトして持って行こうと思う。
情報がパスポートと紐付けされているから基本紙の情報は不要なはずなのだが、一応紙で印刷されていないと不安になってしまう昭和世代の悲しき性なのだから是非もなし。
それに、携帯とか何らかの条件で使えなくなるトラブルとか想定した場合、ESTAに限らず各種重要情報は全部プリントアウトして保管していた方がリスクヘッジ、と言う面でもそれほど手間も掛からないし悪手では無いだろう。
これで大急ぎで片付ける必要性が高いリストは処理出来たはずだから、次の段階として現時点でToDoリストに載っている項目で残っている内容について再度優先順位を付けてどれから準備するべきか検討する必要が出て来た。
今週末は、その作業になるだろうな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
いよいよ7月に入り、梅雨時の鬱陶しさを忘れさせてくれた紫陽花がその色を失ってしまう時期になる頃、メキメキ上昇していく湿度計を睨みながら、エアコンを除湿にしつつ除湿機も同時に稼働させる日々が『これが日本の夏なんですよ』と言う不快感を私達に嫌と言う程、堪能させてくれる中でパソコンを立ち上げ、エクセルシートの『ToDoリスト』を引っ張り出す。
終わった奴はその都度消しているので、今現在残っているのはまだ未処理の分だ。
・ToDoリスト「持ち物リスト、地球の歩き方のそれをベースに妻と相談しアレンジを加える」
>用意する必要があるもので家に無いアイテムがあれば事前に購入
・ToDoリスト「リゾートカジュアル、旅行用シャツなどをサカゼンで大量購入」
>下着、靴下等も旅行の日程に合わせて不足分を用意
・ToDoリスト「ボストン美術館で公開情報を基に3人で行動する共通ルートを構築する」
>同時に自由時間がどれ位になるか、最終的な待ち合わせ時間、場所の決定
・ToDoリスト「ニューヨーク、ボストンでのレストランの選定、必要なら予約」
>レストラン予約サイトを調べ、どこのページが良いか確認後、レストラン検索
>夕食で何処にするか検索および予約する必要がある日程は
ニューヨーク11日金曜日、12日土曜日の2日分
>ただし、両日共にニューヨークメッツの千賀投手先発登板試合の可能性がある為、予約に関しては事前に予約して置いて、予告先発が発表されてからキャンセル作業が必要になる
ボストン14日月曜日、15日火曜日の2日分
>昼食に関しては不確定要素が多過ぎるので予約の必要無し
>10日木曜日は宿泊するホテルのレストランを使う予定
>店舗が決まったら、そのメニューを確認。メニューに書かれている単語で判らないものを日本語訳してその翻訳情報をプリントアウトした紙に書き込んで置く事
・ToDoリスト「ボストンでのプランを最終確定」
>実質15日火曜日の晴天時と雨天時のプランのみ
・ToDoリスト「旅のしおりの作成」
>5通作成、参加者各人の分と自宅の分と実家の分
・ToDoリスト「全員分の申請完了ESTA情報プリントアウト」
・ToDoリスト「保険加入および書類のプリントアウト」
・ToDoリスト「全員分の羽田>ニューヨーク、ニューヨーク>ボストン、ボストン>成田の各航空券予約票、並びにeチケットのプリントアウト」
・ToDoリスト「ジャズクラブ、ヘリツアー、ディナークルーズのチケットをプリントアウト」
・ToDoリスト「各種メインイベント、サブイベントの情報をイベント毎にプリントアウトしたのを日程毎にまとめ、アップデートした情報をそれぞれ書き込む」
>上記各種プリントアウトした書類はその分類毎にクリアファイルに入れ分かり易い様にする
・ToDoリスト「1週間前位から現地の天候の確認を毎日行う」
>明らかに翌日の天気予報が雨天が確定的な場合、当日朝から雨天スケジュールで動ける様に事前に段取りを組んで置く
・ToDoリスト「ニューヨークメッツの千賀投手が先発登板した日のチェック。次回登板日の推測」
>中4日、中5日で日程がズレるから、7月に入ったら、登板日を定期的にチェックする事
・ToDoリスト「ボストン美術館の展示品アップデート情報」
>ターゲットにしている作品について何か変更点があった場合は直ぐに父に報告、ルート変更作業に取り掛かる
