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ゲストルーム

功太に用意されたゲストルームには、幾何学的な文様が織り込まれた絨毯が一面に敷き詰められており、その上には手足が十分に伸ばせるベッドと衣類を収納できる大きなクローゼット、2~3人は優に座れそうなソファなどが整然と置かれていた

「ここにある物は好きに使って良いからね」

「は…はい」

とは言ったものの、功太の唯一の荷物であるリュックは土や埃まみれのため直に置くのは気後れしてしまう


「それじゃあ、ゆっくり休んでね。おやすみ」

「色々とありがとうございました、おやすみなさい」

金子が扉を閉めるのを確認すると、功太はそれまで抱えていたリュックをコートハンガーへと引っ掛ける

「ここなら汚れないだろう…」

高級な家具ばかりに囲まれて、さすがに少し落ち着かない功太は部屋を見回すがテレビやパソコンといった娯楽性のある物は何も無かった


「……寝るか」

諦めた功太は、シワ1つ無い真っ白なシーツの上に横たわると、その身体に感じるの弾力と柔らかさに衝撃を受ける

「すげぇ、何この感触!」

まるで雲の上に寝ている様な感覚に、功太の身体は心地よさに支配され薄れていく意識は微睡みの中に溶けていった


季節は8月、外で寝ていても寝苦しい季節のはずなのに何故かこの屋敷では暑苦しさを感じない、それどころか夜も更けると薄らと肌寒いくらいだった。

眠っていても寒さに耐え難いのか、功太は掛け布団を身体に巻き付け丸まっている


「へぇ~なかなか可愛い子ね」

「そうだろう」


眠っている功太の頭上で言葉が交わされる


「触ってもいいかしら」

「まだ駄目だよ。ぐっすりと眠っているんだから、今は見るだけだよ」


続けられる男女の会話に、功太の意識は徐々に覚醒していく


「つまんないの~」

「そんなに焦らなくても大丈夫だから。だって直ぐに"この子は"お前のー」


"この子"って…誰だ…おれ…か?


「そうね、でも…ちょっとだけだから」


そう言うと、声の主は功太の頭に手を添えた。頭、耳、頬、とゆっくり肌の上を這っていき、やがて首の横へと添えられた


「すべすべで綺麗な肌ね…」


肌の上を撫でる指に突然強い力が込められ、功太の首が呆気なく絞められる


「ヴッ……」

「フフッ」

功太の苦し気な声を聞いてなのか、その力は更に込められていく


「こら、いい加減止めないか!」

「……」


このままでは殺される!!嫌だ!!!

功太は必死で手足をバタつかせ、無理やり身体を起こすと呻くような唸り声と共に目の前にいる人物に拳を振り上げた…








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