下着姿のお姉さん
「さ、座って座って!ゆっくりしてね。私飲み物作ってくるね。前と同じでココアでいいかな?」
「はい。あ、いえ、お構いなく」
お姉さんの家に上がると、以前と同じテレビのある部屋に案内され、以前と同じくテレビの前の小さなテーブルの前に座った。テーブルの上には、今さっきまでお姉さんが飲んでたであろう水滴のついたビールが置いてあった。
俺が座ると、お姉さんはルンルンで鼻唄を歌いながら、ココアを作りに部屋を出る。ふりふりと振る、水色のパンツしか纏っていないお姉さんのお尻に思わず目線が行くが、すぐに別の方向に視線を反らせた。
「はぁ~…またお家に入ってしまった。借りた服を返して、さっさと帰るつもりだったのに…何でこのタイミングで大雨降るかな」
お姉さんがココアを作りに行くと、俺はため息をつきながら、小さなテーブルにうつ伏せて独り言を呟き始める。
「…どうすっかな、雨が軽くなるまでって言っちゃったけど、何とか理由をつけてさっさと帰るか。じゃないとまた─…」
俺の唇がほんのり熱を帯びる。ファーストキスをしたあの日のことを…お姉さんとここでキスの練習をした時のことを思い出す。俺は思いきり頭を横に振って、記憶を身体の奥底に落とす。そうしていると、遠くからほんのりココアの匂いがしてきた。
「お待たせ~はい、ココアどうぞ」
お姉さんは片手にマグカップを持って部屋に戻ってくると、コトンと俺の目の前の小さなテーブルの上にそのマグカップを置いた。ふわふわと白い湯気がのぼる暖かいココア。俺はマグカップのとってを持ち、ココアをひとくちこくりと飲む。…あったかくて、甘くて美味しい。ほっとする。
「ふぅ~…」
「このココア美味しいでしょ~?このココアが美味しすぎて、これ以外のメーカーのココアが飲めないんだ~」
「そうですね、確かに美味しいですね─…」
マグカップをテーブルに置きながら、ちらりとお姉さんの方を見る。すると、俺の視線は自然とお姉さんの下半身に行ってしまう。
「いや!だから下!パン…っ!な、何か穿いて下さいっ!!」
てっきりココアを作りに行った時に、ついでにズボンでも穿いてくるだろうと思っていたけど、まだ下は水色のパンツ姿のままだった。
「あ、パンツのままだった。まあいいや~」
「いや、よくないです!」
お姉さんはそう言うと、テーブルに置いてあったビールを持って俺の隣に座り、とんっと俺の肩に肩を当てた。そして俺の肩に寄りかかりながら、手に持つビールをごくごくとうまそうに音を立てて飲んだ。
「ぷは~!ビールうっま!」
「いやあの、下穿いてくださいって!」
「んえ~…?気にしなきゃいいって!」
「いや、気になりますよ!」
「んも~…思春期の男の子は大変だなぁ~…」
いや、思春期とか関係ないでしょ。と、俺は内心で思う。そんな格好してたら、男もたぶん女も気になると思う。しかもお姉さんは美人だ。そんな人が…こんなエロい格好してたら………………
「はぁ~…」
お姉さんがあまりにも無防備過ぎて、俺は呆れてため息を吐く。すると。
「何だ~少年、でかいため息吐いちゃって。あれかな~?恋のお悩みかな?」
そう言いながら、お姉さんは俺の肩に腕を回し、肩を組んだ。ふにゅんと、お姉さんのやわらかい胸が俺の腕に当たる。あなたのせいです!と、俺は心の中で叫ぶ。
「そう言えばぁ~…あの後、彼女ちゃんとキスできた?」
「へえ?え?いやあの…」
「ん~?」
「その……はい、しました」
そう言いながら、顔や耳を熱くさせて俺は俯く。
「やったじゃーん!彼女と初キスおめでとう!お祝いだお祝い!一緒にビール飲も!」
「ちょおっ、声でかい!恥ずかしいことを大声で言わないで下さい!てか俺高校生だから、お酒は飲めませんよ!」
「え~?いーじゃん、今日くらい飲んじゃえよ~!」
わいわいはしゃぎながら、お姉さんは俺の頬に頬をくっつけてきた。お姉さんの甘くて優しい大人の香りとビールの匂いが、俺の鼻腔を刺激する。身体の真ん中が熱くなってくる。何だか…くらくらし──
「…っ!もお!あんまりくっつかないで下さい!」
俺の意識が一瞬、何処かに行きそうになった。けど、はっと我に返り、ベタベタとくっつくお姉さんの身体を無理矢理引き剥がした。
「え~…ベタベタさせてよ~」
「だ、ダメです!高校生だけど、い、一応俺も男ですよ!彼女いるとはいえ、その…男の俺にベタベタしたら何するかわかりませんよ!?」
自分でも、何変なこと言ってるんだろうって思った。けど、お姉さんから香るビールのせいか、くらくらしてうまく頭が回らない。
そして…そんなこと言わなければ良かったって、その後すぐに後悔する。
「ふーん…何するかわからないのかぁ」
お姉さんはあひる座りの体勢で俺のことを上目遣いで見つめ、にやりと妖しく微笑む。お姉さんの着ている白いTシャツは男用のものなのか、やたら大きくてだぼっとしていて、Tシャツの襟の部分もやたら広い。その広い襟がずり落ち、パンツと同じ色の水色のブラと…胸の谷間がよく見える。
お姉さんは口元からつうっ…とビールを溢しながら、手に持っていたビールをごくごくと飲み干した。
すると。
────カラン!
「えっ!?ちょっ!?」
飲み干したビールの缶を床に落とすと、突然お姉さんは白いTシャツの裾を両手で掴み、ばっ!とTシャツを脱いだ。Tシャツの下からは、水色のブラに包まれたお姉さんのやわらかいおっぱいが、ふるんと零れでてきた。
…お姉さんは今、ブラとパンツの姿で、俺の目の前にいる。
「あ、あ…の…」
「…彼女ちゃんとキスできたみたいだし、次の段階に行かなきゃ…だよね?」
「へ…え?」
お姉さんは俺の両肩を掴み、そして。
─────…ドサッ。
「深月君…私とシて♡」
目の前でゆさゆさと、大きな白い果実がやわらかに揺れる。
下着姿のお姉さんは俺を床に押し倒すと、俺の身体を跨ぎ、覆い被さるようにして見下ろした。
「シテって…え?な、なにを…?」
「何ってぇ~…服を脱いだらすることはひとつだけでしょ~?エ・ッ・チに決まってるじゃん♡」
お姉さんは、俺の耳元で甘くそう囁いた。耳にお姉さんの吐息がかかり…ゾクッとする。
そして…
「んぅ…っ」
むにゅっと、俺の胸におっぱいを押しつけながら、お姉さんは俺の唇に吸い付くようにキス…した。