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段取り編10 幾ら用意してても「ゼニーが足りません」

 先週息子と展望台や美術館、博物館に関してのリクエストを一部だけ確認したのだが、ショッピング関連はその時に全く調べていなかったので、この週末にある程度時間を確保して調べてみようと思う。


 先ず、買い物に関して3人のニーズが何処にあるのか、をまとめる必要がある。


息子・・・ファッション関連、特にストリートファッション系。優先順位的にナイキ、ノースフェイス、スプリーム、ステューシー辺りが入る。

私・・・ニューヨーク、あるいはボストンで販売している日本では入手困難なウイスキー。可能なら、ニューヨークのオフホワイトでスニーカーとか手に入ったら最高かな。


 で父に関してはウィークデーの仕事終わりの夜に


 「で、会長は今回の旅行時に何か買いたいものとかあるんですか?」


 と聞いたんだが、


 「特に無いなぁ・・・服や靴やシャツ、ネクタイなんかは、もうこれ以上クローゼットの服とか増やしたくないから要らないしなぁ・・・それにカバンや時計もこれ以上増やすつもりも無いし。帽子だって箱に入れたりするから嵩が張るし、あんまり集めるつもりも無いし。まあ、何だ現地を色々と回って観てああコレだなっ、て言う素晴らしい出会い的な1品ってのがあったらそういうのを買うんじゃないか?買わないかも知れないけれど」


 とツアーまとめる人が一番困る答えをサラッと返して来やがったので、放置。

 要は「えーっとぉ、買いたいものは特にないんだけどぉ、アテシのアンテナにビビット来るものがあれば買って良いかもだからぁ、その可能性をチョットでも増やせるように、気の利いたお店をたーくさん用意してねー(ハート)」って事なのだ。

 「知るか、ボケ」である。

 幾らそれが事実だとしても、ンなものは怖いモン知らずのティーンエイジャー女子が抜かすから許されるのであって、八十路近いジジイが口に出して世間一般から許されるセリフじゃねーぞ。


 となると、実はショッピングに関しては殆ど息子のニーズで私のニーズは一寸だけ満たせられば何も問題は無い事になる。私の酒にしたって妻への土産物にしたって、後は会社の社員やパートさん達に対する土産物もぶっちゃけ最後の旅程であるボストンローガン空港の免税店でまとめて購入する、と言う手段で時間を圧倒的に短縮出来るし、それ以外のショップをわざわざ時間を掛けて見て回る時間があれば、もっと他の観光名所に行った方が良いだろう。


 実は個人的には、アメリカのアンティークものやヴィンテージものを扱う店舗とかフリマイベントとかは冷やかし半分でゆったり時間を掛けて観てみたい気持ちもあるんだが、なにせ両名がそっち方面で興味ゼロな様だったし時間が無いので、今回はパス。

 多数決は世の正義なのだ。

 もう何回目かの是非もなし。


 無論、マンハッタン内の主要デパートとかは、ショッピングスポットと言う側面以外に観光名所扱いで選択肢に入って来る可能性があるので、一通り調べてはみようと思う。


 ネットで「ニューヨーク 買い物」でググると、お買い物スポットランキング、とかお勧めのショッピングスポット、とかそういう系統なものがまあ出るわ出るわ、もうこれでもかと並んでいてなるほど世の『普通』のニューヨーク観光客ってのはショッピングを結構なレベルで嗜むものなのか、と感心し同時にうち等とギャップ大きくね?とも感じた次第だったりする。


 幾つかのサイトで確認して、地球の歩き方も読んだ中で一応ショッピングスポットをまとめようとして順にエクセルシートに箇条書きしていたら、あっという間に100店舗以上になってしまい即座に放り投げてしまった。

