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宝くじが当たったら

作者: はやはや
掲載日:2023/05/21

宝くじが当たったら、人生が変わるでしょうか。

 誰でも一度は考えたことがあるだろう。

――宝くじが当たったら


 木野屋卓都きのやたくとも、暇さえあればそれを考えている。お金のかからない現実逃避だ。


【前後賞合わせて7億円】

 なんてテレビCMや、電車の吊り広告を見つけると、卓都はたちまち妄想の世界へと旅立つ。


 もし、宝くじが当たったら。

 一等に当選し、手続きとか諸々の何かしらで、5億手元に残るという勝手な設定で、妄想を開始する。



 一億は人のために使う。

 例えば、寄付。それから冠婚葬祭系の出費。

 自分のためだけでなく、人のためにも使うことで、億万長者になっても、庶民の感覚を忘れないようにする。


 次の一億。マンションを買う。といっても、高級マンションは買わない。

 死ぬまで、マンションの管理費と固定資産税を、その一億円の中で賄える物件にする。


 次の一億。これは旅行だな。

 次の一億。生活費。宝くじ当選と同時に、仕事を辞める。細々生活していけば、死ぬまで生活できるのではないか。

 もし、困窮の兆しが見えたら、旅行や寄付から回せばいい。


 最後の一億。これは、もしもの時のための貯金だ。

 老後にかかる必要経費が、二千万と聞いたことがある。それが少し前から、三千万だったか、金額が上がっていたはずだ。

 だから、今後もそれは上がっていくだろうと予想して、貯金はしっかりしておこう。


――完璧だ


 卓都は満足気にため息をつく。

 今日は年に数度ある、宝くじの発売日。高額当選が出た店舗の前には、長蛇の列ができている。


――宝くじ買うお金を貯金した方が、現実的だぞ


 列を横目に見ながら卓都は思う。

 

 妄想は完璧の卓都は、これまで一度も宝くじを買ったことがないし、これからも買うつもりはないのだった。

読んでいただきありがとうございます!

私も宝くじを買ったことはありませんが、妄想を楽しんでいます。

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