犯人は・・・・
ちゃららら ちゃららら ちゃららら ちゃららら
夜の闇を 切り裂き走る
白い布を なびかせて
戦いの中で勝利を掴もう
自由な心で、決して
ギルドの前では親展がなく、様子がわからないため今頃あちこちの食堂で情報を持ち寄って議談で盛り上がっているのだろう。
何人かはルイルたちの姿を見ると、走ってどこかに行ってしまった。
その様子をみていたルイルは、
「逃げるぞ。このままじゃ取り囲まれて質問攻めに合うぞ。」
そういうが早いか、一人宿屋の方角に走り出した。
カラコロとあとの全員同じ方向に向けて走る。
一つ、二つ建物の角を曲がり、様子を伺ったが追ってくるような人は居なかった。
息を整えながら、ティスが残念そうにつぶやいた。
「また、ランクアップか先送りになったわね。」
ルイルは頭の後ろに手を組んだまま、
「仕方ないだろう、オイラ達ゃいっつもそうだ。ギルドの神様かいるとすれば、相当嫌われてるんだろう。で、どうするここに居てもギルドマスターか決まるまではランクアップはできそうにないしな。」
カラコロと鎧を鳴らしながら、アダルが言う。
「それより、そろそろこの街を出発しないと合流日に間に合わないが。」
そんな中、先頭を歩いていたティスが振り返り、ルイルに言う。
「ねぇ、犯人とかどうなったか知らないまま、出発するのって気にならない?」
ルイルはギルドの方角を見が、ギルドがもう見えなくなっている。
「少なくとも、ここにいる4人は犯人扱いされてないよな。明日来いとは言っていたが、監視すらつけていないし。」
今来た道には、ギルドから急に走って逃げたのに追いかけてくる自警団の様子もなく、追いかける怒声も聞こえない。黄昏時の平穏な街の雑音だけが聞こえる。
ルイルは急にこちらに向いて、ニヤリと笑って言った。
「犯人さえ解ればそれでいいよ。どっちにしても、どうせこの流れだとダストンが次のギルドマスターになるだろうし。」
ティスもアダルもこちらの方に向いた。
ルイルは1枚の紙切れを取り出し、あたしの目の前で振って見せる。
「アダルにメモを渡したの、君なんだろ。アダルは呼ばれるまで2階には上がっていないし、ギルドマスタの部屋にも入っていなかった。机に傷があるのは知るわけがない。あの時、現場をみたのは俺と、君だけだからな。」
アダルは自分が持っていたはずのメモをルイルが持っていた言に驚き、思わず自分のポケットに手を入れる。
ルイルはあたしの方にメモを差し出す。
「ギルドの中でずっと黙っていたけど、アダルにメモを渡すぐらいだ。それなにり見解があってのことだろう。」
ルイルはずいっと詰め寄る。
「解っているのだろ、犯人が。もったいぶらないで教えろよ。喋れないわけじゃないだろ。サリカーが自殺だといったとき、つい声をあげてたし。」
そういうと、あたしの手首を掴んだ。
反対側の腕は、ティスが腕を組み、ギルドの向かいにある食堂を指差し、悪戯っぽい笑み見せる。
「夕ご飯まだなんでしょ。ご一緒にどうかしら?。」
両脇をがっつり捕まれ、観念するしかなかった。
「に、逃げられないのだ。」
後ろでは、アダルがギルドの会議室で拾ったメモの切れ端がポケットから出てきたので、2度驚いていた。
終わり
これで一先ず終わりです。
短いですが、はじめての投稿なので勘弁してあげてください。