 いや、これダメだろ、普通にまとまらねーだろ、丸1日費やしたって決まらないだろ。

 そこで、先ず大まかな分類でカテゴリー分けを行い上位候補になりそうな所だけピックアップしてみる事にした。


1・アウトレットモール系

 ・ウッドベリー・コモン・プレミアム・ アウトレット

  ニューヨークのアウトレットモールと言われるとここが筆頭なのだそうだ。

  ナイキやノースフェイスも店舗を構えている様だし、世界的な有名ブランドが220店舗以上も入居しているので、これは、余程事前に決め打ちしておかないと、歩き回るだけで1日が終わってしまうだろう。

  全店舗一通り見てフルにお買い物しますってなると1日では足りない事必定なレベル。

  ただ、アクセスがバスで片道1時間という所はネックか。

  移動だけで往復2時間必要、というのはマストで行きたい店舗が複数ある場合は良いと思うけれど、タイパ的に割に合うのか、は計算しないといけないかも。

  規模の大きいアウトレットモールな為、フードコートも面積が大きい上、それとは別に店舗型の飲食店も数店あるそうだ。

  その為、ここだけで朝から夜まで1日丸々使います、と言う予定で段取りを組んだ方が良いかも知れない。

  そのバスに関しては、色々な場所から出発している様だし、各種ディスカウントやクーポンが付随するチケットもある様なので、仮に行く事になったらその辺りも調べないといけない。


 ・エンパイア アウトレット

  コロナ禍前に出来たばかりの新進気鋭なアウトレットモールなのだそうだ。

  ここはウッドベリーと比較してスタテン島という近場にある為に、アクセスがスタテンアイランドフェリーで25分と短時間でアクセス出来る点はストロングポイントかも。

  それにスタテンアイランドフェリーは運賃タダな所も評価ポイントか。

  ただ出航が30分に1本ペースなので、後のスケジュールがタイトな場合は、時間に余裕をもってフェリー乗り場に到着する必要がありそう。(注・平日のウィークデートリップの場合、朝のニューヨーク行き、夕方のスタテンアイランド行きはラッシュアワートリップとなり15分に1本の割合で出航しています。恐らく通勤で使用するビジネスマンの利用が多いのでしょう)

  バッテリーパークからフェリーで自由の女神やガバナーズ島を見学したい場合は選択肢に入る観光スポットになるだろう。

  敢えてネックがあるとすれば、ウッドベリーに対して店舗数が少ない点か。

 

 ザ・ミルズ アット ジャージーガーデンズという選択肢もあるのだが、運営会社がウッドベリーと同じ会社なので、それならば上記の2店で比較した方が良いと判断して敢えてパスする。


2・百貨店・デパート系

 ・メイシーズ(ヘラルドスクエア店)

  私ですら普通に知っている位超有名なデパート。

  「THE WORLD`S LARGEST STORE」

  という謳い文句(煽り文句?)は伊達では無い広さを誇る、古き良きアメリカ中間層消費の生き字引的な存在。

  無論百貨店としての規模も品揃えも凄まじいレベルなんだが、ニューヨークで最も古い木製エスカレーターが現役バリバリ(死語)で大活躍しているって時点で歴史的価値を体験出来る百貨店という評価は他の追随を許さない存在であると言える。


 ・バーグドルフ グッドマン

  この百貨店も1901年創業という老舗で、中間層がメインとなっているメイシーズと比較して明らかに富裕層がメインターゲットとなっている高級百貨店、との事。場所も5番街の一等地に建っていて、服やアクセサリーなんかも流石に一部だけではあるだろうが単に商品を並べるだけで無く、リアルのモデルさんに実際に身に着けて貰ってディスプレイする、というある意味究極の見せ方をする動画がつべであったのでビックリした。

  同じつべの動画で店舗内でBGMとして生演奏とかもあった位で、正に非日常の空間を堪能出来る店舗な様だ。

  無論置いてある商品も「この百貨店に置かれる事自体が栄誉」と言わしめるレベルのラインナップだそうで、うっかりリュックとか引っ掛けて商品落として壊しちゃったら日にゃ幾ら保険でカバー出来る事が判っていたとしても魂が口からマッハで飛び抜けそうな程ストレスマシマシになる事請け合いだ。

