共時性セカンドバトル
「いやぁ、ごめんね、実は二枚カード持ってたんだ。」
「つまりそれって…」
「そう、君の負け。でも大丈夫。負けても何も盗られないよ。」
そうして俺は強制敗北となり、最初のマスへ戻されてしまった。
ゴールが無いから振り出しに戻されるのは無意味だ。
なんて強がってみる。
「いやはやお見事!ささ、ミハイルさんはクリアーです!」
アレクサンドロスと同じように、ミハイルも彼方へ消えていった。
なんというか、シュールだ。
「さて、次は私ね。」
サイコロを振り、出た目は六だが、着いたマスには何も無い。
「運良いのか悪いのかわかんねェな!ダハハハッ!」
「うるっさい…!」
次はゼノンさんの番ですが、全体的に面白くないので、強制退場です。」
「えっ?」
その一言を残して彼も飛ばされてしまった。
「じ、じゃあ…俺の番だな。」
サイコロを振る。五だ。
ヒールマスを踏み、ライフは4000から4500に。
ギルガメッシュはアイテム扱いなので、これには参加しない。
「さぁ、見事バトルマスを踏みましたね。相手は誰を指名しますか?」
「誰って…キュクロスくん以外誰もいないじゃない。」
もしかすると、ギルガメッシュも指名できるのかもしれない。
わざわざ確実に勝てない方を指名するなんてことはしないが。
「おう、頑張れよ、二人とも。俺様はここで見てる。」
やる気の無い様子のギルガメッシュにアリアは憤りを顕にする。
それもそうだろう。入手した貴重なアイテムが役立たずだったのだから。
「それじゃあ、行くからね、キュクロスくん。」
「上等!全力で来てください!」
お互い武器を構え、見合う。
ギルガメッシュには普通の剣同士の戦いは教えられているが、対ダガーの練習はしていない。不安だ。
「不安って意外とわかるものよ。
僅かな動揺が命取りになるって、彼に教えられなかった?」
瞬きした瞬間、彼女は俺の前に現れ、急所を滅多刺しにした。
「負けてばっかじゃねェか、キュクロス。」
「俺は…情けねぇよ…!!」
元いたマスの上で大の字になりながら叫ぶ。
強くなったと思っていた。
ギルガメッシュ以外には全然勝てるぐらいだと思っていた。
一瞬で負ける感じ、なんとなく覚えがある。
昔やった格闘ゲームだ。
強くなってきたと思ってる頃、上級者に手も足も出せずに負ける。
「強くなってやる…雑に強い技擦ったり十割コンボで完封してやる…!
もう、負けねぇ!!」
「おォ、何言ってるかわかんねぇけど強くなりたいならよかった。」
次の俺の番。
サイコロを振る前に宣言する。
「ライフを1にしてカードをドローする!」
幸い、一から六が出てもダメージマスは無い。
ドローしたカードは略奪。
効果は至ってシンプル。相手のものを奪える。
サイコロを振り、出た目分進む。
着いた場所はバトルマス。
「さぁさぁ、これで決着がつきますね!誰を指名するのでShow!」
俺が指名するのは…




