強行性ノンペナルティ
あけましておめでとうございます。
昨日の更新をすっかり忘れていました。
ただ、年始ですし。休んでも許されるかな?と。
まあ、見てる人は稀有でしょうけど。
影の中に入ってもう十数分ほど経った。
体感だから、もしかしたらそれ以上、それ以下かもしれない。
攻撃をされる様子はなく、できる感じでもない。
俺は退屈になり、能力の把握も兼ねて剣を振り始めた。
「ちっ…テメェ、ちょこまか逃げ回りやがって…!」
逃げ回る道化を追い、攻撃をしかけるものの、それは悉く避けられてしまう。
剣をしまい、銃を取り出す。
しっかりと狙いを定め、トリガーを引く。
弾丸は道化の腿を撃ち抜き、膝をつく。
「はっ。あっけねェ…。」
心臓めがけて二発、地面へと倒れ込む。
倒れた道化へと近付いていくと、身体が膨張し、破裂した。
「いかがでShow!私の見せかけの人形は!」
後ろから嫌な声で語りかけてきやがる。
身体を翻し、道化と向かい合って口を開く。
「悪くねェ。まさか俺様がそんなもんに騙されるなんて思わなかったぜ。」
「ギルくん、頑張ってね。」
鋒を道化に向けて歩み始めた時、アリアが俺様に魔法をかける。
「ギルくん…?」
「ギルガメッシュでしょ?だから、ギルくん。」
渾名なんてものに縁がなかったため、イマイチピンと来ないが、今戦うべき対象のことを忘れてはいけない。
「見せかけの人形はまだまだありますから、あまり慢心せず、戦ってくださいね。」
「散ッ!」
俺がそう叫ぶことで、剣身は砕け、辺りに極小の刃が舞う。
「結!」
刃は一つに纏まり、元の剣の形へと戻っていく。
使っていて、なかなかに面白い。
「はぁ…なんか、疲れちまったな…」
ここに閉じ込められてから、相当時間が経っている気がする。
しかし、今はギルガメッシュとアリアさんを信じて待つしかない。
俺はその場に寝転がり、ドローした略奪のカードを眺めてみる。
「このゲームにおいて、かなり弱い気がする…」
きっと、この世界に来る前に遊んでいたカードゲームやボードゲームなら、強いのだろう。
しかし、デスペナルティも無く、バトルもそこまで多くはなかった。
「どこで使うんだよっ!」
カードへの不満を口にしながら地面へとカードを叩きつける。
『略奪、成功。』
「え?」
どこからともなくそんな声が聞こえてくると、俺は影の中から浮かび上がり、影に飲まれる前の場所へと戻れた。
そこでは、道化とギルガメッシュが戦っている最中だった。




