大掃除
少しの間、お休みしていました。
本日からまた連載を再開したいと思います。
今回のお話は手に入れた家の大掃除の日常回です。
俺はぐっすり寝ていた。日差しが顔に当たってまぶしいと思っていたが起きれない。でも幽かに声が聞こえる。
「ゼルさん、ご飯ですよ」
俺は体を揺さぶられ、やっと目を開ける。半目でかすかにだが、ミケとローズの姿が見える。
「ゼルさんの分、私が全部食べちゃいますからね」
「ご飯できてるので食堂に来てくださいね」
とだけ言って2人はどっかに行ってしまった。俺は冬眠後のクマの如くゆっくり起き上がった。
寝ぐせの髪を直さずに食堂に向かった。ちなみにログインボーナスはスキルポイント20だけ※霊感探知スキルで50ポイント消費済み
食堂の扉が開いていた。中に入るとみんなが座っていて食事の準備を進めていた。
「おはようございます!ゼルさん!」
「ごめん、遅くなった」
「大丈夫ですよ、昨日は疲れましたもんね」
謝りながらも一応食器を並べるのはした。
準備ができると食事をミケが運んできてくれた。見る限りすごいうまそうな料理だ。簡単に言えば卵メインのフレンチ料理風といったところか
全員で手を合わせ”いただきます”と言って、各々食べた。卵の甘みと安心感がとてもおいしい。優雅に食べていると、ミケが話を持ち出した。
「ゼルさん、今日は何するんですか?」
なんも考えていなかった。そういえば家を買う目的もエルザをかくまうためだったが、こんなデカい家になるとは想定していなかった。まあ家の位置的にも町からも20kmは離れて木に囲まれていているから人に見つかりにくい。かといって町の情勢を知るための情報網を閉ざすのはまずい。
そもそもここ来た時から思っていたが、室内は確かにきれいだ。でも外観はとてもじゃないがきれいではない。庭みたいな広大なところも玄関に続く道以外雑草だらけだし、室内だって汚いところは汚かった。書庫への通路だったり、キッチンどか。この問題を解決するために掃除を決行しようと思いついた。
「今日からみんなで掃除をしよう」
「掃除?」
「掃除ですか!いいですね、1人だととてもとても完璧にはできないんですよ」
ローズは快く賛成してくれた。
他の2人はというと、、、
「わ、私は魔法の研究がありますので…」
「昨日の真意をきかせてほしいのですが//」
「昨日とは何ですか!なんかあったんですか?」
「ちょっとだけ//」
「えー?!何をしたんですか?!
とミケは完全にやりたくないときの言い訳を言っているし、エルザは変な気を起こしている。
「はぁー、仕方ないな。エルザ!」
「はい」
「お前を見てただびっくりしたのとあまりにもお前がエッチだったから〇起しただけだ」
「な!//何言ってるんですか!」
全員がおんなじリアクションをした。
「変な気を起こすのは分かるけどそんな意味ではない」
「えー」
あからさまに落ち込んでいるのが分かった。
「では私との子を望んでいるわけではなかったのですか?」
「当たり前だ!」
「そんなことがあったなんて、ゼルさんも破廉恥ですね」
「ミケお前はまず静かにしてろ」
「あー!そんなこと言ってるなら掃除は絶対にしませんよ」
そういってくると思っていた俺はあるいいことを考えていた
「じゃあ、お前の部屋をお姫様仕様にしてあげようとしてたのにな」
びびっと完全に全身で反応したのが分かった。
「な、なんですって?!」
ほら、食いついてきた
「でも結局、自分でしますから」
「掃除が終わったらすぐにと言ってもか?」
「条件は簡単なのにな?掃除が終わればすぐにでもやってやると言ってるのにな?」
「早く終わらせる方法は一つしかないよな」
「その方法って、まさか…」
「人を増やすことだ」
「分かりました!手伝います!エルザも!みんなで掃除やりましょう!」
てなことでおいしいエサで釣れたおバカな魔術師と半ば強引に参加させられたエルザも協力してくれることになった。
俺たちはエルザとローズには心配はいらないが、問題はミケだ。興奮したり、調子に乗ってると必ずへまをする。アンシン町に来るときにもへまをしている。
