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与えられた物は「勇気」のみ!~最強スキルで旅をする~  作者: ド・ド・弩レイダー
第二章 輪廻、ドロップアウト!
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単純性スローデュエル

「俺かよ…!」

バトルマスで指名されてしまった。

それもそうだろう。今一番ライフが少ないのは俺。

もしかしたら一気にライフを削るバトルがあるかもしれないし。

場合によっちゃ、全員から狙い撃ちされるかもな…。


「バトルのルールは単純明快!

シンプルな殺し合いですっ!チマチマしょうもないゲームしてもつまらないですからねぇ…。」

ボードゲーム開催してるやつが何言ってんだ。

とは言っても、殺し合いって…

「負けても死にはしません。削られるライフは2000です。全力でどうぞ!」


「よぉ〜し、テメェ、名前は?俺はアレクサンドロスだ!」

「よろしく、アレクサンドロス。俺はキュクロス。」

「多少は骨がありそうだな。他のヤツらだと一瞬で終わっちまいそうだ!」

普段からギルガメッシュに鍛えられてる、頭に体がついて行けば、勝てるだろう。

いや、油断大敵だな。そういう考え方はやめておこう。


「はぁっ…はぁっ…着いたっ…!」

私はギルガメッシュの骨を握ったまま、中央の何かありそうなテントへと辿り着いた。

中へ入ってみるが、何も見えない。真っ暗だ。

「…!」

何かが居る。

私の後ろに何者かが立っている気配がする。

距離を取れるか?いや、下手に動くのは良くない。

「動いたら殺していた。

俺はここから離れるが、そのまま真っ直ぐ進め。」

後ろからそう囁かれると、背中を押され、結局そのまま歩き出した。


「ぐっ…なんて強さだ…」

この男、強すぎる。

本気のギルガメッシュ…は強すぎて話にならないだろうが、普段俺と手合わせしてる時のギルガメッシュより数段は強い。

これは、思考をノータイムで動きに反映しないと勝てないな。

俺ならできる。できないとダメなんだ。

俺だって強くなった。できて当然だ!!

「おっ、動きが変わったなぁ!でも、俺はこんなもんじゃねぇぜ!」

更に動きが機敏に、一撃が重くなる。

追いつけ、俺の腕…俺の脚、俺の思考…!

「これはぁ…アレクサンドロスの勝ちですねぇ…。」

「うん、そうだろうね。俺もそう思う。」

「勝負は最後までわからないもの。逆転の可能性だってあるわ。」

「そう?お姉さん、こういう勝負とか好きだったりするの?こっから出たら、話聞かせてよ。」

「こういうのに興味はあるけど、アナタみたいな男には興味無いから。」

攻撃の激しさが増す一方、俺の体は重くなっていっている。


だんだんと追い詰められ、最後の一撃を受けそうになった時だった。

「っ…!なんだ…これ…!」

世界の動きが遅くなっている。

「これなら、まだ戦える!!」

「なっ?!あの状態からガードを…?!」

「ふふ、ほらね。負けはまだ決まっていない。」

この調子で反撃を…って…

「あれ?」

「偶然か…カッコつけちゃったのに…。」

次の瞬間、俺は情けない姿を晒すのだった。

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