  ・・・ひょっとして父は兎も角、私達親子はそもそも行ったらイケナイ奴なんじゃないのかしら?と思わずにいられない雰囲気がちょっと調べただけでゾロゾロ出てきてビビった。

  「魔法のデパート」と呼ばれるのも郁子なるかな。


 ・サックス フィフス アベニュー

  ネットではバーグドルフ グッドマンと双璧を成す高級百貨店、との事。

  このニューヨークの旗艦店だけでグループ全店舗の約2割の売り上げを叩き出すドル箱だそうで、最大のストロングポイントとしてよく口コミで上げられるのが最先端の流行を取り入れた新進気鋭のブランド店の先取り出店だそうだ。

  ブランドの看板や固定概念に捕らわれず、常に刺激的で先鋭的なファッションセンスを磨いているユーザーからすれば、この百貨店はとても魅力的な店舗に映るだろう。

  また、立地がロックフェラーセンターの通り向こう側、セントパトリック大聖堂のお隣さん、という事で半径数10m範囲で複数の観光名所を買い物と一緒にスケジュールにビルドイン出来る、という点は日程管理という面でストロングポイントになるかも知れない。


 百貨店はもっと沢山あるのだがこれ位で押さえておかないと。

 どうせ他の目的地も沢山ある以上カットせざるを得ないのだから。


3・観光市場系

 ・チェルシーマーケット

  ニューヨークの高架跡地を再開発した遊歩道であるハイラインの道中にある、観光市場。

  昔はナビスコの工場だったそうで、建物の一部分にその名残が残っているそうだ。

  ニューヨークだとこの様に昔の建造物であったり、路線跡等をリノベーションして時代に合った価値観を創造する事が率先して行われている様で、こういう事を「コンバージョン」と呼び1970年代位から本格的に始まったそうなのだ。

  店舗としては、飲食店、食料品店、雑貨、土産物店等がメインで、飲食店はフランクな雰囲気でありながら結構ガッツリ堪能出来るレベルの様で、ここで昼食、夕食の予定を入れる、という選択肢も良いかも知れない。

  そうすれば、前後のメイン/サブイベントとのジョイントが容易になり、時間調整も計り易くなるだろう。

  もっとも、その飲食店舗の混み具合はネットで調べた限りでは「判らない」ってのが正直な所で、こればかりは食事のタイミングを変更し意図的に混んでいる時間をずらす、かあるいは気合と根性でひたすら並ぶの2択になりそうだ。


 ・グランド セントラル マーケット

  グランドセントラル駅の中にある食料品中心の小規模マーケット。

  店舗数も10店舗前後と小規模ながら、総菜や生鮮食料品、瓶詰めからスイーツまであるそうだ。

  単価的には生鮮食料品は他のスーパーと比較して若干お高い様だが、それ以外の食品に関しては適正価格だそうで、そこまで観光客単価では無い様だ。

  画像等を見る限り日本のデパ地下に近い印象を受けたのだが、こればかりは実際に行ってみないと判らない。

  グランドセントラル駅自体がロックフェラーセンターやセントパトリック大聖堂、あるいはブライアント公園から徒歩圏なので、これらを観光目的地に入れる場合当然、グランドセントラル駅も候補に入る可能性がある。

  もっとも、ケーキだとか、総菜だとかは移動の邪魔にしかならないだろうから仮にここで購入した場合、そのままホテルに直行とかではない限り難しいのではないだろうか。せめて缶詰、瓶詰めとか、乾物系ならまだ可能性はあるかも知れないが生モノ系だと、移動途中で購入するハードルは高いかも知れない。


 市場に関してもこれ位で良いか。


4・スーパー・コンビニ系

 ・ゼイバーズ

  マンハッタンのアッパーウエストにある老舗のスーパー。

  1F部分が食料品、2Fがキッチン用品およびゼイバーズグッズと言う配置の様だ。

  観光客にとってはこのゼイバーズのトートバッグやマグカップ、タオル類等が人気だそうで、他にもキッチン用品としてマンハッタンの形をしたまな板とかもコジャレタ土産物として有名なのだそうだが・・・少なくとも家の食器やキッチン用品に関しては妻の意向無しに勝手に買った所で絶対に喜んで貰えないのが判っているだけに、ここで買うならやはりお勧めとされているコーヒー1択なのだろうな、と思った。