・ToDoリスト「出発日前日、荷物等をチェックリストを用いて妻とダブルチェック」
とまあまああるのだが、時系列的に順を追って片付ければ良いので、タイトなスケジュールでは無いだろう・・・多分。
この中で先ず取り組みたいのが
・ToDoリスト「持ち物リスト、地球の歩き方のそれをベースに妻と相談しアレンジを加える」
>用意する必要があるもので家に無いアイテムがあれば事前に購入
になる。
大抵こう言うのって、色々準備していく中で「ああ、これも必要だった、あれも必要なのかも」となって1回の準備で完璧に出来るとは思えなかったし、実際過去に何度も同じ様な事があったから何回か試行錯誤する機会を設ける時間が必要になる、と感じたからだ。
早速、地球の歩き方に掲載されている内容を確認する。
ニューヨーク2023年度版だと468ページに『携行品チェックリスト』と言う名前で掲載があった。
二重丸、丸、三角でそれぞれ『どの旅行者にも必要』『一般的に必要度が高いもの』『あると便利なもの、または人によって必要なもの』の3段階で区分されていて、この区分毎で分類すると、
二重丸:「パスポート」「ESTA渡航認証のコピー」「航空券(eチケットの控え)」「現金(日本円)」「クレジットカード」「海外旅行保険証」「下着」「くつ下」「Tシャツ類」「洗面・入浴用品」「医療品類」の11種類。
丸:「パスポートのコピー」「トラベルプリペイドカード」「現金(USドル)」「セーター、トレーナー」「帽子、サングラス」「雨具」「シェーバー」「化粧品」「筆記用具」「ガイドブック」の10種類。
三角:「国外(国際)運転免許証」「国際学生証」「ショートパンツ」「サンダル」「タオル」「ドライヤー」「洗剤」「ビニール袋(小分け用)」「カメラ、スマートフォン」「メモリー、充電器」「辞書、英会話集」「顔写真(2~3枚)」の12種類。
大変に良くまとめられた内容で、ほぼこれで良いのだろうが、当然これはあくまでも『最大公約数』的な携行品リストなのであって、今回の3人旅においてもそこまで重要じゃないアイテム、逆に絶対に持って行かなきゃならんマストアイテムとかそれぞれあるだろうから、それをこれから妻と相談しながらどの様なアレンジを加えるべきか、まとめていこうと思う。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「セーター、トレーナー、シェーバー、化粧品、ショートパンツ、サンダル、ドライヤー、辞書、英会話集・・・この辺りは君達どーせ要らないでしょ?」
地球の歩き方の『携行品チェックリスト』を妻に見せたら真っ先に、9種類のアイテムがバッサリ切られた。
「ああ、まあ確かに向こうでセーターやトレーナーを着る機会はないだろうなぁ。でも海外は日本と違ってとてつもないレベルで室内は冷房ギンギンに効かせるのが馳走、と言わんばかりな感覚だから、『ウィンドブレイカー』とか羽織るもの系で防寒具は必須だよな。それに防水機能もあるなら、夕立とか『折りたたみ傘』で対応出来ない場合でもポンチョ代わりになる」
「出来るだけ携行性の良い軽いのがお勧めだと思うよ。あったでしょ?あの白いヤツ」
と妻が言っているのは随分昔に買った軽量防水ウインドブレーカーで色々な場所で使っていたから、まあまあくたびれているやつだ。
「ああ、アレか。まあまだ使えるだろうし、俺はアレで良いか。でそう言うのあのクソガキの分ってあったっけ?」
と言うと妻は腕を組み左手の指先を自身の顎の所に持って行き2~3度トントンと叩きながら、小首を傾げ「うーん」と言い思い出そうとしている。
やがて、
「確かあの子が高校生の時にサイズ的に合わなくなっちゃってリストラして以降買って無かったと思うんだけど・・・」
と言いながら、思い立ったが吉日だと言わんばかりに息子の部屋にさっさと向かいノックもせずにドカドカ入り込んで行った。
すると向こうの方から
『ノックもしねーで勝手に入るんじゃねーよ!』『そう言えば以前あった君のウインドブレーカーってもう家に無かったっけ?』『はぁ?んなモンとっくに着れなくなったから、捨てたじゃねーか。お母さんその年でもうボケ始めたのか?』『来月のお小遣い半額ね』『おーぼーだーっ!』
と言う微笑ましい親子の会話が繰り広げられ始めた。
