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第十四の魔法「野外授業、開始」

様々な人間の思惑が交わる中、野外授業は始まった。レクスの思い、マルグリットの思い、フィリップの思いはこの授業にどのような結末を生み出すのか。

 王都エリゴールの南門を出ると、どこまでも続く広大な草原が広がっていた。


「いいか、今日は実際に自然に存在する魔法の素質になるものを探してもらう」


 魔法は、この世界に存在する生物や植物、文明、果ては魔物から生まれてくると先代のポルポル族は語った。

 そして現在。開発されている魔法は地・水・火・風の四種類。しかし、まだ発見されていない魔法もあると、先代の遺した書物に記述されていた。

ユートピア学園では毎年、魔法学科の新入生に野外での授業を体験させ、新しい魔法の元になるものを探し、すでに存在する魔法の元になったものを教える、といった授業を取り入れている。

 ロッソを先頭に生徒たちは森の中へと入っていく。


「先代のポルポル族は、この世界に流れている大気とこの森のヴィント・ウッドという木からヒントを貰い、風という魔法を創りだした」


ロッソは木の葉を一枚手に取り、レクスに渡す。


「今、レクスに渡した木の葉がヴィント・ウッドの葉っぱだ。レクスは風の素質を持っていたな?覚えている魔法の何でもいい。その葉っぱを持ちながら魔法を使ってみろ」


「はい」


 レクスは言われるまま葉っぱを握り、もう片方の手で指揮棒を手に取る。


「じゃあ、イエロ・ブリッサを使います」


 指揮棒を木に向け、呪文を唱える。指揮棒から放出された風の弾丸はいとも簡単に木を貫通し、折れるようにして倒れてしまった。


「すごい……。さすがレクス様」


 後ろで見ていたマルグリットは憧れの眼でレクスを見ていた。


「レクス、どうだ。感想を言ってみてくれ」


「力が増幅したような、呪文を唱えている時に自分のではない違う力を感じました」


「そうだ。レクスが使った魔法、普段の威力では木を倒すことはできない。では、なぜ威力が高まったのか。その理由はヴィント・ウッドの葉っぱの力にある」


 レクスが握っていた葉っぱは粉々に砕けており、枯れたように茶色になっていた。


「ヴィント・ウッドの葉っぱは風の素質を持つ魔法の威力を増幅させる作用を持っている。ヴィント・ウッドのように現在ある魔法に作用するものも世界には存在している。そういった新しい発見を探すのもこの授業の目的だ。では、事前に決めていた班に分かれて行動を開始しろ。以上」


 普段のロッソと違い、真面目な態度で授業をしている。それほどにこの授業は大切ということだろう。


「じゃあ、僕たちも探そうか」


 レクスとマルグリット。そして私は森の探索を開始した。歩いていると、不意に後ろから押されて倒れてしまった。


「ごめんなさい。ちょっとつまずいちゃって。大丈夫?」


 どうやら、マルグリットが私のことを押したらしい。指の方が切れてしまい、血が流れている。


「クロ、血が出ている」


 レクスが切れた指を見て、服の端を破いて包帯の代わりに指に巻いてくれた。


「ありがと。でも服を破かなくたっていいだろ」


「女性のキズは見ていて良いものじゃないからね。じゃあ行こう」


 立ち上がった私に近づいてきたマルグリットにいきなり鳩尾を殴られた。


「うっ」


 前によろめいた私の耳元に小さくマルグリットが呟く。


「あんまり調子に乗らないでよ」


 そう言い残し、マルグリットはレクスのほうに走っていった。相変わらず甘い声で身を寄せながら。


~あとがき~

前回書いたことと違う結果になってしまいました。一日一回更新するつもりでしたが、気付けば日時が………。

と、まぁ反省もここまでにして気を取り直していきたいと思っています。もうすぐですが、クロの力の正体とかを書いていこう。出来れば呼んでくださる皆様に伝われば良いのですが、中々上手く書けてなかったり。なんとか頑張って書いていますのでよろしくお願いします!


あと、やっとですが、お気に入りが2件に増えました。まだまだですが、これからも増えていく事を願ってしっかりしていきます。 fin

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