  コーヒーの味の確認は隣に併設されているカフェで出来る様だ。

  近くにバンクシーの壁画「ハンマーボーイ」が展示されているそうで、また、アメリカ自然史博物館が近いので、そこに行く時にはセットで組むと良いかも知れない。

  注意点があるとすれば、チェーン店系のお店では無いから、閉店時間が意外に早く平日19:30、日曜日は17:00に閉店してしまう所か。併設のカフェに至っては常に17:00閉店。これは夏のニューヨークだとまだ日が高い時間だから日本でも東京等の時間感覚で店舗に行くとまだ日が高いのに既に閉店してました、と言う油断をしてしまいそうだ。


 ・ホールフーズマーケット

 ・トレーダージョーズ

  両方共にアメリカの巨大なグロッサリーストアーチェーン。

  当然ニューヨークにも複数店舗があるので、宿泊するホテルが決定したら近くにある店舗とか調べておいた方が良いだろう。

  日本へのお土産品としてエコバッグ等が有名で、他にもクッキーとかプレッツェル、チョコレート等の食品もバラマキ用お土産の定番品だそうだ。

  とは言え、個人的には夏の旅行中に大量に消費するであろうペットボトルの水であったり、ビールや清涼飲料水、軽いツマミの類が買い物のメインになる気がする。

  水物は結構重いから、出来るだけホテルに近い店舗があれば越した事は無い。

  他にもデリの類が結構あるのでここで購入してホテルに戻って朝食、昼食と言う手もある。

  天候が良ければ近隣の公園とかに持って行って緑の中で昼食と言うシャレオツ(死語)な手段もあるが、その場合は食事後のゴミ処理の事も考える必要がある。


 ・ウォルグリーン

  アメリカ最大級のチェーン店系ドラッグストア。

  ここに関しては土産物や現地での日常品も購入可能な店舗ではあるのだが、万が一処方箋不要レベルの医薬品だったり、絆創膏や包帯等のアイテムが追加で必要な事態になった場合の補給場所、と言う意味でも場所と営業時間は把握しておいた方が良いだろう。

  もっとも、ここでなくてはならない、と言う話でも無いのでホテルが確定したら、その周辺地域の小規模ドラッグストアも保険の意味で調べておいた方が良いかも知れない。


 これ等に更にブルックフィールドプレイスやマンハッタンモールの様に大型ビル内の商業施設であったり、都市内アウトレット店舗であったり、各種専門店が多数加わるのである。

 もうお腹いっぱい、絶対そこまで追い切れ無い。

 後は息子であったり、私の個人的に行くべき専門店をピックアップするだけで十分だろう。

 情報を追ったとしても、各種施設の見学であったり、イベント系での消費時間の事を考えたら、大半が調べただけで終わってしまい骨折り損のくたびれ儲けになるだけだろうし。


 冗談抜きで控えめに買い物するのですらかなり節約モードにしないと出費がバカにならんレベルになりそうだし、3度の飯よりも買い物が大好きですって人にとってニューヨークって街はマジで、幾ら用意してても「ゼニーが足りません」状態になるな、こりゃ。


>服やアクセサリーなんかも流石に一部だけではあるだろうが単に商品を並べるだけで無く、リアルのモデルさんに実際に身に着けて貰ってディスプレイする

>店舗内でBGMとして生演奏とかもあった


【ニューヨーク】百均好きがNYの高級デパートへ行くと... I Bergdorf Goodman バーグドーフグッドマン

https://www.youtube.com/watch?v=JxyTqM7-Uwg


 まあこれ観た時はビビりましたね。どんだけコスト掛けるんだよ、と思いましたし、ある意味理想の百貨店なんだろうな、とも思いました。顧客の側もおめかしして心地良い緊張感を持って行くべき古式ゆかしきデパート、と言う印象を受けました。

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