なぜ中年男女(それ以外のかたも含む)が、おじさんおばさんぽく見えるのかを考察してみる
これ記載する堀田も四十代である。
加齢変化は、
①どんな人でも必ず起こるどうしようもないもの
②若い頃からの習慣により差が起きやすいもの
③誤解されがちな事柄、複合的な要因によりもたらされるもの(完全になくすことは困難だが、やり方次第で程度を軽減できること)
④先天的な要因や個人差で起こりうるもの
⑤ただの習慣のせいで起きていること(つまりテコ入れすれば加齢と関係なく必ず改善が見込めるもの)
この5種類があるような気がする。
このなかで②については、あまりにも有名な話が多いので割愛する。
堀田が問題視しているのは、①と③~④をごっちゃにして、「全てがどうにもならないことだ」としている風潮があるように思うことだ。
③は……たとえば「全身の肉が下垂してくる」「加齢によるニオイ」
④は……「髪の毛のうねり、パサつき」「誰にでも起きる加齢変化とは言えない種類の皮膚の色素沈着」
⑤は、「髪の毛が艶をなくす」「寝ても疲れがとれない」「体力の低下」
等だ。
⑤を当たり前だと思うかたは、よくよく考えてほしい。食事、運動。ケア。忙しさに追いかけられて、おざなりになっていないか。
回復力は落ちるのは仕方ない。が、回復しないわけじゃないのだ。若い時のように予備力みたいな(無茶をやっても、なんとかできる貯蓄みたいなもの)の残量が激減しているだけで(この貯蓄みたいなもの自体が、若い人でも持っている量は個人差が大きい気がする。少なくとも堀田は若い頃からムリはきかなかったので、それはよく感じる。それでもやっていけるような食事などに気を配ればなんとかできることも多く、大きくは変わらない)
髪の艶というと曖昧だが、つまりは光の反射とそれによってできる影の問題だ。というと絵を描く人以外には伝わりにくいかもしれない――表面がある程度均質に揃っているかどうかの問題なのだ。これは健康な髪であることと、その健康な髪の形状の問題(髪の一本一本は健康で艶があっても、真っ直ぐな毛のなかに、うねりが強い毛がたくさん混じっていたりすると、ツヤのない髪に見えてしまうのだ。これは、光の反射によって起こる現象)になる。若くてもパサパサになることはある。若さだけの問題ではない。
栄養素は足りているか?
どんなケアをしているか?うねりが強いくせの毛が出てきたときどんな対処をしているか?
若いときよりも必要な手間は増えているはずなのに、「どうせもうおじさん/おばさんだから」と若いときよりもいい加減になっていたりしないか。
若いこでも、さらさらのストレートにするために、ストレートアイロンを毎日していたりしているこが少なくないの分かっているのだろうか。
白髪染めでもなんでも染めをすれば痛みやすくなる。そういう原因もある、その対策に自分がどれだけ手を入れているかを振り返ってみれば、なぜそうなったかが見えるのではないだろうか。
④は個人差が大きい。なかには、出産などを経験して髪質が逆にまっすぐになったというような人もいるのだ。
髪のうねりやクセは、毛穴の歪みやホルモンの乱れなどでも生まれ、確かに頻度は上がる確率が高いが、絶対じゃない。そしてこれらは、やりようによっては簡単に直せる(ただしお金、または時間はとられる)
最後に③である。
これは、どうしようもない要素として、皮膚の弾力性やハリの低下がある。が、2つ、いえることがある。
ひとつめは下垂しているのは筋肉じゃないよね?ということだ。
全身の至るところに存在する脂肪(あとは、回収しきれなかった細胞の間に存在する不要な水分――つまり。浮腫……むくみと呼ばれるもの)だ。若い頃はほどほどの固さとしなやかさを兼ね備えた皮膚が持ちこたえてくれていた部分がそうはいかなくなっただけだ。
そして脂肪は若い頃からの蓄積で増えていたりするから余計にそうだ。
もうひとつ。どれだけお年寄りでも、「顔面麻痺」がある場合、「マヒした側」はシワなんてなくなる。マヒをしていない側とまったく違って肌には艶とハリがありツルッとしていることをご存知だろうか。
つまり、多くの場合皮膚のシワは「動かすこと」で生まれるということだ。下垂とか艶がないなども、「動きによるダメージ」がなければ自然とおさまってゆく。ターンオーバーと呼ばれる細胞の入れ換えは低下はしても続いてゆくのだ。お年寄りでもそうだ。まして中年程度ならどうか、言うまでもない。
