1/5
ある日の約束
続くのかな、これ
「いいか、父さんとの約束だ」
技を繰り出して、再び言う。
「父さんはこれで母さんを守ってた……つもりになってたんだ」
どうしてそんなに悲しそうな顔をするんだろうか。
「だからな、お前は俺よりも強くなれ。力が無ければ何も守れない。力があっても守れないこともあるけどな」
? よく分からない。
「そのうち分かるようになる。それにな、失ってからじゃ遅いんだ。それに、いつかはお前も誰かを守らなきゃならなくなるんだ」
父さんは守ってくれないの?
「俺も出来るだけそうするつもりだが、まぁ……いや、それよりもだ。この本にはな、俺が使う流派の技が全て記してある。あとは体を作りながら、自分で身に付けるんだ」
古ぼけた本を受け取る。
「それじゃ、仕事いってくる。留守は任せたぞ」
背中を見送った。そしてそのまま帰ってこなかった。
TSものの「竜の軌跡」という作品も投稿中です。もしよろしければどうぞ。