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家内探索

前回、ローズの過去を聞いた一同。今回は家の探索。希望通りの家になっているのか?


 「気を取り直して皆さんにこの家を紹介したいのですがいいですか?」


この言葉で俺たちは3人は家を紹介してもらうことになった。

まず始めに案内されたのは大きな厨房、デカい冷蔵庫が並んでいるし、コンロも10口ぐらいある。そんで料理に関連するフライパン系統も全部ある。でもなんかあっちの世界と比べてなんか足りない気がする。そんな違和感を持っているとミケが何かを言い出す。


「オーブンどかないんですか?」


(あ!それか!あっちで言うところの電化製品がないのか!)


「そうですね、僕が来た時にはもうこんな感じで...」


「買いに行けばいいじゃないですか?」


「考えたのですが、霊体で外に行っても日光で魔力も激減するせいで町に着くのもやっとで...それにお金もないですし」


「なるほどそんなことが、ゼルさんどうにかできないですか?」


「必要かどうかは1番使うであろうエルザに聞いてくれ」


「エル...ザ!?」


厨房を見てエルザは感極まって泣いていた。もしかしてエルザって涙腺が弱いタイプなのか?と思った瞬間だった。


「どうだ、なんかほしいものがあるか?」


「え、えーと、いっぱいありますけど...」


「じゃあ、あとで一緒に買いに行こうな」


「は、はい!」


次に案内されたのは大浴場だった。大浴場の印象はマーライオンからお湯が出て"ザ☆セレブ"って感じのとんでもなく広い浴場だった。


「これですよ!これを望んでいたのです!」


「ミケさんはお風呂が好きなんですか?」


「実はお風呂が好きになったのはここ最近です。」


「いつ好きになったんだ?」


「それはゼルさんと会ってからですよ」


「会ってから?」


「はい!会うまでは3日に1回ぐらいしか入ってませんが、ゼルさんといると"風呂に入れ!"ってうるさかったのですが、毎日お風呂に入り始めてから魔法が調子よくなったんですよねー」


「それはそうでしょ、お風呂には特有の治癒魔法があるのだから」


「そうなんですか?!」


「知らなかったんですか?魔術師として当たり前だと思っていたのですが…」

「このお湯にだって魔力があるじゃないですか?見た感じこの湯は源泉からきているお湯なので元から魔力があると思いますけど」


「え?!源泉?!」


「そうですね、数十年前調べましたが、ここのほぼ真下に源泉がありました。」

「源泉は僕たちの物なのでお風呂はいたい放題ですよ」


「ほんとうですか?!やったーーー!」


「じゃあ、次は書庫に行きますよ」


「書庫?!それじゃあ早く行こう!」


大浴場でテンションマックスになってから1番好きな魔法の話になったら落ち着きもなくなるわけだ。


 書庫のある場所は地下らしいのだが、ローズも魔法には興味がなくあんまり行ってないらしい。

その情報だけで暗くて長い階段を下っている。

「あまり行ってないといってもどのくらいの間行ってないんだ?」


「最後に行ったのが霊体になってから20年ぐらいなので30年くらいは開けてもいませんね」


「では、汚くなっているのですかね?」


「分かりません、30年前の記憶だとかなり広くて王都の大図書館の1階と変わらないと思います」


「王都の大図書館の1階と同じくらいの規模なんですか?!」


「そんなにすごいのか」


「すごいどかのレベルじゃないですよ!魔法学校時代に1回特別授業で行きましたけど、あれは並大抵の図書館じゃありません、一つの屋敷そのものです!」


「それは言いすぎだと思いますけど…」


「それにえらい細かい情報だけどお前は50年前生きているのか?ミケ」


「え?」


「よく考えてください、ミケ。ローズの生前は50年前です。王都の今の大図書館は違うでしょ」


「あ!旧図書館の方ですか?」

「ていうかなんでエルザがそんなの知っているのですか?」


「はぁ、私はハーフエルフで300年は生きているし、王族なんだから王都には訪問しているに決まっているでしょ」


「考えてみればそうですね」


「すみません誤解を生んでしまって」


「わ、私も悪いんですよ、謝らないでください!」


「ミケさんといると元気になりますね。もう少しで着きますよ」


こんな会話をしているとなんか3mぐらいある扉があった。


「この先に書庫があります。この扉開くの大変なんですよね。僕は開けるのでいろんなもの使って3日かかりました」


「私に任せてください」


「エルザ?」


エルザは扉に手を当てて、少し力を入れるといとも簡単に扉が開いた。


(最近平和で戦うことがなかったが、エルザはめちゃくちゃ強かったこと忘れてた)


