段取り編33 昭和&平成のパスポート写真のヤバさについて熱く語ろうか
ゴールデンウィーク明けに息子の方から「ニューヨーク大のブックストア」をスケジュールに組み込む無茶ブリを受けて、何とか『高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処する』と言う形で11日金曜日か12日土曜日のどちらかに無理やりねじ込む段取りをまとめてから以降、特に急を要するスケジュールの組み立ては無くなった。
ヘリツアーや、ナイトクルーズ、ジャズクラブの予約も無事完了した。
12日のヘリツアーに関しては「Big City」で決定、
13日のナイトクルーズツアーは「New York Signature Dinner Cruise」に、
そして、10日のジャズクラブに関しては場所はディジーズ・クラブ・コカ・コーラで、開演時間PM21:30から、演目は2013年に亡くなられたマルグリューミラー氏の曲が組み込まれている「CELEBRATING MULGREW MILLER: WINGSPAN REUNION」に決定した。
ジャズに限らず文化芸術関連は全て『若葉マーク』である私達ではあるが、せめて実際に聴きに行くまでにはマルグリューミラーの曲を一通り『予習』していった方が良いだろう。
何も知らないよりも何らかの情報だったり知識であったりを事前に知っていた方が、何も知らないよりも多く楽しめる事の方が世の中多いはずだから。
同じくゴールデンウィーク明けの8日には新型コロナが「5類」へ移行する事になった。
この決定で、新型コロナは季節性インフルエンザと同じ扱いになり、去年まで行われていた様々な自粛や制限は完全に解除される事となった。
WHOに報告されている全世界の新型コロナの累積感染者数は3億2361万370人、累積死亡者数は552万9693人、IMF発表による経済損失に至っては20年、21年の2年間だけですら、世界全体の名目GDPの損失額が12.5兆ドルを超えるとされていて、正に21世紀最大級のパンデミックと言われたコロナ禍は全世界に深い爪痕を残し、多大な犠牲を払う形で収束する形となった。
自分自身の会社でも、コロナ禍による経済活動の制限によって会社の資金繰りの面で支障が出る事態になり、様々な助成金であったり、補助金であったり、コロナ融資であったりの申請が日常業務の一つになった。
2020年、2021年度と2期連続でバランスシートを大きく棄損した会社を立て直す為に、様々な経費削減を実施したり、仕入れコストを全面的に再見積もりし、新規販売先の開拓を行い、それでもコロナ禍での経済活動の制限下で今まで経験したことが無いレベルの売上とマッハで「溶けていく」運転資金を補うべく、コロナ前まで定期で積み立てていた内部留保を全て吐き出し、会長の私財も片っ端から投入し、人員削減も含めたリストラも敢行せざるを得なかった。
結局『夢の様な日々』はその後も継続した。
悪夢が覚める切っ掛けは2022年度頃で、この時期にようやく改善の兆しが出はじめ、今年2023年度になってからはコロナ禍前の同時期売り上げの約8割位までのレベルにまで回復し出した。
しかしそこまでの3年間の間に投じた資金量は凄まじく、文字通り財務状況は「ボロボロ」になってしまった。
これは恐らく他の中小零細企業も同じ様な状況であると推測されるが、仮に同じレベルの厄災が10年以内に来たとすれば確実に日本の中小零細企業は『全滅』の憂き目に遭うだろう事は容易に想像出来た。
それでも、世界を見渡せばこれから行くアメリカも含め人口比の死者数でみれば、まだ日本の人的被害は「少ない方」に部類されるから、それを持って良しとしなければならないのだろう。
事実私や妻、息子、そして両親等も含めた親族であったり、社員やパートその家族も含め今回の新型コロナで重篤な状態になった、あるいは亡くなられたと言う話は現時点までではあるのだが、何とか回避する事が出来た。
その事自体は間違い無く慶事である以上、今後の事は残された私達で何とかするしかない。
昔っからそうだったじゃないか。
地震や津波や台風で家屋や田畑が財産がメチャクチャになってしまったとしても、多くの人達が亡くなってしまったとしても、残された人達がそこから、何度も何度でも歯を食いしばって、カラ元気を出して、立ち上がり続けた様に、私達も先人達と同じ事をすれば良いのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
