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段取り編13 べ、別にボストン君のこと気にしてる訳じゃ・・・か、勘違いしないでよねっ!

 先日ニューヨークに関してグーグル先生やようつべ先生で調べた内容や動画の数々をやっつけていたら、もう2月も半ばになってしまった。

 世間では中高大学入試シーズンも最初の山場は過ぎて、国公立大の前期日程がもう直ぐに迫っている。

 息子の同級生達や同窓生達の中でも国公立大が第一志望と言うケースは多いらしく、彼等彼女等が全力を発揮出来る事を祈らずにはいられなかった。

 特に今年は今までコロナ禍で鳴りを潜めていたインフルエンザが人々の行動範囲が戻って行くのと同じ加速度、レベルで流行しだしている様で受験生を抱えれている御家庭からすれば気を抜けない日々が続くだろう。


 ニューヨークの事も調べないといけないけれど、ボストンに関しても8月14日月曜日のボストン美術館以外スケジュールが空白なので、これに関しても選択肢を調べ用意する必要がある。

 これが完成出来ない限り、父や息子に対して何処に行くか何をするかどの様な選択するかという優先順位を決める為の選択肢が提示出来ない事になるから、もうそろそろ資料をまとめなくてはならない時期だ。

 更に言えばこれが決まらないとニューヨークからボストンへの国内便の手配も出来ないし、ニューヨークやボストンの宿泊場所を何処のエリアにするかも確定出来ない。

 今までボストンに関してはボストン美術館以外放置プレイ気味だったのだけど、これは日程面でどう転んでもニューヨークの方を先にやっつけないと問題になるな、と思っていたからな訳でここに来てようやくタスク量が追い付いて来たからボストン関連も手を付け始める事が出来る様になった次第なのだ。


 ボストンに関してはガイドブックを購入していない為に、ネットによる情報がメインになる。

 ネットでガイドブックを注文すると言う事も考えたのだが、そもそも日程に関して最大でもボストン美術館を14日午前とした場合で、その日の午後は1~2個レベルでしかメインイベントは組めないだろうし、それに付随するサブイベントが後2~3個入れられるか、となる。

 ボストン美術館が午後の場合だと、もうその日は夕食&夜のサブイベントだけになり、他のイベントは入れられない事になる。

 翌日の15日は1日フルで使えるにしても、その日にどれだけ導線を良くし効率的に回る事が出来たとしても午前に1~2、午後に2~3もイベントを入れたら恐らくスケジュールで雁字搦めになってしまうだろう。

 これ等の事を考えると必然的にボストンでのイベントの数量はニューヨークのそれと比較して少なくなる事は必然だから、郊外のエリアでアクセスがし難い場所等は場合によってはそもそもリストから外れる事になるかも知れないし、その様な条件的ハードルがあるとガイドブックの購入に関してそこまでインセンティブが働かなかったのも事実だったりする。


 以前ボストン美術館に関しては自身の不注意で昔の情報を参考にしてしまった経緯から、情報の信憑性に関しては複数の情報を組み合わせる事で精度を高めようと思うので「ボストン 観光」でググり、出て来たサイトを片っ端からブックマークをペタペタくっ付けてみる。


 それを踏まえて集めた情報を調べてみると、大体どのページでもボストン美術館はトップクラスの優先度で記載されている。

 ただ、その次となると結構サイトによって評価、順位が分かれていて、それをベン図で最大公約数をまとめると、フリーダムトレイル、フェンウェイパーク球場、ボストンパブリックガーデン、USSコンスティテューション号、ボストンコモン、JFK博物館、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ボストン茶会事件の船と博物館、ビーコンヒル、イザベラ スチュワート ガードナー美術館、ボストン公共図書館辺りが候補に挙がって来る。


 その中で、フェンウェイパーク球場は残念ながら吉田選手が在籍しているボストンレッドソックスのホームゲームがボストン滞在中の期間には無かったので、優先順位的にはパス。

 球場だけを観ても中で野球観戦が出来ないのは一寸厳しいかな、と思う。


 15日が好天なら、間違い無くフリーダムトレイルは入れたい所。全長約4kmのルートの中にアメリカ独立関連の観光名所が16か所も巡れるという「タイパ最高、超お得なお遍路さん」的な観光ルートなので、可能なら取り入れたい所だったりする。ただ日程がタイトな中で流石に全ルートを歩けるのか、となると微妙な所だ。


 そもそも前提条件として雨天だと厳しい観光ルートではあるし、決行となった場合でも道中でトイレ休憩も含め休める場所をルート上に幾つかピックアップする必要がある。

 そして、疲労度等の関係で予定よりも早めに切り上げるケースも考えられる。

 なので一応、1・全ルートを歩く場合、2・半分前後歩いて最寄りの駅やバス停で終了しそこから別の目的地に移動する場合、3・2~3か所だけで終了して別の目的地に移動する、の3ケースを中心に複数の可能性を用意する必要があるだろう。


