第十二の魔法「男の子の策略」
野外での授業は明日に迎えた夜。レクスはルームメイトであるトラゴスとある話をしていた。
夜、レクスは自分の部屋に戻っていた。机に向かい、熱心に日記を書いている。
「相変わらず真面目な奴だな」
ルームメイトのトラゴスはベッドに寝そべったまま話しかけた。
「まぁ、日課だからね。それより、野外活動の件はありがとう」
「まったく、サフィラとローザが一番大変だったんだぞ。特にローザが」
レクスは事前にトラゴスにある提案をしていた。クロと一緒の班になること。ローザとサフィラと別の班にすること。この二つ。
「しっかし、お前も物好きだな」
体を起こし、からかう様に話しかけるトラゴス。
「誰が誰を愛そうと自由だ。そうだろ?」
レクスにとってトラゴスは本当のことを話せる友人である。
「でも、いいのか?メルキュールが黙ってないだろ」
「彼女は関係ない。これだけは自分の自由だと思うから」
そうか、と小さく呟き再びベッドに倒れこむ。
「君だって同じだろ。バシリスさんとは上手くいっているのか?」
「その名を出すな。禁句だぞ」
二人は、何でも話せる。それは二人だけにしか解らないことでもある。秘密を共有することで更に深い仲となる。