パーティーメンバーその2
前回お金稼ぎのためにゼル(正)の運の良さを利用し、金銭を稼いだが、またもやゼル(正)の前に求婚を迫るおかしなハーフエルフがが現れる。この状況をどうするのだろうか
俺は今、求婚されている。このハーフエルフのエルザとかいうやつがパーティー希望かと思えば求婚してきたのだ。俺はミケと同じような気配を感じたが、なんかいろいろとありそうな感じがしている。
「な、何を言ってるんだ?あなたは?」
「そうですよ、言っている意味が分かりません」
「結婚なんて無理です、ゼルさんは私といつも寝ているのですから」
(ミケ、お前とはまだ1日しか寝てないぞ、あとベット離れてるし)
勢いよく台パンをかまして前のめりでデカい声でエルザがしゃべり出す。
「な、なんだと?!ではこの小娘と同棲しているのか?!」
(なんで信じるんだ?)
「ご、ごめんなさい。この子の言ってることは少し盛っているので俺が詳しく話します」
「そ、そうか」
落ち着いたエルザを見て、今日までの経緯を話した。
「なんだ、子娘よ、会ったのは昨日じゃないか、」
「ぐぬぬぬぬっ」
「では、私と結婚してくれ!」
「待て、待て、待て」
「一体どういうことだ?意味わからないから教えてくれ」
「わ、わたしはハーフエルフの女王候補よ!」
「女王候補?てことは王女様なのか?」
(にしては品性が物足りないような気がするけど)
「そうよ、私は高貴なるハーフエルフの王女5姉妹の末っ子のエルザよ」
(なんとなく会話に”の”が多すぎて聞きにくいな)
「んで、そんな王女様が何で俺に求婚してるんだ?」
「そうですよ、ゼルさんはそんなことしている暇はありません」
ミケはやっぱりかわいい、俺の結婚を阻止しようとしているのが本当にかわいい。
そ、そんなこと言ってる場合ではない。
「ミケ、ありがとう。でも、話は聞かないと」
「そ、そうなの?」
「うん!んで話を聞かせてくれ」
こうしてエルザについて俺たちは聞いた。彼女の出生やらいろいろときいた。
まとめるとこんな感じだ。
エルザはハーフエルフの王族の一家に生まれて、物心ついたときには女王の座を巡って覇権争いを姉妹間でかれこれ数百年続いているらしい。そんでここ最近、女王になる条件として配偶者が居なくてはならないことを知って、わざわざ配偶者を探すための旅に独断で出たらしい、その旅の果てに俺たちにたどり着いたのだと。
「お前のここまでの経緯は分かったが、改めて聞くけどなんで俺なんだ?俺なんかよりもハーフエルフなんだから寿命の長い種族だったり、もっと強い冒険者パーティーをあたればいいだろう?」
「そ、それについては…」
「なんだよ、もじもじしてないで早く言えよ」
ちょっとエッチな感じを出しながら、こっちを見て来たエルザに俺はいろんなトコが反応してしまった。
なんて情けない。
「そ、それは、あ、あなたの…」
「俺の?」
「か、か、顔が好みだからだ」
俺は意味が分からなかった、俺の見た目は普通だし、特徴があれといえばブラック勤務の時に寝てなかったから若干目つきが悪いぐらいだ。それになんか寒い、体温ではなく空気が。
「な、何言ってんだ?」
エルザが顔を真っ赤にしてかを全体を隠したしぐさになぜか懐かしさを感じた。前にもこんなことがあった気がする。なぜだか思い出せない。
「それだけですか?!ゼルさん、やっぱダメです!」
「そ、そうだな。気持ちはうれしいがもっといい人を探すといい。なんせ配偶者になれば王族になるのだから。俺みたいな無名の冒険者より名のある冒険者の方がいいと思うぞ。俺達もやることがある」
「そ、そんなぁ(;ω;) 」
申し訳なかったが、俺たちは悲しそうな背中を見て俺たちは立ち去った。
街を歩いていると街の変化に気づいた。街の至る所にハーフエルフが見られた。それに武装もしている。
俺は状況と勘で最悪なパターンを2つ考えてしまった。1つがあのエルザが怒って、俺をけしかける未来そして2つ目が求婚を断ったことでそれがハーフエルフに知られ、消される未来だ。
「あ、あのー、ゼルさん、なんかいやな予感がします。いったん戻りませんか?」
「俺も同じこと考えていた。そうしよ」
俺たちは結局ギルドに戻った。戻るとさっき座っていた場所に顔をうずくめているエルザの姿があった。
俺たちは慎重に近づくと、なんか言ってるように聞こえた。
「あー私はだめな奴だ、何やってもお姉様たちに勝てないし、家に帰れば父からも怒られるし帰りたくない。それにいじめられたくもないし」
「何言ってんだ」
「泣いてるんじゃないですか?」
「大丈夫か?」
と肩に手を添えるといきなり体制を崩した。動きにびっくりしたものの改めてみると爆睡をかましていた。そして、腕や足に複数の怪我があったことに気づいた。
「寝ちゃっていますね、さっきの寝言じゃないですか?」
