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夜の出来事

家の紹介が終わり、夕飯を楽しむ一同。しかしその夜に予想外の出来事がゼル(正)に立て続けに起こる!

 俺はゼル、あっちの世界では(ただし)って名前だった。異世界に召喚された俺はあっちの世界ではありえなかったマイホームを手に入れることができた。そして今晩御飯の準備をしているのだが、ローズと俺は料理に関しては問題ないのだが、ミケとエルザが少し問題がありそうだ。ミケは火加減を調整できないし、すぐにどっかに行ってしまう。エルザは集中しているのだが力と緊張で食材愚か、まな板まで切ってしまう始末。料理に関してはローズがミケを、俺がエルザをカバーすることで簡単ではあるが、ポトフとパンをやっとの思いで作れた。まさかポトフを作るのにこんなに苦労するとは…


 そんなこともあったが、今はみんなで食事をしている。


「それでは、僕らの新たな家と家族に…乾杯!」


「乾杯!!」


そこからは幸せな時間だった。ミケは泣いていたし、エルザは見たこともないような嬉しそうな顔でポトフを頬張っている。その光景を見てほんわかしている気持でいるとローズが話しかけてきた。


「ゼルさん、素敵な方たちですね、」


「そうか?ミケは可愛いけど、ドジでポンコツだし。エルザはあまり分からないが、戦闘だと頼りがいはあるけど案外女子らしくて結構弱点の多い子だけどな」


「でも、弱点を知れてる関係って素敵だと思います」


「弱点握られてもいいこと何もないけどな」


「なーに2人で話してるんですか!」


「うん?あー、なんかローズがお前たちの悪口言ってたぞ」


「何だってローズちゃん?」


「え、そんなこと言ってませんよ!」


「はははっ!冗談だよ」


「ゼルさんは本当に好きですよね、冗談」


「好きではないよ、人をからかうのに便利なだけだから」


「だから、からかうのが好きなんですよね」


「そうかもしれないな」


皆でゲラゲラ笑った。本当に楽しい食事会だった。なんとなくだが、みんなとの距離も近づいた気がした。食事の力は偉大だ。


食事の片付けも終わり、各々自分が決めた部屋に戻ろうとし2階に続く階段をおぼろうとした時、階段のふもとにある鉄の騎士の置物が動いたように感じた。振り返って不思議そうに見ていると、3人に話しかけられた。


