待つ間に
「いきなりだけど問題だしていい?」
三ヶ月振りにデートの約束を取りつけ、二
人同じく注文したアイスコーヒーが運ばれて
くるその前に、私は高志に聞いた。
相変わらず彼はタバコに夢中で返答がなか
ったが、私は意を決してずっと考えていた質
問を口にした。
「は?」高志がこっちを見、今日初めて目が
合った、ような気がする。「なにそれ。オレ
を試してるわけ?」
「ちがうよ。私から言うより高志に気づいて
欲しいの。ねえ、この会えてなかった期間に
私の変わったところ、どこだと思う?」
「知らねーよ。だからそんなのわかるかよ」
話がそれだけならオレ帰るわ、と高志はタバ
コの火を消した。「あともう連絡するな」
「お待たせしました。アイスコーヒーです」
私は片一方だけに口をつけ、高志が残して
いった言葉を流し込む。それは思いの外冷た
かったけれど、スッキリした味わいだった。
主人公の女性は、高志への恋心が変化していました。しかし、自分から別れを告げるのが怖かったのです。そこで問題という形でそれとなく伝えようとしました。
高志はそんな主人公の女性にイラつき、
結果、別れることになりました。
思いの外冷たい物言いだったけれど、主人公はスッキリしたようです。