幾つかTodoリストがあり、一通り段取りが終了したら次に動く必要がある項目の一つに
『パスポートの申請』と言うのがあった。
私にしても、父にしても今年の夏までパスポートの有効期限の残存期間は余裕があったりする。
と言うか、父の場合はコロナ禍前まで会長として中国に月2回多いと3回の割合で出張していたから、出入国のスタンプを押すスペースが無くなり『査証欄の増補』と言う珍しい行為を行った挙句、それですらパンクしてしまい、結局再発行する羽目に陥った、と言うレアケースだったりする。
『パスポートのスタンプの捺印が雑だと1ページに2~3か所しか押せなくなっちまうんだよ。勿体ねーじゃねーか』と言う理由で、新たに発行したパスポートにはDIYでうっすらと鉛筆で枠取りをしていて『ハイハイ、ここにキチンと押して下さいね』と言うプレッシャーをイミグレーションに与えて所定の場所に捺印させる事が出来ていたそうだ。
その事で1ページに最大6カ所の捺印が可能になり、出張時に最小のケースで1ページも消化しないで済む事が可能になった。
でもたまに『明らかにワザと枠取り線の中心部に掛かる様にボンッと押印し4か所一気に使えなくしてやったぜゲーハーハー』って扱いを中国のイミグレにされた事もあったそうなので、必ずしも万能な手段って訳でも無い。
と言うか、その努力もコロナ禍で3年以上海外に行く事も無くなってしまったから現在期間が残っている現在のパスポートは結構スカスカなんだそうだ。
私も会長よりかは回数は少ないがやはり中国への出張もあるので、定期的にパスポートの更新があって、まだ残存期間は残っていた。
で今回、このパスポートの申請で『引っかかる』のは息子のそれで、なにせ未成年のパスポート取得が5年でしか申請出来ない為、先ず幼稚園の頃に5年で取っていて、小学校高学年の時に再度5年で所得していたのがコロナ禍のタイミングで丁度切れて仕舞ったのだ。
「わー、可愛『かった』よねぇ、この頃」
と妻がにこやかに言う。
「うん、そうだね。この頃『は』ホントに可愛かったよねぇ」
と私も同じ意見を言う。
何の事は無い、2人して『VOID』の穴が開いた息子の最初のパスポートやコロナ禍で有効期限切れになってしまった2回目のパスポートを見比べてキャッキャ喜んでいたりするだけの話だ。
で、当の本人は『取得した時の幼稚園児だったり小学校高学年時の頃のカワイイ顔写真が掲載されているパスポートをダシにおもちゃにされている状況』に顔をしかめ、苦虫1ダースレベルで噛みしめながら
「あーもー良いから、さっさと戻せよ、それ。つか、何時までもテメェの息子の顔写真で遊ぶんじゃねーよ、ったく・・・」
と声を上げているが、あんまり効果が無いので、もう良いやと不貞腐れてしまいソファで動画見始めた。
「そっか、小さい頃にパスポート取得すると、こう言った見比べが出来るんだぁ」
って妻が懐かしそうにパスポートの写真を見ながら言う。
「つか、俺の場合も小学1年の時にハワイ行ったのが一番最初の海外旅行だったから、似たり寄ったりのパスポート写真だったはずだぞ。親が今も実家で取っといているのか否かは知らんけど」
「あー、そうなんだ。私の大昔のパスポートとかは実家にあったはずなんだけど、確かに私達の新婚旅行の時以降のパスポートしか私達の家では保管していないよね?昔のパスポートとかもどこかのタイミングで実家に確認してみなきゃね」
「しっかし、改めて昔の俺のパスポートとか見てみると写真が白黒だった事もあってか『昭和の行方不明者』な写りになってるのどうにかならんかったのだろうか?」
そうなのだ。自分がまだ若い頃は床屋に行って特に決まった髪型があった訳でも無かったので『適当に切ってくれ』と頼むと大抵『昭和のサラリーマンカット、七三分けの風味と共に』にしてくれていたから、写真写りもコテコテ昭和のサラリーマンになっていて、更にパスポートの写真も白黒写真だった事から見事に『いかにもそれっぽく』写っていたりするので、その事を妻によくからかわれていたりしていて、
『昭和の行方不明者』
『昭和の業務上横領の被告人』
『東南アジアでテロリストに誘拐された昭和の商社サラリーマン』
等々、そらまぁあーたヒデェ言われ様だなオイって感じなのだが、一番困ったのは本人が言われて写真観て、成程確かに何となくそんな雰囲気はあるわな、と納得してしまっている事だったりする。
