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第十一の魔法「嫌いな子に見える黒い影」

野外授業でクロとレクスが同じ班になると聞いたマルグリットは、放課後になると、レクスに話しかける。用件はもちろん、野外授業のこと。そんなマルグリットに対してクロはあることに気付く。

 授業が終わり、ホームルームを迎えた。明日はいよいよ野外活動の授業がある。


「明日は始めての野外だ。羽目を外すなよ。以上、解散」


 ロッソのいい加減な伝え方でホームルームも終った。レクスが私の机に近づいてくる。


「クロさん。明日のことで」


「呼び捨てでいいって。さん付けするほど私は偉くねぇよ」


「そうか、すまない。で、明日のことなんだけど」


 話を始めようとしたレクスだが、後ろから声をかけられ振り返る。後ろにはマルグリットがいた。クラスの人と話せるようになっても話しかけてくれない人も当然いる。マルグリットもそんな一人だった。サフィラと昔からの友達。それしか知らない。


「ねぇ、レクス君」


「マルグリットさん。どうしたの?」


 レクスはどんな人にも「さん」付けする癖がある。「さん」付けしなくていいと言えばしなくなるし、逆にあだ名で呼んでと言ったらその通りに呼ぶ。素直すぎるというのか無垢と言うべきか。


「もう、マルちゃんで良いよぉ」


 甘ったるい声と上目遣いで身をレクスに身を寄せている。なんか嫌いなタイプだ。ネコ被っているような、女の武器使いまくりって感じが好きにはなれない。それが第一印象。


「明日の野外活動。一緒の班になろうよぉ」


「マルちゃん。僕はもう、クロと一緒に行こうと思っていてね」


「チッ」


 一瞬でよく聞こえなかったが、確かに私に向けて舌打ちが聞こえた。それに、すごく睨まれた気もす

る。


「え~。私も一緒に行きたぁい」


「クロはどう?マルちゃんも一緒に行ってもいいかな」


「別にいいけど」


 私は誰と行っても一緒だと思い、あっさりと承諾した。


「ありがと~。じゃあ楽しみにしてるね」


 そう言い、マルグリットは教室から出て行った。その時、なんとなくだけど、黒い影が一瞬見えた。見間違いかもしれないけど、自分の手の黒色と似ているようだった。




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