プロローグ
遥か彼方の銀河に、かつて人類は夢と野望を胸に宇宙へと旅立った。
新たな資源、知恵を求めて。
文明の発展は、無数の星々を繋ぎ交易と交流を生み出した。
しかし、その輝かしい未来の裏側には、血と鉄による争いの歴史が刻まれていた。
かつて、銀河連邦と独立国家連盟が激突した大星間戦争は、宇宙に広がる無数の命を奪い、文明の礎を根底から揺るがした。
数十年にも及ぶ戦火の中、惑星は焦土と化し、都市は瓦礫の山へと変貌を遂げた。
兵器産業は急速に発展し、戦闘用ロボットや超兵器が次々と投入された。
だが、その破壊力と混沌は、誰一人として戦争の終結に安堵することを許さなかった。
戦争が終結した後、銀河は疲弊と資源不足に悩まされる。
多くの星が戦火の爪痕を残し、かつての繁栄は影を潜めた。
生き残った者たちは、新たな未来を模索した。
再び立ち上がるために必要な資源を求め、辺境の惑星へと目を向けた。
こうして、多くの企業が資源採掘に乗り出し、熾烈な争奪戦が始まった。
そのひとつが、今や伝説となる『資源惑星 ガライアV』である。
ガライアVは、銀河の片隅に位置する荒涼とした資源惑星。
広大な赤い砂漠と、時折吹き荒れる砂嵐の中、無数の鉱脈が眠る大地。
それは、かつて戦場となった痕跡を色濃く残していた。
戦火で荒廃した都市の跡、錆びた兵器の残骸、そして焼け跡に刻まれた戦争の記憶。
すべてが、この惑星に新たな物語を紡ぐための舞台となっている。
かつての星間戦争で無数の兵士たちが戦闘用ロボットを駆り、命を賭け激突した。
それを彷彿とさせるように、今やこの地では企業同士の熾烈な抗争が繰り広げられる。
大企業が資源を巡り、武力と策略をもって互いに対峙する。
軍の存在は希薄であり、統治もまた曖昧なまま放置されている。
現実は、法律や秩序が崩壊した荒野と化しているのだ。
ある企業は、かつての戦争で生み出された戦闘用ロボットを投入する。
あれから時が経過しているとはいえ、いまだにその戦闘能力は健在。
機動性、近接格闘能力、砲撃力。
すべてが高水準に高められた機体たち。
辺境の地では圧倒的な脅威となっている。
また別の企業は、採掘用ロボットを武装化して戦闘に投入する。
もともとは巨大な鉱石を掘り出すための無骨な機械。
その姿は、古代の遺物のように重々しく、しかし強大なパワーを秘めている。
こうしたロボットは、兵器としての洗練性にはかけている。
しかしその重厚な構造と圧倒的なパワーは、戦火の中でひときわ異彩を放つ。
この惑星の大地には、過去の戦争が残した無数の傷跡とともに、新たな戦いの予感が漂っている。
企業の利権争い、傭兵集団の抗争、そして闇に潜む裏切りと陰謀。
ここで交錯するすべての力は、未来の秩序を決定づけるために、今まさに動き出そうとしていた。
かつて星々を焼き尽くした大戦争の余波。
それは、今なお銀河の隅々に影を落としていた。
そして再び戦火を呼び起こす種となっている。
過去の記憶と未来への希望が入り混じる中で、一台の採掘用ロボットが、戦場に新たな伝説を刻むために目覚めようとしていた。
その機体は、ただの機械ではない。
人々の生存と希望、そして絶望の象徴であった。
この物語は、名も知らぬ一人の戦士と、一機の重機動メカが、無法の荒野を駆け抜ける壮絶な戦いの序章である。
未来の行く末を決するのは、戦い続ける者たちの覚悟。
そして、古き戦争の傷跡に刻まれた教訓だ。
それは決して忘れられることのない、永遠の真実であるのだろう。
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