咲緒は
第二話です。引き続きまったりな学校生活です。温かい目でみてくださいまし。
「何って先生が努君を探してたから私も探してただけだよ。」
「聖華、俺逃げるわ。」
努は溜息をつきながら言う。ポケットに手を突っ込み、階段を下りて行った。
「聖華君、最近いつも努君と一緒にいるよね。」
「咲緒さんは僕があいつといるの、変だと思うか。」
「思わない。」
この二人は幼馴染である。が、さんと君を付けている。最も小さい頃は呼び捨てではあったが。
「聖華君少しは友達増やしたら。」
「も、もういるぞ。」
聖華は目をそらす。咲緒は笑い出す。彼の友人に対する価値観は他の人とは違うことを、彼女は知っている。
「そうだね。」
咲緒は微笑みながら階段を下りて行った。
屋上に一人残された聖華はふと思う。彼女の最後の感情は何なのだろうか。理解しきれない物であった
と考えてしまった。
聖華は相手の口調、動き、表情から必要以上に感情を読み取ってしまう。相手の嘘もある程度分かってしまう。小さいころから悩んでいた。咲緒はまっすぐな性格で聖華に隠し事をしない。彼はそんな彼女に助けられてきた。
咲緒はわりと可愛い清楚なイメージです。これから少しづつ本編に入って行きます。