「どうしたんですか?」


「ん?何でもない」


3人は俺を不思議そうに見ながらも会話を続け、各自部屋に着いた。

さっきのことも気になったが、それよりも自分の部屋で1人の時間なんて久しぶりすぎて解放された気分だった。両手を挙げて背伸びしたら関節いくつかポキポキと鳴った。


「うわぁぁー久しぶりだな部屋で自分だけのプライベート」

「そうだ大浴場に入りに行こう!早くいけば一番乗りでしょう」


いろいろ準備して意気揚々に部屋を出ると部屋の前に何冊かの本を持ったミケとローズがいた。


「何してるんだ?」


「あ、今ローズさんに手伝ってもらって今日読みたい本を持ってきてたんです」


「あの書庫にあった奴か、そんな読めるのか?」


「1日じゃ無理ですけど、いっぺんに持って行った方が効率良いでしょう」


「ま、それもそうか」


「では、ゼルさんはどこに行くのですか?」


「あ!大浴場ですね、行ってらっしゃいませ!お湯は毎日たまっているので」


「あー、お風呂ですね。私もちょっと読んだら行きます」


「いや、俺のあがった後にしてくれ」


俺ははやる気持ちがあったので軽くあしらい、すぐさま大浴場に向かった。


大浴場に着いた俺はすっぽんぽんになってすぐさま湯船に漬かった。

「あーー、いい湯だ。一番乗りはやっぱいいな」


リラックスしていると大浴場の壁際に影が見えた。

疑問に思って俺はその影に近づいていく。近づくとどんどん人影に見えてきた。ある程度近づいたところで湯気が晴れてきた。そんでそこにいたのは全裸のエルザだった。


俺は恥ずかしさのあまり、すぐにお湯に潜った。


「何やってるんですか?ゼルさん」


声は聞こえる。だが今は顔向けできない。


「あのー」


声と共にお湯の波が伝わってきた。目を見開くと無知ッとした太ももが目の前にあるではないか。

この状態もまずいので顔を水面から上げた。


「ご、ごめん!そんなつもりは!」


「別に気にしてはいません」


正直やめてくれと思う。動くたびに君のなんというか小さな乳房が揺れるので僕の僕も反応しちゃうから


「どうしたのですか?おなか押さえて具合でも悪いのですか?」


「じゃあ、異常がないか透視スキルで体内をいったん見ます」


スキルを使った直前にエルザが顔を真っ赤にして聞く


「ゼルさん、もしかして私との子を作りたいのですか?」


「そんなわけあるかぁ!」


俺は全力でその場を離れた。変な冷や汗をかいて湯に漬かった意味がなくなってしまった。

気分も落ちていた俺は自室に戻ることにした。先ほどと同じ階段を上っていくのだが、また鉄の兵士の置物が動いたように見えた。俺もだいぶ疲れているのだろうと先ほどよりは気にならなかった。


夜も更けてきたことだろうし、俺は寝ることにした。

皆は寝ているだろうかと考えていると、ミケの魔法で使う呪文が聞こえて来た。俺はミケの隣の部屋だった。もちろんこの呪文を聞くのは初めてではない宿にいるときも怒られてた。でも聞いているうちに俺にとっての子守歌になっていた。だがしかし今日は一段と違った。テンションが上がっているせいかそれとも俺の気分が落ちているせいかは分からないがすごい鬱陶しい。いきなり声が聞こえなくなった。

魔力切れでぶっ倒れたのだろうかと思っていると部屋の扉が開いた。


「ゼルさん、いますか…」

俺はむくっと起きて嫌そうな顔で返事した。


「なんだよ、いつもみたいに倒れたんじゃないのかよ」


「そ、それが…下の階からなんかてつみたいな音が聞こえてくる気がして…」

俺は完全に眠気が覚めた。もしかしたらもしかするんじゃないかと


「本当か?」


「は、はい」


(もしも、あの鉄の兵士がひとりでに動いてるなら…)


「幽霊ですかね?」


「幽霊だったら俺のスキルが反応している」


「てことは、誰かが潜んでるという事ですか?」


「その可能性もあり得る」


「じゃあ、他の2人にも知らせないと」

階段から何か重い何かが昇ってくる微細な振動に気が付いて俺たちは冷や汗をかいた。しかし気になってしまいちょっとだけ覗くとそこには確かに足だけではあったが間違いなく動いていた。


俺たちは恐怖がやばすぎて寄り添いあいながら息をのんだ。声を発さないように声を殺したが、音はどんどん近づく。しかもなんか走り出しているような気がする。いやもう走っている音だった。鉄と床が当たる音はガンガンと響いて俺たちは恐怖に包まれて息をするのを忘れるレベルだった。

音は行ったり来たりしてずっと走ってるのにいきなり止まった。その場所は明らかに俺の部屋の真ん前だった。間違いない。その瞬間、扉が勢いよく空いた。俺とミケは窓際まで後退する。


それでもその鉄は近づいてくる。恐怖で立ち向かう気持ちのない俺たちは死を覚悟した。その瞬間、鉄は手を勢いよく振りかざしてきた。その瞬間目をつぶり絶叫した。


「うわぁぁぁぁぁああぁぁあ!!」


目を開けると鉄の手には一匹のネズミが捕まえられている様子だった。


「え?」


疑問に思っていると、ローズとエルザが様子を見に来た。おそらく悲鳴が聞こえたからだろう


「どうしました?!」


ローズは鉄の兵士を見て何かに気づいたような顔をした。


「すみません、僕が護衛としてセッティングしていた魔動騎士ですね」


「は?」


「僕1人の力ではここを守れないと思ったので、一応のため」


「なんだそういうことですか、それではおやすみなさい、ゼルさん」

呆れた感じでエルザは寝に行ってしまった


「すみません、最初に言っておくべきでした」


「行っておけよ!」


「そうですよ!死ぬかと思いましたよ!」


「夕飯の時から気になっていたんだよ」


「動いてました?」


「そんな気がしてただけだ」


「じゃあ、おそらく僕が承認した魔力は3人だけですし、この部屋に入ったどっかでこのネズミのにおいがついて反応したんでしょう」


「このネズミを捕獲するために来たのか?」


「おそらく」


その純粋無垢な笑顔が余計に腹が立った。でも事なきを終えた俺たちはそこで解散し、寝床についた。


 これが俺の新居生活の始まりである。この先が思いやられる。まぁいい夢でも見ようと思う。



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