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与えられた物は「勇気」のみ!~最強スキルで旅をする~  作者: ド・ド・弩レイダー
第二章 輪廻、ドロップアウト!
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魔性の女

俺達と彼女達を隔てる壁を出したのはグレアだったようだ。

「どうやってそんなことを…?」

「やってみたらできたの。大事なのは想像力だもんね!」

にこっと笑顔をこちらに向け、自慢げに語る。

当たれば一発即死の力をどう扱えば、このように壁を出せるのかはイマイチ理解できないが、本人が実際にしてみせたことなのだ。グレアの想像力は立派だ。


「チッ…ねーえ、天祢ちゃん?

あそこに倒れてる男拾ってきてくれる?あいつ、生きてるでしょ?」

そう言って彼女はゼノンを指さす。

てっきり死んでいるものだと思い、反応が遅れた。

おそらくわかっていても彼は守れなかったかもしれない。

忍者の様な男が一瞬にして彼を奪い去ってしまった。

「起こして。」

彼女が男に命令すると、男は強く腹を蹴った。

「ぐぶっ…」

ゼノンは強制的に気絶から起こされる。

彼女がゼノンの前にしゃがみこみ、語りかけるように口を開く。

「アタシは小此木(おこのぎ) 美姫(みき)

実は命を狙われちゃってて…。特別にすっごぉいのあげるから〜、アタシの為に命、捨てて?」

答えを待つことなくゼノンにキスをした。

「あら?天祢ちゃん、羨ましいの?ちゅーしてあげよっかぁ?」

「くだらん…。」

キスをされた衝撃で放心状態なのかはわからないが、ゼノンは一向に動かない。

「ンフフッ!道化ちゃんと仲良くね?」

額をデコピンし、小此木と男は去っていく。


「ギルガメッシュ!」

「おうよ!」

その二人を逃がすワケにはいかないと武器を構えて走り出す。

攻撃を仕掛けようとしたとき、俺らの攻撃は一本の剣に防がれた。

「よくも影なんかに閉じ込めてくれましたね…!

お前ら全員まとめてここで死ぬんDeathよ!ハーッハッハッハ!」

影から現れた道化は相当怒っている様子なのが見て取れる。

噛ませのような扱いだったから、仕方ない。


アンドロイドは(ブレード)電気羊の夢を見るか(ランナー)

ぼそりと呟く声に気付き後ろを振り向く。

ゼノンが立ち上がり、こちらを指さした。

「命に代えてでも、お前を、お前らを殺す。」

目のハイライトは消え、こちらの言う事なんか聞かずに今でも飛びかかってきそうだ。

「いやはや素晴らしい!

一緒にコイツらを殺しまShowか!

美しい死に場所を用意してさしあげます!

エーラ、天空の城(メテオラ)!」


地面は揺れ、大きな音で叫んでいる。

勢いよく縦に伸び、円柱のバトルフィールドが出来上がった。

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