 ハーバード&MITの両大学は地下鉄の路線が同じなので、行くとすれば両校共に行きたい所だったりする。

 ハーバード大ではゴシック様式で建造されたメモリアルホールは大学のシンボルの一つとして是非見てみたいと思っていたし、MITではやはりシンボルであるグレートドームは行ってみたい。

 見学後は両校のCOOPやブックストアでグッズを購入する、と言う手もある。


 ボストンの歴史と言う意味ではボストン茶会事件の船と博物館も気になる所。


 個人的にはUSSコンスティテューション号には行って実在する航行可能なアメリカ海軍最古の軍艦を実際に観てみたい思いもあるし、中に入ってどの様な構造になっているのか、どれ位の大きさなのか、を体験してみたいと思っていた観光名所だったりするので、これは晴雨関係無く提案してみたいと思う。


 ボストン公共図書館でバンカーズランプの独特な濃緑色の明かり漂うベイツホール(リーディングルーム)も行って洋書を読む「ふり」をしてみたりするのも、写真的にも『映え』そうで面白そうだし良い体験になるかなと思っていたりする。


 後は荒天時にフリーダムトレイルがポシャった時の代替選択肢を幾つか用意する必要がある。


 JFK博物館や、イザベラ スチュワート ガードナー美術館辺りはその選択肢に入って来るだろうし、先程話にあったUSSコンスティテューション号や付随する博物館、ボストン公共図書館辺りも雨天では有力候補になるだろう。


 ・・・となると、もうこれ位で予定は一杯で、逆にどれか削らなければならないだろう。


 色々と調べたページや動画から使えそうな情報をピックアップしてそれをワードに書き散らす。


 そうこうしていると、


 「おーい、飲み物何飲むー?」


 と妻の声がキッチンから聞こえて来た。

 まあもう夜も遅い時間だし、明日も平日だからカフェイン系は避けた方が良いかな。


 「えーと、麦茶の熱々な奴、プリーズ」

 「うぃー」


 家では年中水出しの麦茶があって、冬場はよくレンチンして暖かいのを飲んでいたりする。

 コーヒーや紅茶、ハーブティー等節操無く色々な飲み物を飲んでいるが、平日の晩だとこの時期は暖かい麦茶の割合が多い。

 ブーンと言うレンジの動作音がリビングダイニングまで聞こえ、1分もしない内に気の抜けた音楽が鳴って、作業が終わる。


 「ん、持って来たよぉー」


 妻は湯飲みに入った麦茶を2つリビングダイニングのテーブルに置き、隣に座る。

 どうにも私は妻よりも指の皮が薄いのか、レンチンした食器や徳利とかを妻の様にひょいひょい持って移動出来ないのだ。

 以前その事を羨ましいと妻に言った事があったけど、

 「ふーん、面の皮と腹の皮はブ厚いのにねぇ」

 とスナック感覚でサクッと致命的な一撃(クリティカルヒット)を喰らわせられてしまって以降、口にしていない。


 湯気が出ている熱々の麦茶は当然湯飲みも熱い訳で、私は両手の薬指、小指を湯飲みの底にあてがい、親指と人差し指で湯飲みの淵を押さえながら、おっかなびっくりとふーっふーっと2回ほど吹き冷まし、麦茶を口にする。

 熱々の麦茶がゾゾゾと啜られ、喉を通り胃の中でぽっと火を灯す。

 ほう、と一息つく事が出来た私は、


 「ありがとうね、暖かいのが欲しかったんだよ。まあ夜も遅いしこれ飲んだら寝るか」


 と感謝を述べながら、パソコンの画面に映るワード文書をぼーっと眺める。

 一旦セーブしておかなきゃ、と思っていたら妻が


 「ねぇ、ちょっとだけ書いてる資料見て良い?」


 と言いながら私がいいよと答える前にパソコンひったくって今書いているワード文書や以前作ったスケジュール関係のエクセルシート等をざっと目を通し始めた。

 10分位カチャカチャとマウスを動かしながら色々なシートを見ていた妻は何回か指先であごを撫でたり、首を傾げたり、側頭部を指先でトントンと叩いたりと、観ているこっちが何か書いた資料に不備でもあったのだろうか?と気になってしまう動きをしている。

 うん、スゲェ嫌な予感。


 何だか昔、「相嫌相悪」の間柄だった学校の教師相手に補習の課題を提出して、目の前でやたらため息をつかれながらガマン煙草の紫煙をプカプカふかされ、こっちが吸いたくも無い副流煙を胸一杯堪能させられながら直立不動でひたすら耐えて耐えて待たされ続けた記憶が呼んでもいないのにゾンビの様によみがえって来やがった。

 チクショウあの先公、明日タンスの角で足の小指を引っ掻けやがれ。


 「うーん・・・これ、このままで予定組んで行くとパンクするんじゃないかなぁ・・・」


 とサラッと聞き逃せない爆弾をいきなり放り投げて来た。

 いやいやいや、君ボンバーマンかよ。

 ワイ、3方壁に囲まれた上で逃げ場に爆弾置かれたモンスターかよ。


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