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与えられた物は「勇気」のみ!~最強スキルで旅をする~  作者: ド・ド・弩レイダー
第三章 誰も知らない夜明け
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シャトゥーン

廃墟の奥、巨大な化け物の口のような壁があり、行き止まりだった。

帰ろうと振り返った時、微かにその口から空気が漏れているのに気付き、再びその方向を見る。

俺を丸呑みにしようとしているのかと錯覚するほど、大きく口を開いていた。

「例えば秋、冬。生き物はそれぐらいの時期になると、種を残そうとしたりすることが増える。

もちろん、その時期だけってわけじゃあないんだが。

冬眠、という言葉ぐらい、君みたいなバカでも聞いたことがあるだろう?

その生き物が生き残るため、そういう行動をとるんだ。」

「秋原ァ…!」

秋原(あきはら)冬斗(ふゆと)。俺らと一緒に召喚された男だ。

メガネで、人を見下している、ガリ勉野郎。

大きく開いた口の中から、ソイツが姿を現した。

「しかし、全員が全員冬眠できるわけじゃない。

そこから漏れ、『穴持たず』と呼ばれるようになるクマが居てね。

身体が大きすぎて穴に入れないとか、冬眠前の秋に充分な栄養が取れなかったりして、そうなるんだと。」

「何が言いたいンだよ…」

「この世界での新生活が始まる前に、充分な支援が受けられなかった僕はまるで『穴持たず』みたいじゃないか?」

「あぁ、そうだな。無様でお前にピッタリだ。」

「知ってるかい?『穴持たず』っていうのは、飢えていて危険なんだよ。」

ニヤリと薄気味悪い笑みを浮かべ、目が赤く光る。

その瞬間、俺は落下感に襲われる。下を見ると先程の化け物が口を開けて迫ってくる。いや、俺が落ちているんだ。

「食われるッ…!」

恐怖のあまり目を閉じるが、何も起こらない。恐る恐る目を開けると、目の前には秋原の姿が。

「くっ…ふふふ…ははははっ!

情けないじゃないか!世界を救う英雄なんじゃないのか?!

そんな姿晒して、英雄の名が泣いてるぞ!」

鋭い武器を持っている。あれはなんだ?

それに無骨な鎧まで着ている。その姿は何かある種の恐怖を感じさせた。

「俺は英雄なンて大層なモンじゃねぇ。

俺が守ンのは、女と飯、金と明日の暮らしだけだ。

お前は女か?飯か?金か?違ぇよな。だったら良かった、安心してぶっ殺せるぜ!」

俺の剣に斬れない物は無い。俺が持つのに相応しい武器、全部斬れて当然だろ。


「さあ、どうした!ぶっ殺すんじゃないのか?!

なんだ、思っただけ?それじゃあ三流のままだなぁ、お前は!」

大量の凶暴な生き物を手足の様に操り、俺にぶつけてくる。

この世界に存在する生き物だけでなく、空想上の生き物まで出てきている。

「見たことあるかい?!ヒポグリフ、ケルベロス、ドラゴン!

僕は神話だとかそういうものは信じないタチでね、おそらく君が世界で初めてその生き物と対峙しただろう。

そうだな、『英雄王』ギルガメッシュでも存在しない限りは!」

「ベラベラとうるせぇやつだな!!

めんどくせぇ、こンなの無視して直接ぶっ殺す!!」

剣を構え、秋原へと突進する。

邪魔してくる生き物が居るが構わず突き進む。

勢いよく突き刺した剣は秋原の心臓を貫いた。

「ぐぶっ…へ、へぇ…僕は君を侮っていたよ…。

さ、最後の抵抗だ…。死なないでくれよ。」

ドラゴンに掴まれ、秋原は高く飛び上がる。

身を這う気持ち悪さに気付いた時、既に俺の身体は無数の虫に覆われていた。

「ちょっと刺すよ。危険な毒持ちだから解毒は早い内にするべきだ。

ここから出られればなんだけどね。ははははっ…。」

これは常時展開されている結界、あいつが死ねば消える。

「なぁ!お前、俺が誰だか忘れてンじゃねぇのか?

最強の男だぜ、こンなのに刺された程度じゃ死なねぇ。毒でもな!」

チートスキル。俺らを召喚したヤツらはそう言った。

毒は効かず、身体も頑丈で、俺はまさに無敵だ。


数十分した後、気付けば俺は化け物の口があった所に立っていた。

まだ奥がある。こっから先は、アイツらも呼んで行こう。

なろう、いいですよね。

こんな文字の羅列を公開できるんです。


ところで、ハーレム物は好きじゃありませんが、見てもらうためにはハーレムを築かないといけないんでしょうか。

好きなものだけじゃダメなんでしょうね。悔しい。

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