プロローグ 召使から騎士へ
初投稿!暖かく見守ってもらえると幸いです。お試しでの投稿なので、後日しっかりと組んだものを投稿します!
「何かの間違いですよね?カイザー」
そう言って俺は宮殿の王座の前で問いかけた。
「僕が、この場でそのようなしょうもない嘘を付くわけがなかろう」
「だとしても…ただの召使の立場であるこの私如きがカイザーを守護する立場である近衛騎士になるなんて」
そうだ。俺にはカイザーを守る資格なんて無いはずなんだ。
カイザーは『はぁ…』とため息をついた後、玉座から立ち上がり長い水色の長髪が肩を滑り、冷たい月光のような輝きを放つ。彼女の瞳は、いつものように感情を欠片も見せない深い紫だった。
「この僕が認めたのだぞ、それともまだ自分の素性を隠しきれていると思っておるのか?」
その声は静かだったが、王座の間に響いて俺の胸を貫いた。
俺は膝をついたまま、顔を上げずに動揺を悟られ無いようにして答えた。
「はい、私はカイザー様の召使にしてただのお世話係です。」
「くどいな。だが、もう十分だ」
そう言葉をついたカイザーは、一歩俺に近づいてその細い指先を俺の顎にかけて無理やり顔を合わせるようにしてきた。
「何のつもりですかカイザー」
「貴様のその目を見れば大抵の事は予想がつく。君が過去に何を成しえ、今の立場に落ち着いたのかもな。」
「ッ―—」その言葉でつい俺はカイザーから視線をそらしてしまった。
「図星か…」カイザーは静かに呟き俺の顎から指を離し、再び玉座に足を組み直して腰をおろした。
「まぁ過去などどうでもいい。重要なのは今お前の主は僕であるという事実だけだ貴様が本当に召使で、僕に忠誠を誓っているのであれば君は僕のもう一振りの剣となれ。」
「カイザー…」そうだったな。俺が引き起こしたあの出来事は過去の出来事。今は主であるカイザーに身を委ねるのも悪くは無いが…
「分かりました。私が貴方様の新たな剣となりましょう。ですが、一つ提案を…」俺がカイザーに言葉を伝えようとすると苛立ちながら言葉を遮るようにして口を開いた。
「もうよい、剣奏者よ前へ出ろ」
「承知しました。」
そう、カイザーが呼ぶと同時に黒髪長髪で腰に二振りの剣を携えた女性『ヒアリンデ』がカイザーの横に現れた。リンデは大帝国ヴェーレに現存する騎士団の中でも最上位でカイザー直属の『近衛騎士団の騎士団長』にして、カイザーの副官として代理を勤めている。この国最強の騎士の一人だ。
「今からここでリンデと決闘してもし君が勝てたら、その提案とやらを受け入れよう。ただし、もし負ければ君は無条件で僕の言うことを聞いてもらう」
「ちょっと待っ…」俺が言葉を返すよりも早くカイザーが開始の合図を出した。
次の瞬間俺の横から二種類の剣で斬りかかられた。
「避けられた…」手加減したとはいえ全力で斬りかかった…スピードも並みの者では認識できない速度で動いたはず…あの召使ただ者じゃ無い様ですね…
「あっぶな…」何とか紙一重で避けられたけど。長く続けてると体力が持たないな…
「急に斬りかかって来ないでくださいよ」
「合図は出ていました。それより、対応できた貴方が異常なのだけど?」
「仕方ないでしょう。避けなかったら今頃僕の体は三分割されていたと思いますしね」
はぁ…バレてるとはいえこれは使いたくなかったけど使うしかないか…
更新頻度はマイペースでやっていくのでよろしくお願いします。