ミケを入れての掃除ってのはすごく心配なので結局4人全員で同じ箇所を掃除して回ることにした。
まずやるのはトイレ掃除。聞いたところによるとローズは霊体になってからトイレが必要なくなったらしい。構造的には基本個室で男女兼用、それが等間隔で4つ並べられている。何より汚い。水は正常に流れるが、とにかくホコリやらいろいろ汚い。
「こんなのを掃除するんですか~?」
明らかに掃除したくない感を出しているミケだった。だが、こいつは可愛くても1人でなんかさせたら大変なことになる可能性がある。
「じゃあ、俺とミケが一緒に掃除するから、ローズが2つのトイレお願いできるか?」
ローズならしっかりやってくれるだろう。問題はこっちだ。ミケは条件付きとは言え、黙って掃除しろって言ってもできないのは知っている。だから家の中でも掃除のしやすいトイレにした。
「よし、俺はトイレ本体を掃除するからそれ以外の所を掃除してくれ」
「わかりました!」
ミケは掃除道具を取りまず、ほこりを掃くも案の定うるさい。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと!ゼルさん!クモ、クモ!」
騒がしいし、煩わしいと思って振り返るとそこにはめっちゃデカいクモと巣があった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺たちの声に引きつかれるようにローズとエルザが駆けつけてくれた。
「ク、ク、クモがぁ!」
エルザがため息をついた。それはとても呆れたように
「何をやっているのですか?」
と言うと、エルザはクモと目を合わせ何かを送っているようだ
そうしたらクモが慌てたように巣ごとどっかに逃げていった
「これで大丈夫です」
「何したんだ?」
「何って、私は一応ハーフエルフの王女候補ですよ。生物との対話なんて普通です」
(へー、ただの脳筋じゃないのか)
ローズの方に目をやるとローズも震えていた。
「ローズもダメだったのか?」
そしたら目に涙をためていた。
「そうなんだよ、どうしてもクモだけダメで…」
「ありがとう!エルザお姉さま!」
「お姉さまって//」
少し照れくさそうにするエルザを見て、笑いがこみあげてきた。
「ハハハハハ」
「何を笑っているんですか?」
「いやぁ、なんか素直に褒められて照れてるのが面白くって」
「そんなことで笑わないでください!」
「ほらっ、掃除の続きしますよ」
「そうだな」
こんな騒がしいことが俺たちは掃除を続けることにした。
-夕暮れ頃-
「ふぅー、やっと終わっったー」
あれから俺たちはトイレ以外にも各部屋、家の外壁を掃除した。
「やっと、掃除終わりましたね」
「あれ?なんでそんなにゼルさん、ボロボロなんですか?」
そう聞かれた俺は室内を掃除してくれたローズとエルザに事情を説明した。
「これは全てミケが原因だ」
「ミケさん何かしたんですか?」
「一時期、外が騒がしくなったくないか?」
「えー、はい何やら魔力も膨れ上がって、地面も揺れてましたね」
「んで、何をしようとしたかというとこいつは”私の水魔法で一気に掃除しちゃえばいいじゃないですか!”なんて言い始めて勝手にぶっ放そうとしたんだが、、、」
「あー、それを防ごうとしてこの有様ですか。」
「そういうことだ」
「そのあともひどい。庭の掃除でも”私の魔法で♡”どか言って、たいして魔法の制御もできない奴が何言ってんだよ!」
「それは災難でしたね」
「それで肝心のミケさんは?」
「ミケならさっき、自分の部屋に走って行ってたぞ」
「な、なにぃぃぃぃ!」
「あいつ、絶対許さん」
「まぁ、良いじゃないですか、終わりましたし。」
「僕はご飯作ってくるので」
ローズは去っていった
「私たちも家に入りましょう」
座り込んでいた俺にエルザが手を差し伸べてくれた。
俺はその手に引かれ、家に入った。
俺はこんな奴らに振り回されるのだろうか。不安と楽しみが残った。
そのあとはローズの手料理をたらふく食べて寝た。




