転移と決意
ジリリリリ!!!と鳴り響く目覚まし時計の音で目が覚めた。目覚まし時計を止めて起き上がり、いい匂いにつられてそのまま1階に降りていった。
「シュン。朝ごはん出来てるからさっさと食べちゃって。」
僕はそう言われる前から食べていたから途中ではあったが、いただきますと母に聞こえる大きさで言った。礼儀や作法に厳しい母はいただきますという声が聞こえないと怒ってくるか、昼飯や夕飯を抜いてくる。勿論、途中で言うのは間違いなくアウトなのだが、幸い洗い物をしていて気づいていないようだったのでセーフだ。
「ごちそうさまでした。」
そのままの流れで食べ進めて完食。いつも通り美味しい朝食だったのだが、
「今日は時間まだ大丈夫だけど、行かないの?」
母からこの言葉を言われた瞬間に吐きそうになった。美味しかった朝食を全て出しそうになったが堪えて、
「ごめん。」
とだけ伝えて2階の自分の部屋に逃げ込んだ。
「ハァハァハァハァ…フゥ…。」
いいんだ。これでいい。落ち着いて、布団に潜って、眠って、起きて、ご飯を食べて、眠って。。。
その繰り返しでいいんだ。そうして今までも過ごしてきたんだ。
だからもう。誰も関わらないでくれ。。。
そう思った瞬間、布団に潜って目を瞑っていたはずなのに視界が光に包まれた。
「…は!?ちょ、眩しっ…!」
慌てて腕で目を覆うが効果がない。眩しさで目がやられるその1歩手前になってようやく光が消えた。
なんだったんだと思い目を開いた。
すると、潜っていたはずの布団は無く、それどころか自分の部屋ですらない。ここはどこだ?立ち上がり辺りを見渡した。
そこには何も無い草原が広がっていた。
「…!?」
驚きを隠せないまま時間だけが過ぎていく。
暫く時間が経過した。その間僕は今いる状況について考えていた。そして、1つの仮説を立てた。
その仮説というのは、ここは異世界であの謎の光によって僕はこの異世界に飛んできたというものだ。
普通に考えたら馬鹿馬鹿しい話だが、この景色を目にしている以上、それ以外思いつかなかった。勿論、普段からそういう漫画やアニメを見ているからというのもあるとは思うが。
なんにせよ、ここが異世界であるならば話は早い。こういう異世界に突発的に転移や転生してしまう時は大体そのあとの展開が決まっているものだ。
1つ目はなんか可愛い女の子が出てきて、私は女神よとか言ってきて、あなたを異世界に召喚したから勇者になって魔王倒してねとか言われてやりたい放題するパターン。
2つ目は現実の世界で事故って死んでしまい、あらゆるチート能力を持って異世界に転生し、やりたい放題するパターン。
大体この2パターンだ。でもまぁ1つ目の方だったら既に女の子が出てきてても良いはずだろう。出てこないということは2つ目という事になる。。。なるんだけど。。。僕はさっきから自分に秘められているであろう能力を調べているのだが、、それがなんなのかが分からない。
分からない事がそんなに問題かと思うだろう。大問題だ。すぐに分かるレベルの能力じゃないということは、チート能力でもなんでもない。つまり2つ目のパターンにあてはまらないのだ。
つまり…僕は今1番信じたくなかった3つ目のパターンにあてはまっているということだ。
そして、その3つ目のパターンというのは、
可愛い女の子に出会う事もなく、おもしろ戦士やおもしろ僧侶とか完全ネタ要素の仲間たちに囲まれて、勇者なのに、勇者なのにと街の工事関係で働かされて、気づけば金も無くなり野宿。勇者なのに全然魔王も魔物も倒さないからと街を追い出され頭おかしくなっちゃう。
という恐ろしいパターンである。
こんな事ならもっとやることちゃんとやっとけば良かった。あぁ。今になってあの腐ったリアルが恋しい。
いや、それだけは認めたくないな。あのリアルよりも優れた世界にしたい。最低でも僕にとっての世界は。
あの腐った日常を抜け出せた今、努力すればどうにでも変えられる。この世界がどんな世界だろうと、この今の自分だけは変えてみせる。
小説家を目指している回線弱者です。
まず初めに、この小説を読んでくださりありがとうございます!
少しでも多くの方に読んでもらいたいと思い書いているのでとても嬉しいです。
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