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与えられた物は「勇気」のみ!~最強スキルで旅をする~  作者: ド・ド・弩レイダー
第三章 誰も知らない夜明け
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ファンタジーの裏にあるもの

その晩、俺たちは北の国(メギストス・フォス)のことについて多くのことを教えてもらった。

戦争が起きた理由や、この世界においてどんな役割を担っているか、など。

錬金術を用いた薬の開発だとか、武器、防具の性能向上だとか…。

俺はロマン溢れるものが大好きだから、興奮がおさまらない。

早く着いてほしい。

「ねぇ、お腹空いた。」

今の時間は12時過ぎぐらいだろうか。馬車に乗って、することもない。退屈な状態だし、空腹が気になるのも無理はない。

ギルガメッシュは新しい鎧と武器に夢中だ。周りの音なんか聞こえていないだろう。

「着いたら何か食べようか。これ食べて我慢しよう?」

パンをちぎり、瓶から蜂蜜を垂らす。

グレアは垂れる様子に夢中で、直接食べてしまいそうなほど、近くに顔を寄せていた。

大きく口を開け、一口で食べる。

頬を膨らませながらじんわりと表情が柔らかくなっていき、飲み込む頃には満足気な笑みを浮かべていた。

「美味しい?」

「うん、全身にぶわぁーって甘いのが広がってね、それでね…。」


話しているうちに、時間はあっという間に過ぎ、北の国へ到着した。

「着いたぜ、メギストス・フォス…!

ここで俺様の鎧を更にいかしたモンにしてもらって…。

堪んねェ!ワクワクが止まらねェぜ!!」

大声で笑いながら鎧を装着し、ガシャガシャと音を立てながら歩いていく。

とは言っても、入国審査があるのでもう少し時間がかかるが。


「さっき、蜂蜜が乗ったパン食べたの」

「ほォ、いいじゃねェか。俺様も食べたかったな。」

「キュクロスが何回も呼んでるのに反応しないんだもん。」

「おォ?マジか。全然気付かなかった。」

「ね、入ったらスグご飯食べよ!」


特に何か問題があること無く、審査は終わった。

その後、グレアは目移りしていたが、食欲には勝てず、どこかに店が無いかと探していた。

選ぶことなく、最初に見つけた店に入ったが、なかなか当たりだったかもしれない、いい店だ。

安い、美味い、量もある。

俺らはそこで満足いくまで食べ、店を出て宿を取った。

「さ〜ァ、観光でもするかァ…。」

やけにソワソワしている。入る前に叫んでいた通り、防具を加工したいのだろう。

ここは様々な物があり、買い物に関しては、中央より充実している様に感じる。

新しい服が欲しいと目を輝かせるグレアの手には、服がいくつも重なっていた。

それに対してギルガメッシュは断ることなく、二つ返事で購入したのだった。どこからそんなお金が?


それにしても、どこか違和感を感じる。

世界観と服が噛み合ってないような。

それに、日本に居た頃に見たことがあるような服もあった。

ギルガメッシュが前に話していた事が正しければ、もっとシンプルで古い感じの服になるんじゃないのか…?

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