「寝言?にしてははっきりしすぎだろ」
(いや待てよ、俺もブラック勤め時代に何回か寝言うるさくて大家さんに怒られたな。その原因が確か疲れからだったような?こいつもだいぶ疲れてたのかな、それにこの傷、まさか)
「どうしますか?この人」
「1度俺たちの宿に運ぼう」
帰る道の途中でもハーフエルフが増えてるのが目に見えるほどわかりやすかった。
「なんでこんなにハーフエルフがいるんでしょう?」
「そんなもん分かるだろ、こいつ独断でここに来たんだろう?おそらくこいつを探している」
「それじゃあ、引き渡しましょう」
「いや、しなくていい、俺たちがかくまう」
「なぜですか?私たちが見つけたことにして渡したらそれ相応の対価をもらえるかもしれないんですよ」
「金は好きだが、今はいらない。それにミケも見ただろう、こいつの傷」
「見ましたが、ここに来るまでに魔物に襲われたんじゃないですか?」
「それはないと思う。さっき鑑定スキルで見たがレベルが20もある。ここら辺の魔物には遅れは取らないはずだ」
「レベル20ですか、確かにレベル20なら余裕です」
「こいつの寝相できな臭い発言もあったしな。たぶんこいつは姉たちに権力争いの最中でも1番弱いからいじめられてるんじゃないかと思う。そういうのも含めて単独で来たんじゃないか?」
「言われてみればそうですけど、本当にかくまうつもりですか?」
「不満か?」
「いえ、ゼルさんがそういうなら」
「じゃあ決まりだな」
俺たちはばれないようそそくさとか宿に帰った。
俺たちはエルザを部屋に運び、横にしてやった。しばらく俺が見守っているとなんか美味しそうなにおいがする。なんだと思い外に出てみると大きな鍋を持ったミケが立っていた。
「なんだ、それ?」
「作って来たんです」
「どこで」
「ここの宿の厨房、銀貨3枚で料理できるみたいで」
「そんなことできるのか」
「まぁ、銀貨3枚なので最低限の食材しか使えませんでしたけど」※残り銀貨33枚
「エルザの傷はどうですか?」
「ああ、持っていた回復薬(中)を飲ませたら完全とはいかないが薄くはなった。でもあれを消すにはかなり強力な回復薬がいるな」
「そうなんですか...」
「まず部屋に入ったら?」
「はい!」
匂いにつられてなのかエルザがもう起きていた。
「起きたのか?」
不思議そうな顔をしているエルザに聞いても、寝ぼけてて何も返ってこない
でも、鍋を見て今にもとびかかりそうな犬みたいになっている
「じゃあ、みんなで食べるか」
皆で鍋を囲んで食べることにした。俺たちは見た目の割に質素な味がする鍋を食べた。
食べ終わったところでエルザがやっと俺たちに気づいた。
「なんであなたたちがいるの?!」
俺は「おせぇよ!」ってツッコミたくなったが気持ちを抑えて事の経緯を話した。
「な、なんで追われてると思ったのだ?それになぜ引き渡さなかった?」
「それは…」
「それは!ゼルさんがあなたのことを助けようとしたからですよ!」
「助けるってなんで?」
「あなたの傷を見てゼルさんが引き渡しちゃいけないと判断したからです」
傷のある場所をとっさに隠したところを見て、俺は確信した。身内での問題でこいつは訳アリだと
少し悲しそうな顔をしているのがなんか痛かった。
「これからどうするんだ?行く当てはあるのか?」
首を横に振るエルザ。
「ううん、ここまで探しに来てると思わなかった」
「そっか、じゃあ俺達と一緒に来るか?」
「え?」
「だって、俺たちは有名でもないし底辺冒険者だし、いてもバレにくいだろ?それに困ってる女の子を一人で追い返すのも嫌だしな」
「いいの?」
「ああ、ちょっとお金がかかるようになるけどな」
俺はエルザに手を差し伸べし、パーティーに誘った。そしたらその場でエルザが泣き出してしまった。
「こ、こ、こんなにやさしくされたのはじめてぇぇぇ」
「そっか」
俺は優しくエルザの頭を撫でた。ミケは完全に拗ねていたがこれでいいと俺は思った。
「よし、じゃあからよろしく頼むな。エルザ」
「ミケも挨拶しろよ」
「よろしくね、エルザ」
なんとなく仲が悪い感じになったけど大丈夫だと思う。
俺たちは鍋の片づけをした後、明日のことこれからどうやってエルザを隠していくかなどいろんなことを話し合った。
ここまでは良かったのだが、この夜が大変だったのだ。
俺が寝ようとするとミケが右から抱き着いてきて超絶可愛い顔で甘えてくる
「ゼルさん、こっち見て寝て」
それに対抗してエルザも左から接近して
「ぎゅぅぅぅして」
二人のシャワー後のにおいはいい香りだがこれはさすがにやばいと思った。久しぶりに俺の俺が起立しそうだった。心臓バグバグの俺がしばらく真上を見た後に左右を見たらもうどっちも寝ていた。俺の興奮が一瞬で消えたことにびっくりした。
これがハーフエルフの新たな仲間の出会いである。