・・・うん、オメーら仲良いな。
結局、息子の分は後日買いに行く必要があるので、どこかのタイミングでお店に行くそうだ。
「シェーバーも、基本出張でも無いし、要らんから持って行く必要は無いわな。ショートパンツとかも2人共使う必要が無いし、そもそも俺は持っていないから確かに要らん。サンダルもどうせニューヨークでもボストンでも結構歩く距離が長いから、むしろ履き慣れた運動靴一択になるだろうね」
「ホントは運動靴とかも、毎日同じ靴履くよりも2~3足を毎日ローテーションで履いた方が良いって話もあるんだけどねぇ。それにもし雨に降られて運動靴結構濡れちゃったらその後どうすんの?」
「んな事言ったって何足も靴ばっか持ってく訳にはいかんって。基本的には同じ靴履きっぱなしになるのは仕方が無いでしょ?」
「前日までに『魔法の粉』たっぷり掛けとかなきゃ・・・」
『魔法の粉』とはグランズレメディの事で、我が家の悪臭における『爆心地』、妻の鼻がひん曲がるレベルの臭い発生源であった私と息子の普段使っている各種靴の臭いをほぼほぼシャットアウトさせた、と言う驚愕するレベルの実績から、我が家の必須アイテムの一つにランクインした逸品だったりする。
「ドライヤーもホテル備え付けので十分だろうし、そもそも俺はドライヤーは使わん」
「洗剤ってリストにあったけど、ホテルに洗濯機とかあった?」
「知らん。確認もしていない。そもそも洗濯するつもりも無い。予備も含めて最初から間に合う枚数の衣服を準備して置く事で対応する」
「君、相当汗っかきだから、この夏場で1日中移動しながら観光する、となると1日1枚でシャツとか足りるとは到底思えないんだけど・・・」
「足らせるしかなくね?つか、ホテルに休息や戦利品の保管で戻った時に汗拭きシートやウェットシートで体を拭くとかで、対応するしかないと思う。ランドリーで洗濯する時間とか考えた場合、恐らく夜寝ている間とかになるだろうけど、その洗った洗濯物を朝一で取り込んで部屋に干す作業を行うのは時間的に厳しいんじゃないか、と思っている」
「私的には『洗剤』とか『携帯用物干しロープ』の類は持って行った方が良いと思うんだけどねぇ・・・」
と妻が眉をひそめながら言う。
「化粧品とかも確かに要らんわな。3人共お肌のケアとか基本ガン無視だし」
「でも絶対に『日焼け止め』は持って行ってね。この夏場で何のケアもせずに毎日長時間外に出歩きっぱなしって凄いレベルの日焼けしちゃうから。君なんて絶対に黒豚チャーシューになちゃうよ」
やかましいよ。
「せやな。それはリストに入れて置くよ。・・・後は、ああ辞書や英会話集か。多分要らんと思う。最低限必要な英単語はザックリと理解しているつもりだし。ただ、レストランとかのメニューで魚介類の名前とか肉類でも部位の名前とか出される判らないのが多いだろうし、調理法とか下手すりゃ英語ですらない言語で書かれているパターンも多いから、レストランの予約が完了したら各店舗のメニューを日本語訳する一手間は必要な作業だな」
と言うと、妻はにかーっと悪い笑みを浮かべ
「へぇ~、向こうの学校行ってても判らない単語とかあるんだぁ~」
と抜かして来やがった。
「大学卒業してもう25年以上経つんだぞ。その間ほとんど英語使う機会も無かったし、単語や熟語、構文なんざバカスカ忘れてるに決まってんだろ?大体、向こうにいる間なんて毎月の親から振り込まれる仕送り金額とかたかが知れていたし、しかも就学ビザの関係で色んな条件クリアしないとバイトとか一切出来なかったから、いっつも金が無くって金が無くってPBブランドのインスタントラーメンとかジャガイモ、冷凍マッケンチーズばっか食ってる日常だったし、大そうなレストランで小難しいメニュー読んであれこれオーダーする様なお大臣イベントなんざ1回たりとも見た事もやった事もねーよ」
もう、四半世紀以上も昔の話だから、自分自身の大学生の時にどんなことしてたかとか、結構色んな事を忘れてしまってる。
色々あったんだけどなぁ・・・
