試練の結末
前回から少々時間が空いてしまい申し訳ないです…
なぜ、リンデのカウンターをキョウヤが回避できたのか。
それはキョウヤの持つハートストライカーの能力にある。
ハートストライカーには、主に3種類の能力がある。
その手札のうちの一つがが空間操作
その名の通り空間に干渉し、次元を消したり生み出すことのできる。
リンデの目の前まで瞬間移動したカラクリは、この能力を使いリンデとの間に存在した空間を消し去ったからである。
そして、空間操作の応用技で空間内にいる人間を投影し、分身を作り出す。
今リンデが切り裂いたキョウヤは残像に過ぎない。本物は既に―――
「ッ―――」
「チェックメイトです……リンデさん」
俺は背後から回り込み、リンデさんの首筋に刃を当てた。
「見事だ。」
「そこまで!リンデの降伏により、この決闘の勝者は、カナデ・キョウヤの勝利とする」
カイザーからの宣言をが出されたため、俺はハートストライカーをリンデさんの首筋から離し、腰に差した。
「ふふっ…貴方、あの時やっぱり手加減していたわね?」
「一瞬でも隙を生み出さなければ、攻め切ることができない。あの瞬間移動を見切られていた時すでに私は真っ向勝負から奇襲へ作戦を変えていましたからね。」
その言葉を聞いてリンデさんは小さく微笑み、手を差し出してきた。
「これからよろしくキョウヤ」
「はい、よろしくお願いします」
俺は差し出された手を握り返した。
「さて、話も終わったようだな。」
「カイザー…」
「そんな顔をするなリンデ、伝説の英雄相手に弱体化しているとはいえ、ここまで善戦したのは称賛に値するレベルだぞ?」
「だが…」
「良いか?リンデよ。肝心なのは次に活かす応用力とその力を巧みに扱う技量だ。」
「そうですね。恐らく、今程度の力では、リンデさんの50%にも、及びませんよ」
まぁ…及ばないのと、その力を補う技量に関しては似て非なるものだけどな。
「キョウヤよそれで提案とは何だ?」
リンデとの会話を終えたカイザーが俺の下へ歩いてきた。
「私の願いは一つだけ。近衛騎士と成った後でもカイザーの召使として使えさせていただけないでしょうか?」
「それで良いのか?となると、貴様の負担が大きくなるのでは?」
「大丈夫ですよ。それに――」
「寝起きのカイザーの素を見るのが私の楽しみでもありますから」
俺はリンデに聞かれないように移動して、カイザーの耳元で小さく呟いた。
「ッ///―――馬鹿言うな!」
さっきまで物静かだったキャスの頬が赤く染まっていった。
「失礼しました。流石に、冗談ですよ」
「お前の冗談は冗談じゃないときの方が多いが?」
まだ少し赤い頬を隠しながら堂々とした表情でカイザーはツッコミを入れてきた。
「さて冗談はここまでにして…カイザー今の七国はどうなっているんですか?」
「今の七国間だが、昔から何ら変化はない。今も神羅とは敵対関係で、天月とは同盟を結んでいて、他の4国とは特に大きな隔たりは存在していない…」
「それなら、わざわざ今私を近衛騎士に任命せずとも良かったのでは?」
「それがそうでもないのよね。」
少し困った様子でリンデさんがそう呟いた。
「どういうことですか?」
「最近周囲の魔物たちの凶暴性が年々増してきた。それと同時に各地で強力な悪魔たちの出現が目撃されている。ただでさえ、七国の中でも争いが続いているのに魔界に住み着く悪魔が人間界に出てきたとなると、人手が足りなくてな。」
「それで私を呼び戻した…と」
「そんなところだ。というか、お前陰で魔物も悪魔も狩り続けてただろ?」
「はて、何のことでしょう?」
な~んて、嘘ついてるけどどうせバレてるだろうな。
俺のウソを聞いたカイザーは呆れた顔をしていたのバレていることに間違いはないだろう。
「まぁよい。キョウヤ貴様にはこの後我々と一緒に会議に出席してもらう」
「カイザーまさか、キョウヤをデッラルテの会議に出席させるのですか?」
少し驚きながらもリンデは冷静にカイザーに問いかけた。
「ああ、その通りだ。貴様も元デッラルテらしいし、わかっているのだろう?」
「デッラルテ…ヴェーレの核にして、各部隊の隊長以上の力を持ち部隊丸々一つの指揮権を所持するヴェーレ最強の近衛騎士集団ですよね?」
まぁ、俺がいたときからメンツが変わってないなら全員顔見知りだけど…
「それじゃあ行くぞ二人とも。それとキョウヤよ…」
「何でしょうか?」
「お前に合わせたい奴もいるのでな」
そうして、俺たちは宮殿を出て、特別会議室へと向かった。
今回も読んでいただきありがとうございました!
いつも展開は成り行きで考えていたりするので感覚が大きくあく場合があります。




