強要性ペインター
今日、日曜日じゃなくて月曜日か…。
「は…?」
「なんだァ?」
驚く道化、それに気付き振り向くギルガメッシュ。
「えっ、なんでそんなたくさん居るんだ?」
何よりも一人しか居なかった道化が何人も居ることが気になった。
しかしこちらを向いているのは一人だけ。
他の道化はそっぽ向いている。
「お前か!!」
その道化をギルガメッシュが斬った。
どうやら本物だったみたいだ。
「ぐはっ…!な、なかなかやりますね…。」
片膝をつき、胸から血を流している。
「俺様が仁義に則って介錯してやるよ!!」
ギルガメッシュが嬉々として刀を取り出し、道化の首に刃をあてる。
「ちょっと待って!試したいことがある。」
地面に剣を刺し、口上を述べる。
『闇から逃れる者無し。深い絶望に染まり、影の世界で滑稽に踊れ。』
『深くて暗い無間地獄』
すると、同様に影が伸び、道化を闇へと引きずり込んだ。
「お、おぉ…!」
「ほぉ…すげぇじゃねェか!」
無事に道化を討伐することに成功した。
はたして成功と言っていいものかはわからないが…。
しばらくして俺達は元の世界へと戻ることができた。
戻って早々、目にしたものは
アレクサンドロスとミハイル、そしてゼノンの死体だった。
「あっ、やぁっと出てきたぁっ!
あら、いち、に、さん…皆出てきちゃったのね?」
退屈そうに手鏡を見ていた状態から一転、目を輝かせこちらを見ている。
年齢は俺と同じくらい。性別は女性、日本人だ。
これが噂の転生者だろう。
「生き残った方を私の手下にしてあげるつもりだったのだけれど、二人とも、相打ちで死んじゃったの。
残念よね。どちらかが生きていれば、もっと素敵な空気だったかもしれないのに。
ほんっと、空気読めない…!」
毒を吐きながら近くに横たわっていたミハイルを蹴飛ばす。
あのずる賢いイケメンの面影は無い。
「なんか…日本に居た頃思い出すな…。」
冷たい態度、強い言葉。
いつだって肩身が狭かった…。
「え〜、アナタ、日本人?
随分、ここの人達みたいな顔ね?
結構好みかも。ねぇ、もっと良く顔見せて…?」
体が動かない。目が離せない。
ゆっくりと彼女は近付いてくる。
横を影が通り抜け、彼女を抱え、俺達から距離をとった。
「ちょ、ちょっと!何して…」
抱えている男を叩いていると、地面からガラスの壁の様な物が二組を隔てる。
「危機一髪、ね!」