ただ今でも覚えているのは、何時もやたら腹減っていた事、授業の時間以外では常に金が無かったから自分の車の整備に時間を掛けたりしてよく手がオイルまみれになってた事、学校のスナックバーでも友人宅でも常にMTVが掛けっぱなしで日常生活における生活音の一つだった事、夏には蛍がアホ程湧いて出ていて風情も風流もあったもんじゃ無かった事、秋には全地域で山が大火事に映る程の紅葉が視界を覆いそのスケールの大きさに驚愕した事、冬のクソ寒い時期に路面が完全に凍結しその上に降った細雪が風に吹かれまるで白蛇の如く路面をうねっていた様が美しかった事、卒業年でもある1995年には野茂英雄氏(当時選手)がロサンゼルスドジャースに入団し、ピッツバーグにてパイレーツ相手に勝利投手になった試合を生で観戦する機会を得られた事・・・いやぁ、全くと言って良い程、大学の授業の事覚えてねぇーなぁ・・・
「そっかぁ、君のその体型はメイドインアメリカなんだね!」
と謎のサムズアップしながら妻が笑った。
なにわろてんねん。
まあ、確かに向こうに行ってる期間が1日での平均摂取カロリーはずば抜けてトップクラスだったわな。
流石に今現在、五十路に入ってる昭和産のオッサンが20代の頃の様な食欲魔人やってたら別の意味でヤベェだろ、普通。
「まあ、その話は一旦置いといて・・・逆に必要なアイテムピックをアップすると、先ず『パスポート』『パスポートのコピー』『ESTA渡航認証のコピー』『全行程の航空券(eチケットの控え)』『海外旅行保険証のプリント』『ジャズクラブ、ヘリツアー、ディナークルーズのチケットプリント』『各種メインイベント、サブイベントのプリント』『旅のしおり』・・・重要書類関連だとこんな感じか?後は日程毎にまとめる必要があるし、向こうでカタログとかチケットの半券とか記録として残しておきたい書類もあるだろうから『クリアファイル』は余分に持って行く必要があるな」
と言葉に出しながらパソコンのエクセルシートに1行ずつ書き込んでいく。
何となく習慣でチェックリストを作る時にはパソコンでの書き込みと発音を同時に行った方が頭にこびり付きそうな気がするのだ。
気のせいかも知れんけど。
「金銭関連だと『現金(日本円)』『クレジットカード』『現金(USドル)』USドルに関してはもう父が購入済だから出発1週間前にでも会社の金庫から出せば良いだけの話だ。後は旅行用で『ドルを入れる為の財布』とかあったら便利かな・・・こんな感じで良いだろう」
「そう言えば今回の旅行でレンタカーとか借りる予定って無いの?」
と妻が聞いて来た。
「ああ、言って無かったっけ?今回ニューヨークの観光で回る行動範囲は全部地下鉄やバスの様な公共交通機関で済むんだよ。でもってボストンも同じ。だからレンタカー借りなきゃ移動が難しい、って目的地は一切入れていない。移動のタイムロスも防ぎたいし、特にニューヨークの場合は交通渋滞が読めないからね」
「なるほどね。じゃあ国際運転免許書とかも要らない訳ね」
「うん、そうなるね。これがボストンだけです、とかだったら郊外の観光名所とかもターゲットになるかも知れなかったから、レンタカーが選択肢に入っていたかも知れんけど。仮にニューヨークだけですって場合だと、他にも行きたい公共交通機関で移動出来る目的地が結構あったからレンタカーで何処かに移動、って選択肢はやっぱり無かったかな」
「へぇ、やっぱりニューヨークの目的地選定って結構悩んだの?」
と言いながら冷蔵庫に向かい麦茶のジャグを取って来た。
彼女自身のコップには半分位注いでいたから
「済まんけど、1杯分頂戴」
とお願いした。
少し喉が渇いてたから、コップ1杯分の麦茶が欲しかったのだ。
彼女はコップの8割強まで注いでくれて冷蔵庫にジャグを仕舞う。
「観光地の選定に関しては間違い無くニューヨークの方が選択肢が多くって迷ったよ。仮に一通り有名なニューヨークの観光名所限定で目的地設定したとしても本気で全部回ろうとしたら、最低でも14日間2週間は絶対に必要だと痛感したね。今回の様な3日半の日程だと、駆け足で色々見て歩いてそれでもセントラルパーク以南のエリア限定で、最初にリストアップした目的地が7割以上「落選」してしまったレベルだからねぇ。結局の所、旅行の行程ってのは須らく限られた時間やリソースの中で何を取って何を諦めるのか、って言う選択の連続にならざるを得ないんだよ」
「オオォッ、何かぶーしゃんが良い事っぽい事言ってる。ぶーしゃんのくせに」
「いけねーのかよっ!」
別に特に良い事言ってるつもりも無いんだけど、そんなに珍しいか?
