開幕
内容に影響はしませんので読まずに飛ばして頂いても結構です。
主に同性愛について私なりに真剣に考えてこの作品を仕上げていきたいと思います。
ですが、私の知識は浅はかな物なので余り仕上がりは良くないかもしれません。
もしかしたら、ふざけている。と罵られても仕方ないと思っています。
同性愛についてと書いてありますが、普通の恋愛も作品に取り上げたいと思います。
登場人物のトラウマや過去の出来事も考えていきたいと思います。
ザッザッとヘッドホン越しに聞こえた。
耳鳴りがしていたが微かに声が聞こえる。
『……っ』
『大丈夫か? やっぱり、止めて……』
『だい……じょっぶ……だから、お願い続け……て』
男が相手を心配するように声をかける、が相手は何かを懇願するかのように答える。
男の相手はやけに声が高いように感じられた。
「声が高いな。
俺ってあんま、好きじゃ無いんだよな」
「ふーん。じゃ、和喜はこれなの?」
問いかけて来た人物は左手を右の鵬まであげて、オカマなのかと問い出した。
「そんなわけ、無いです! 絶対にあり得ない」
俺がカマな訳がない。だが女性に興味が無いのは確かだ。
今現在、同居している彼女にも興味は無い。彼女も興味が無いようなので長い間、同居を続けている。
「そうだな、お前は女になりたい。とかじゃなくて、男の人と寝たい……っていう同性愛者だものな」
好きに言わせて置けば本当に好き勝手、喋る。良く動く口だなとか思った。ヘッドホンを外すと、彼女が俺の肩に手をのせる。
「ねぇ、僕。この手に全て委ねてみない?」
トーンを一つさげて問いかけてくる。その時、一瞬だけ驚く。
もしかしたら、もう彼女とは暮らせないんじゃないか……。やっぱり、長い間は付き合うものではないと、思う。 次第に瞳が潤んできたと思った瞬間彼女は顔を反らしてクククと腹を抱えながら笑う。
「そんな、泣かなくても良いだろう。
私はお前を無理矢理、襲ったりしないし私もどちらかと云うと女が好きだしな」
後ろに振り返ろうともせずに、彼女は手を左右に降りながら去っていく。
これでも十回以上はああいう会話をしたがやっぱり慣れない。
恥ずかしくて服のフードをかぶりフードが脱げないように手で押さえていると不意打ちのように彼女が声をかける。
「後、盗聴は程々にしときなよ」
バタンと扉が閉まる音と共に彼女は部屋に消えていった。
「盗聴……って。
俺が好きでやってる訳じゃ無いのに」
自分でもむくれているのがわかった。
だけど、何よりも恥ずかしさが無くなっていたことが驚きだった。