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第四十二の魔法「前の夜」

 バシリスは月を眺めていた。昔から、月を見るのが好きだった。


「バシリス、まだ寝てなかったのか?」


「アルジェント。ちょっと考え事」


 二人はちょうど、男子館と女子館の間の広場にいた。


「また、トラゴスのことか?」


「うん」


「許婚だからって無理に付き合うこと無いだろ?その…オレは…」


 アルジェントが言おうとすることを知っているようにバシリスは振り返ってこう言った。


「ありがとう。でもトラちゃんが好きだから…」


「そうか…」


「それに私、トラちゃんのためなら」


「何か言ったか?」


「ううん、別に」


 アルジェントもまた、バシリスのことが好きだった。昔からの馴染みで、優しく屈託の無い笑顔のバシリスにいつの間にか恋心を抱くようになっていた。しかし、バシリスとトラゴスは許婚。それを知り、身を引くことも考えた。だが、トラゴスの態度が許せなかった。慕っているバシリスを無下に扱っているような態度が親友として許せなかった。

 それぞれの想いを巡らせながら魔法学科・騎士学科の選ばれた生徒は静かに決闘のときを待つ。




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