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第十三の魔法「教師の策略」
フィリップは翌日に行われる野外の授業である策略を弄していた。けして許される行為ではないそれは、クロたちの授業を危険なものと化す。
エリゴールの南門付近に止まる馬車。そこに近づく一つの影。月明かりに照らされた影はフィリップだった。
「お待ちしておりましたよ、旦那」
「例のモノはこの中か?」
「そうです。しかし、貴方のような教職者がなぜ、このようなモノを?」
「そんなことは詮索しなくてもいい」
「では、代金の方を…」
フィリップは黙ったまま金貨の入った袋を手渡す。御者はそれを受け取り大事そうにしまい込む。
「後はご自由にお使い下さい。ただ、凶暴ゆえ何分お気をつけ下さい」
御者はそう言い残し、馬車を置いて帰っていった。
もう失敗は許されない。たとえ、如何なる手段を使ってでも。エテレインは始末と言っていた。なら、殺しても構わないだろう。
~あとがき~
一挙に二話投稿しましたが、一話一話が短いので本来の一話分に満たないことに気付きました………。やっと色々なことにまとまりがつきそうなのでどんどん投稿したいと思います(できるだけ)