表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
与えられた物は「勇気」のみ!~最強スキルで旅をする~  作者: ド・ド・弩レイダー
第三章 誰も知らない夜明け
55/60

新月ノ願い事

「龍司、昨夜食べた久々の日本食はいかがでしたか?また要望があれば、作ってさしあげますわ。

それと、これを着けていただきたく…。」

そう言って、結貴は金の宝石が付いた指輪のような物を差し出した。

俺の手を取り、左手の薬指へとそれを通し、満足気に笑みを浮かべた。

「なぜ左薬指に結婚指輪を着けるのか、ご存知ですか?」

「ううん、知らないな。」

「左薬指には、心臓に繋がる血管があると考えられていましたの。

心を司る、大切な場所。そこにお互いの愛の印として、結婚指輪を着けると言う話ですわ!」

「へぇ、そうだったんだ。あ、でも俺は何もあげられないよ」

「ウフフ、ご安心を。既に様々な物を貰っていますわ。」

特に何かあげた覚えは無いが、彼女が良いと言うならそれでいい。でも、なにかプレゼントしてあげられるといいんだが。

二人で会話を楽しんでいると、部屋のドアが叩かれた。

「おい、リョージ。アイツらを追いかけて南に行く予定だが、来れそうか?」

「うん、わかった。結貴、行ってくるね。」

「ええ、いってらっしゃいませ。」


「なあ、リョージ。テメェ、なんか…アイツと距離近くねぇか?一応、テメェはアイツとつい最近知り合ったんだろ?」

「うん、そうだけど…なんか、今までそうだった様な、そうするのが当たり前の様な感じがして。」

「なんだそれ。前世の記憶的なヤツか?まぁいい。行くぜ、グレア。」

「はぁーいっ!」

結貴に手を振り、俺らは中央を出て、ルヴナさんが居る村を訪れた。

『ここに、恋人と住んでた。彼女は今もここで待っててくれてるけどね。』

ルヴナさんの家の前にて、男女六人組、岩月さんのパーティが話しているのが見えた。

実体はないし、ギルガメッシュにもグレアにも見えていない。

何かしらの理由で、俺だけに見えているのだろう。

「どうした、リョージ。早く来いよ!」

ぼーっと眺めていた所を声に引き戻され、慌てて俺はルヴナさんの家のドアを叩いた。

「おやぁ…新しいお友達、可愛らしい子ですね〜…。」

前にギルガメッシュと会った時とは違い、落ち着いている。

グレアの能力が如何に恐ろしいものかを知れば、きっと驚くだろう。


「そんなことが…大変な旅だったんだね〜…。

それで…今日はどんな用で来たのかな〜…?」

『エウフェミア、ごめん。

コード:イストリア、起動。』

岩月さんの声だ。コードイストリア?ルヴナさんに言っていた?

「おい、リョージ!どうした、さっきから。変だぞ。」

「ご、ごめん。えっと…ルヴナさん。

コード:イストリア…起動。」

俺がそう言うと、彼女は立ち上がり、自室へと歩いていってしまった。

「リョージ、急にどうしちゃったの?コードイストリアってなぁに?」

「聞こえたんだ、岩月さんの声が。」

「はァ、テメェな…変なこと言うからどっか行っちまったじゃねェか。」

階段を降りて戻ってきた彼女の手には、鞄が握られていた。

机の上に置かれ、大きく開いた鞄の向こう側には、ここと全く同じ景色が見えた。

「おいおいおい…マジかよ…。」

『コード:イストリア、実行中。

終了まで、残り60…50…』

「別れを告げる暇なんてねェ。行くぞ。」

そう言ってギルガメッシュはグレアを抱え、鞄の中へ飛び込んで行ってしまった。

「ごめん!ルヴナさん!」

その後を追い、俺も鞄の中へ、飛び込んで行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