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同居人 

家の交渉が成立した一行は物件に向かうことに、無事にたどり着くがそこは立派な西洋風の屋敷だった。

しかし、噂通り幽霊らしき影が一行を襲う。この幽霊の正体は何なのか、本当に一行は住めるのか?

 俺ら3人は訳アリ物件にドラゴンライダーで向かっている。まるでアトラクションだ。曲がるなり、加速するなりで結構楽しい。中間地点ぐらいで休憩した。ミケは楽しそうに興奮していたがエルザは木陰でキラキラを出していた。乗り物酔いだろうな。


「大丈夫か?エルザ」


「だ、大丈夫です」


「本当か?ミケ!回復魔法ってお前使えるか?」


「簡単ですよ」


「じゃあ、頼んだよ」


「え~」


呆れた感じだったが、なんやかんや回復してくれた。


「馬車は良かったのにこれはダメなんだな」


「はい、馬車はそこまで早くないし、こんなに揺れないですので」


「そうだよな、俺もそう思う」


「まだ中間地点だけど、ここから歩いていくか?」


「いえ、大丈夫です」


「そっかじゃあ、もうちょっと休んだら出発するぞ」


俺たちはここから10分ほど休憩し、再出発した。

そして俺たちは予定より早く、日中に例の物件についた。確かに貴族が住んでたのはあながち嘘じゃないっぽい。家の敷地も広いし、壁が汚れていて汚くなっているとはいえかなりデカい。でも周りを見渡しても誰もいない。噂は本当なのだろう。


「よーし、まず家に入るか」


ミケは楽観的にエルザは完全にビビっている。その証拠に手をつないできた。


「いいですか?」


「いいよ」

(実際やられると照れくさいし、案外かわいいな)


俺たちは家に入る。


「おぉぉぉーーー!」


俺たちは入ったとたん驚いた。なんせ外観と打って変わって内装に関してはかなりきれいな状態だった。3か月に1回の掃除とは言ったが、その頻度にしてはかなりきれいだ。


「うわぁー!玄関前なんてほぼ普通の家より大きいじゃないですか!」


(確かに絵にかいたような貴族の家だな)


「で、でもおかしくないですか?」


「何がだエルザ?」


「こ、この階段の手すりは金属で磨かないといくら掃除しているとはいえ、こんな新品みたいな輝きを保てるでしょうか?」


「エルザ!ネルソンさんたちの掃除がすごい上手なんでしょ!」


(確かに、エルザの言ってることは分かる。いくら貴族が住んでたとはいえこんなにきれいにしておく必要もあるか?それにネルソンさんたちもあまり売りたくなかったんだろ?)


「ほら!ここだっておかしいです。この時計」

壁に貼り付けられているバカでかい時計にエルザが指をさして、ミケが凝視する。


「うーん?」


「ミケ、あなたもわかるでしょ!この時計が何で動いているか!」


「うん、だからこれ魔動時計(まどうとけい)でしょ」


「違うの!よく見て!」


「動いてるよ。」

「え?う、う、動いてる...」


「どうしたんだ?動いてたらまずいのか?」


「このは魔動時計魔力で動くのです。」


「そうなのか、じゃあ変じゃないか」


「はい、いくら強大な魔力が注ぎ込まれていてもいずれ動かなくなるのです」


「じゃあ、一杯魔力を入れれば、ずっと動くんじゃないか?」


「いえ、それは絶対にないのです。」


「なんでだ?」


「それはこの魔動時計には注ぎ込める魔力量に制限があるのです」


「動いているということは、誰かが定期的に魔力を注いでいるどかか」


「その可能性は薄いと思います。周りには人の気配もないですし、」


「じゃあ、考えられるのは…」


「誰かがここに住み込んでいるってことじゃないですか!」


「そういうことになるな」


「エルザ、饒舌になっているが、幽霊かもしれないのに大丈夫なのか?」


エルザがあからさまに冷や汗と血の気が引いた顔になって、とんでもない速度で抱き着いてきた。


「ごめん、ごめん」

めちゃくちゃ震えてる。俺より身長の高いエルザが泣き目になりながら上目で俺を見て来た。


「ぜりゅしゃん…こわがらしぇないで」


「はぁー、そんな怖くなるなら時計の話しなければいいのに」


「だ、だってぇ、気になったんだもん」


エルザを落ち着かせるためにその場に留まっていた

そうすると、頭上から視線とこちらを馬鹿にしたような笑い声が聞こえる。


「やっぱ君が幽霊の正体だったのか」


俺はこの方向に視線を向ける。

そこには空中に浮く子供の姿があった。その子供は驚いた顔をしていたが、どこか嬉しそうだった。


「ぼ、僕が見えるの?!」


「ああ、見えるよ。俺だけだがな」


「ゼルさんは誰と話しているんですか?」


「幽霊の正体とだよ」


「えぇぇ!どこですか?!何もいませんが?」


「姿を見せることは可能かな?」


「それはもちろん!」


何もないところから子供が出てきてミケは大興奮、エルザは失神寸前、なんともカオスな状況だ。


「すごーい!幽霊って本当にいたんだ!私見るの初めて!」


「そうですか!こうやって人前で実体を見せるのも久しぶりですから」


「どれぐらいここにいるの?」


「そうですね僕が霊体になってからずっといるので50年以上はここに1人でいますよ」


「50年も?!1人で寂しかったでしょう!でもこれからは大丈夫!このミケお姉さんたちが一緒にいるから、1人にはしないよ!」


「い、一緒?」


「そうだ、俺たちはここの家に住むことになった冒険者だ」


「そうだったんですね、よかったです。僕を除霊しに来た人たちかと思って...」


「良い方的にはそういう除霊しに来た人たちは何回か来たって感じか?」


「そうですね、でも結局僕の姿が見えないから除霊せずに僕がイタズラして追い返していた感じです」


「イタズラってどんなことしたんだ?」


「陰に隠れて、引きずり回したり、ろうそくだけつけたまま家を徘徊してみたり」


「はははっ!それは幽霊がいるって噂も広まるな」


「だから霊になってから姿を他人に見せたり、見られたりしなかったので驚いています。しかし、どうやって僕の存在に気づいたんですか?」


「それについては情報を聞いてからもともと考えていたんだけど、幽霊なら隠れてるし、実体を見つけるのが難しいなと思ったんだ」


「それで何かしたんですか?」


「ここに来る前、霊体感知のスキルを習得したんだ」


「え!いつの間に?!」


「それは幽霊が出るって聞いてからすぐにだよ」


「そうだったんですね、もし僕が悪い幽霊どかだったらどうしてました?」


「まぁ、追い出すか、除霊しようかなと思ってたよ」


「ま、マジですか」


「でもいいやつそうだし追い出さなくて済みそうだよ」


「そうでしたか、あなたたちがここに来た理由が分かりました。そして信頼に足る人たちってこともわかりました。改めてよろしくお願いします!」


「俺らもここら辺のことは知らないからよろしく頼むよ、今日から俺たちは家族だ」


俺と子供は熱く手を交わした。そのころエルザはまだ腰を抜かしていた。


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