「まあ良いや。次は着替えになるけど『下着上下』『くつ下』『Tシャツ』これ等は7日+1日で8日分を用意するようになるだろうね。10日出発当日に着るヤツ。でニューヨークでの11日金曜日、12日土曜日、13日日曜日、そして14日月曜日の移動日、ボストンでの15日火曜日と最終16日水曜日から17日木曜日にかけて、でここまでで合計7セット分、これに保険で1セット分を入れる事になる」
と指折り数えながらカウントする。
予備分は急激な雷雨等で濡れ豚あるいは蒸れ豚状態になってしまった時の保険、と言う意味合いが強いのだが、彼女が言っている様に仮にニューヨークでの観光で相当汗をかいてしまい、シャツがグショグショになってしまった場合、その保険カードを切る必要が出て来るかも知れない。
でもなぁ、その手の心配し出すともう1セット位保険のカードを用意した方が良いか?と言う迷いが出てしまうのも事実だったりする。
とは言え、あんまり荷物をかさ張らせるのもなぁ・・・
「貴方の感覚で答えて欲しいんだけど、ぶっちゃけ予備の下着やシャツって保険2セット目が要ると思う?」
と念の為妻に聞いてみる。
まあ、自分の中で何となく答えが出ている事の『最後の一押し』な部分もあるんだけど。
「さっき言った通り、私個人のベストな答えは『洗剤』持って行って定期的に洗濯機回す事が荷物の量を減らす意味でも最善手だと思うけど。でもその選択肢が取れないあるいは取らない、ってなったら個人的には気候が厳しいニューヨークの分の保険として、『上の下着』と『Tシャツ』だけでも後2~3枚持って行く、と言う答えになると思う」
「うん、やっぱそうなるかぁ・・・ま、上の下着、Tシャツだけならそんなにかさ張らんだろ。予備分を3日ほど持って行くか」
「勿論、『ウェットティッシュ』と『汗拭きシート』も多めに持って行った方が良いと思うよ。どうせあの子はそう言うの持って行かないだろうから、君が全員分のを持って行く必要があると思うの」
『ウェットティッシュ』も『汗拭きシート』も100枚位入っている大きいのを持って行く予定だ。
そうすれば8日間の期間であれば間に合うだろう。
「後、ニューヨークの気候の事を考えると、普通のハンカチよりも『タオル』の方が良いんじゃないかしら?純粋に汗を拭いたりする用の『フェイスタオル』も複数枚いるし、トイレとかに行った時も『タオル地のハンカチ』の方が使い勝手が良いだろうし」
リストに『タオル日数分』『タオル地ハンカチ日数分』を書き記す。
「ズボンは観光地をアチコチ移動する為の『ジーンズ』と、リゾートカジュアル用の『綿パン』の2本で十分だろうな。他には夕食のレストランでリゾートカジュアル対応の『ボタンシャツ』は2枚は必要になる。同じくリゾートカジュアル用の『ジャケット』1着、靴は別に革靴までは必要無いだろう。そこまで畏まった所には行く予定は無いし。当然熱射病予防で『帽子』は必須アイテムになるし洗面、入浴、医療、衛生関連だと、『旅行用の歯ブラシ&歯磨き粉』『綿棒』『爪切り』『毛抜き』『ガーゼ』『テープ』『ハサミ』『絆創膏各種』『鎮痛解熱剤』『抗ヒスタミン剤』『下痢止め』『胃薬』『目薬』『抗生物質軟膏』『酔い止め』・・・ハサミがあるから機内預け荷物にしまわなきゃならん。メディカルグッズ類はまとめてポーチとかに仕舞うか」
「それと、『マスク』や消毒用の『アルコールスプレー』『ティッシュ』も必要ね」
「『アルコールスプレー』は逆に透明なポーチに入れて手荷物か。ああ、『虫よけシート』も手荷物の方に入れて置いた方が良さげだな。それぞれ機内預け荷物分と機内持ち込み手荷物でそれぞれリストが別個に要るなぁ・・・」
と言いながらボリボリと頭を搔く。
いやぁ、これ結構面倒くさいなぁ・・・
