4.飛空艇の姫(3)
次回からお話しがまたちょいと飛びます~。
----動きなんか,見えなかったわ。
杖を起動させた瞬間,奴はもう目の前にいたもの。
お付の二人の間をすりぬけてね。
まったく…あんなデカい兜かぶって,
キモノに鎧までつけてるのに,ナニあの速さ?
あの剣だってぜったい10キロ以上はあるよ?
それをぶン回して,ミスリルの杖を一瞬で3分割したうえ,
同時にみぞおちに一発当身って……
わたしと年も背格好もそんな違わないのに,どんな体力してるのよ。
あのキモノの下は,女の子のくせにぜったいムキムキマッチョなんだからね!
………とまあ,そんなことを。
路地裏で拾った外人の女の子はまくしたててた。
わたしの隣ではカナがクリームソーダを飲んでる。
いいなあ,それ。
すこしちょうだい----ありがとう。
ちなみにさっきからその短い杖,なんだかぶんぶん言って光ってるんだけど……
「え?…ああ!これって…このあたりにッ!!」
叫ぶなり,女の子は杖をつかんで外へと駆け出して行った。
----カロンカロン。
入れ替わりにアオイちゃんが入ってきた。
わたしを見つけて手を振ってくれてる。
「サナちゃん…今こんなに食べたら,
晩ごはん,食べれなくなっちゃうよ!」
テーブルの上に積まれたお皿を見て,アオイちゃんが言った。
「ふうひょう被害」ってやつかなあ,これって----
そういや名前も聞かなかったけど……
うん,赤い嵐みたいな子だったなあ。
ソーダを飲み干したカナは,テーブルの上で小さなオモイカネを転がしてる。
また,見つけたの?
ううん,もらった?
誰から?
しばらく考えたカナの答えは----え,ミドリイロ?
サナ 石田紗菜>石村紗菜 9才 ふつうの女の子。髪は学校では三つ編み,家ではポニテ。
カナ 石田佳菜>石村佳菜 4才? 無口,おかっぱ。行動の予測がつかない,ちょっと謎の存在。若干三白眼だが,黙っていればそれなりに可愛い。
アオイ 舘花葵 10才 紗菜のクラスメートで友達。色白でツヤツヤの長い髪。背は紗菜より少し大きいくらい。時々何日も学校を休む。
外人の女の子 さて誰でしょう?
月琴町 さあ,どんな町でしょう?