「エルザ!話でしか聞いていなかったですが、本当に強いんですね!」


「そんな褒めなくていい、行きましょう」


入ってみても暗く照明がないので、全く見えない。


「確か魔動照明があった気がしますが…」


「私に任せてください!」


ミケが書庫全体に魔力を放出すると魔力に反応して照明が薄暗く付いた。そこを確認してみょくをみけが送り込む。すると、明かりがどんどん明るくなる。目の前に現れたのは本棚がずらり並んでいて本棚にも本がぎっしり並んでいた。


「不思議に思うんだが、家を調べに来た人たちはなんで書庫があるって知ってたんだ?」


「なんか数年前に筋骨隆々の兵士みたいな人を5人ぐらい連れてきてやっと開けて、掃除しないで書庫の存在だけ確かめて帰っていったよ」


「だから知っていたのか」


「ここは僕もあんまり知りませんので、ミケさんが独自に調べてほしいです。知っている限り、危険なものはないと思います」


「それじゃあ、私の魔法研究室にします!」


「気に入ってもらってよかったです」


「研究室にする前に掃除しなきゃな」

「それも自分でやるのか?ミケ」


「それはゼルさんも手伝ってくださいよ!」


「冗談だよ、ちゃんと手伝うよ」

「確認したことだし、次は俺たち1人1人の部屋を見に行くぞ」


「え!お姫様の部屋?!」


「良いか?ローズ」


「はい、喜んで!」


書庫を出た俺たちは2階に案内された。


「2階は基本的に部屋しかありませんが、すべてかなり大きいです。おそらく個人の部屋にするなら2階ですね」


「確かにな、見る限り10個ぐらいは部屋がありそうだな」


「では!一番大きい部屋はどこですか?」


「あの一番奥にある部屋ですね、1つだけ2つ分の部屋の大きさをしているんですよ」


「そこから行きましょう!いいですよね!ゼルさん!」


「別にいいよ」


ミケのわがままで一番デカいとされる部屋に行くと、想像よりも広い構造だった。それにある程度掃除されているせいか上品さも残っていた。


「うわぁー!これぐらい広いと書庫から大量に本を持ってきてもいいですね」


「片付けもしっかりするならいいけどな」


「大丈夫です!それだけは!」


「それだけって...」


「ゼルさん!ここは私の部屋でもいいですか?」


「俺は良いけど他の2人にも聞けよ」


「分かりました!」

「良いですか!ローズちゃん!エルザ!」


「別にいいですよ」


2人は即答していた。そんなに部屋どか気にしていないのだろうか


「じゃあ、決まりだな。俺はどこの部屋でもいいがどこがいいどかって希望はあるか?」


その時、エルザが手を挙げた。


「あ、あのできれば...」


「できれば?」


「ゼルさんの部屋の隣がいいです」


「は?」


「だ、だめですか?」


「い、い、いや、べ、別に良いけど、なんでだ?」


「できれば一緒の部屋がよかったのですが...1人1部屋なので」


(別にいいんだけど平等じゃなくなるからな)

「そんな理由か、良いぞ隣の部屋で」

「ローズは希望あるか?」


「僕は特にないけど、空いてる部屋に入るよ」


「そっか、全員決まったな」


窓の外を見ると夕暮れになっていた。


「今日はここまで、みんなで冷蔵庫にある食材でなんか作ろう!」


ローズによる家の紹介を終えた俺たちは夕飯の支度をするのだった。




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