「『筆記用具』は手荷物の中に鉛筆複数本、赤黒ボールペン各1本、メモ帳、ポストイットを入れとけば良いだろうね。後手荷物とスーツケースの両方に『大きさ違いのビニール袋複数枚』はそれぞれに入れとかないと。何処のタイミングで使うか判ったもんじゃないからねぇ。他に『45Lのゴミ袋』も用意しとくか。急な雷雨が来た時に手荷物全体をゴミ袋の中に入れちゃう事ですっぽりと覆う事が出来るからね」
「お買い物した時に荷物がかさ張る可能性もあるから『折りたたみトートバッグ』を保険で入れて置くと良いと思う。お店で配られる紙袋のショッパーとか結構簡単に破けてしまうし、しっかりとした持ち手が付いているとは限らないから」
「ああ、その可能性もあるのか。うん、判った。それもリストに入れて置くよ」
着々とリストに様々なリストが書き加えられていく。
エクセルシートの隣に空欄を作ってチェックリストにするか。
「父も俺も、海外旅行中に日本食恋しいって基本ならないんだよね。でも朝食とか取る時間が無い場合や、ホテルのコーヒーとか全部消費しちゃった、って事を考えると『インスタントスープ』『ティーバッグあるいはインスタントコーヒー』のスティックを数本ねじ込んで置くか。使わないに越した事無いけど」
何か取り敢えず片っ端から書いてみました、な感じになっちゃったけど、明日以降ここから足したり引いたり、ブラッシュアップさせていこうと思う。
最後パソコンを消す前、ToDoリストに「羽田のショップで酒のつまみを購入」をしれっと入れて置く事も抜かり無くやって置いた自分を自分で褒めてやりたい。
酒も肴もおやつにゃ入らんのだよ・・・
>グランズレメディ
や、冗談抜きで我が家の玄関の環境改善に繋がった影のMVPだったりする。
でも不思議なモンで、私の靴の臭いは妻と息子は判る。息子の靴の臭いは妻と私は判る。でもって妻の靴の臭いはしない。自分の悪臭は自分では判らないモンなんですね。
>PBブランドのインスタントラーメンとかジャガイモ、冷凍マッケンチーズばっか食ってた
あの当時の事を思い出すと、90年代スーパーのPBブランドのインスタントラーメンとか下手すりゃ1袋20セントレベルで買えた時代だったんですよね。
野菜が足りねーなーってなったら、冷食の3色野菜ぶっこみゃ良いぜ、とか、マジで仕送り寸前の極貧な時には貧乏仲間で金出し合ってジャガイモや玉ねぎをずだ袋ごと買って皆で分け合い、ジャガイモ&玉ねぎ&ニンジンメインで安さがウリですな加工肉をチョイと入れただけのポトフとかよく食べてたもんです。
冷凍マッケンチーズは恐らくアメリカで一番フードスタンプで使われる食材のひとつでしょう。大した量が無くてもハイカロリーなので、炭水化物と脂質だけなら簡単に1日分を摂取出来る優れものだったりします。
>ピッツバーグにてパイレーツ相手に勝利投手になった試合
1995年6月14日のピッツバーグホームゲームにおいて8回3失点で3勝目を記録した試合で、この試合で記録した16奪三振は当時の球団新人最多記録だったそうです。
Los Angeles Dodgers vs Pittsburgh Pirates Box Score: June 14, 1995
https://www.baseball-reference.com/boxes/PIT/PIT199506140.shtml
流石にピッツバーグのホームゲームなのであからさまに喜ぶ訳にはいきませんでしたけど、それでもドジャース勝利の時には小さくガッツポーズをしたもんです。
今思えば、カメラとか持って行って写真撮っときゃ良かったなぁ、って後悔しているイベントだったりします。
あの当時は今の様に手持ちの携帯で直ぐに撮影、とか出来なかった時代だったので『撮影する事』そのもののイベントとしてのハードルが現在と比較して高かった時代だったんですよね。