「まあ、今の髪型のほうがサッパリしていると思うけど、でも確実に昔のパスポートと比べて横に拡張しているよねぇ、君。一体全体どうしましょうか?この間の断捨離でも結構な数のズボンやシャツや背広が『お亡くなりに』なったばかりじゃない?」
と妻はこの間実施された『強制身体測定日』での惨状を語っていた。
まあ、着る事が出来る『かも』、ちょっと頑張ればまだ着る事が出来る『かも』が積もり積もると『着れるはずもないシロモノを何時までも着れるかもと言う無駄な希望を抱いて後生大事に保管し続けるアホコレクター』にクラスチェンジする事は前々から判っていた事だったりするんだが、改めて強制的に仕分けを行うと、あーた半分ですよ、生き残ったのが。
「アメリカ行く前に、リゾートカジュアルや現地出来るTシャツ類とか機会があったら買わなきゃなぁ・・・」
そうなのだ。今回の大粛清というか大断捨離祭りで私のクローゼットはスッカスカなのよ、って状態になってしまい、少なくともアメリカに行く前にある程度の枚数、上下の服を買う必要があったのだ。
なんせ向こうじゃ洗濯する暇も無いだろうし、6泊8日と言う期間では着るものもそれなりの物量になる事が確定しているから、今クローゼットの中にあるだけでは到底足りない。
「そうなの、私もそう思ってた所。だから近日サカゼンにでも行こうよ。あそこなら君のサイズでも問題無いでしょ?あ、勿論、費用は君のお小遣いからね、君の不摂生が原因なんだから」
「ああ、良いよ。60,000か月分割払いでヨロ」
「うん、ちょっと2回程くたばろっか?」
と笑顔で言う妻。表情と言ってる内容とのギャップが激しくって、そこにシビれる!あこがれねェ!
>新型コロナの累積感染者数は3億2361万370人、累積死亡者数は552万9693人
新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告
https://www.forth.go.jp/topics/20220110_00005.html#:~:text=%E6%96%B0%E8%A6%8F%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E8%80%85%E6%95%B0%E3%81%AF,%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%EF%BC%88%E8%A1%A81%EF%BC%89%E3%80%82
>世界全体の名目GDPの損失額が12.5兆ドルを超える
第 1章 新型 コロナウイルス感染症の影響と日本経済(11ページ)
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je20/pdf/p01011.pdf
>立ち上がり続けた先人達
先の東日本大震災時、一番印象に残っているCMは日清カップヌードルのCMでした。
いや、もうねぇ、ガツンと来ましたね。
少なくない日本人が、ガンダムがヨーダが武蔵が登場したあのCMで魂を揺り動かされたのではないでしょうか?
>『査証欄の増補』
実はこれ、 旅券法の一部改正により令和5年(2023年)3月27日をもって廃止されたシステムだったりします。
現在は、
(1)低額な費用で、有効期間が元の旅券の残存有効期間と同じ「残存有効期間同一旅券」
(2)切替申請として新たな旅券(5年又は10年の有効期間)
のどちらかの選択になるそうです。
>サカゼンにでも行こうよ
ええ、私の様なオーク御用達の有難いアパレル屋さんです。信じられない様な話なんですが、私のサイズでもあのお店では『小さい方』なんですよ!色々とサイズを選べるんですよ!正に被服の多様性を堅持してくれる個人的にも社会的にも正義の重要インフラなお店だったりします。
>2回程くたばろっか?
ハイ、元ネタは『迷い猫オーバーラン』の芹沢文乃ですね。平成ツンデレ系ヒロインにおける到達点の一人なのかもって、勝手に思っていたりします。
や、この作品ですら今年、すなわち2024年から見れば第1巻刊行が2008年で今から16年も前かよ、って気が付いて正直『浦島効果はばつぐんだ!』ってなってて頭クラクラッっとする次第です。
>そこにシビれる!あこがれねェ!
はい、元ネタはジョジョですね。
他にも今でも引用されるセリフや擬音のオンパレードで、あの当時から今に至るまで日本のサブカルの一翼を担った作品、って字面にしただけでどんなバケモンだよって思う次第。