美容皮膚科の「ボトックス治療」は、このことを利用しているのだと思う(やったことはないので分からないが。ボツリヌス菌由来の毒素を安全な量だけ狙った部分に作用させ動きを低下させることでシワを軽くするものだと推測している。もし間違っていれば指摘してもらえるとありがたい)
つまり、中年期から目立ってくる、弛みや下垂や深いシワに関しては、若いときは「新品の皮革製品」のようだった皮膚が、「使い込んだ皮革製品」のようになったので、手入れも行き届かないのにムリな荷重をかければそこから傷みが発生するし、重いものをかければ形を維持できなくなる という状況に近いと思う。
これはある程度は仕方ない。が、脂肪組織は減らすことができる。つまり、加齢による下垂が目立つ部位に効率的に働きかけることができたなら、完全になくすことは困難だとしても、ある程度まではかなり改善できるということではないだろうか。
――これらは時にごちゃ混ぜにされている気がする。
もちろん、人間は中身が大事であるし、外見的に若々しさを保つことだけが素晴らしいと持て囃されること自体が、年齢差別ともいえるだろう。
アンチエイジングという言葉は、少しずつ問題視されるようになっている。これ本当に必要かと思うような場面ですら、まるでその人の「属性」を決めるかのように年齢を入力させる習慣となっている日本では考えられないが、アメリカなど国によっては、入社する職業の面接の際に年齢を記載させることさえ禁じられているほどらしい。
というわけで、おじさん/おばさんに見えたとしても悪いとも言えないとは思う。いっぽうで、ここ日本においては、もちろん、「いい年をして若作りをして見苦しい」などと揶揄されることは未だにある(堀田も結構気にしているたちである)が、
それでも、こと異性(同性愛のかたは同性)との交流において若々しい外見を保つ方が有利であることは大いにあると思う。また、夫婦関係や恋人との関係について性的魅力を保つ上では有意義なこともあると思うので、
異論も多いかもしれないが参考にしていただければ幸いだ。
余談 というか、「お腹が出てくる」について。
これは、(それほど脂肪が多くはないのに出ている場合)姿勢の崩れと筋力の低下により、骨盤の窪みのなかにおさめられているべき「腸など」が、骨盤の窪みのなかにおさまりきれずに
せりだしていることが原因だ。
つまり、骨盤が傾いている。腹筋が弱い!ことが原因だ。立ち姿勢を見直すことと、自分の骨盤の窪みのなかに腸をおさめるんだ。腹筋で蓋をするイメージで鍛えれば必ず直るはずだ(それ以前に痩せる必要がある場合はそちらも必要だ……)
脂肪脂肪と書いているが、痩せればいいというのは大きな誤解だ!!!それは間違えないでほしい。
筋肉と、それぞれの(体の)性別にあった体脂肪率は必要だ。男女で違うので特に女性は気を付けるべきだ。女性ホルモンの分泌量が過剰に減って婦人科系トラブルや性機能の萎縮、骨粗鬆症を招きたくなければ過剰なダイエットなどご法度だ。病的に痩せてきれいだと思うのは病んでいる本人だけ。
そして美しさの基準は人それぞれなのだということを忘れてはいけない。ポッチャリが可愛らしい人は男女ともいるだろう。
ただ、内蔵の下垂はよろしくないので姿勢をただして筋肉を必要に応じて鍛えることだけは大事だと思う。
あくまでも!下垂について言及しているだけだ。
妙なダイエットに走ることを推奨はしていない!不健康に痩せることを美しいと認識しないこと!それは強調しておく。
堀田がここに書き記した意図は――
「トシを取ったらこうなるよ」と巷で「常識」であるかのように言われていることのうち、少なくとも上記は本人の努力次第でゼロにできる、それはムリでもけっこう軽減できるんだよ、ということなのだ。
漠然と怯えるなら行動する。行動できるのだと言いたかった。
絶対にそうすべきとか、そうしなければ魅力がないとかそういう話でもない。
なんだろう、不必要に人の不安をあおる表現とか、悪気はなくてもエイジズムをあおるような言葉がネットでもリアルでも当たり前のように氾濫していて。
人を傷つけたり縛り付けたりしているような気がしたので、書いてみた。