友人キャラを極みにまでステ振った俺は、しまらない。
「で、なんで舞浜なんだい?」
「それは、お前らが言うべきことを言ってからだな。・・・さみぃな、にしても。ちょっちコーヒー買ってくるわ」
「う、うん」「・・・わかった」
さてと、大人しくすぐそこにある自販機でコーヒー・・・俺がブラック、それ以外はカフェオレを買う。いや、ブラックじゃなきゃ飲めないと思うよ、そう見てれば分かる。
俺は少し道の茂みの辺りで影を消し、さっき俺もいたところへ視線を投げる。
俺に読唇術は無いが何となく、もうわかった。
一は普通に立っているがそれに持たれるように頭をはじめの方に置く白。
そして、手を繋いでいるのが遠目に見えた。
そして現在時刻。
20:20。
これぞ完璧。
我天才。
ピカッ!と閃光が炸裂し、パラパラパラパラと音が続く。
・・・幾ら続いただろうか。
20分ほどそうしていただろう。
さすがに手中だと冷め始めていた、温かいコーヒーを持って、彼奴等の前に出る。
「やーやー、リア充さん。おめっとさん、花火の如く爆散してもいいんだよ?」
「祝うのか、爆発させようとするのかどっちかにしようよ」
「それじゃ、一回はじめよ、腹に力込めろ」
「・・・」
俺はそのまま腹筋目掛けて一発。
俺は一応幼いころに空手をやっていたので、そこそこの力があるし強い。
「痛ッッゥ・・・」
「弱くなったなぁ、サッカー少年」
「いつの話だよ空手バカ」
「俺まだ罵倒してなかった・・・」
「しようとしたのね・・・」
「うん、した。」
「で、きみはしってたの?」
「いや、ちょっと有名なアニメでね、ココからならディズニーランドの花火が見えるらしいんだってさ~」
「受け売りか?」
「ンま、そうなるな」
「ありがとう」
「あ、あと。彩音。お前も往生際が悪いぞ」
「「「!?」」」
あ、今日一日に皆の反応がデジャブった。
俺って才能あるんじゃね?
「どうしてわかったのかしら」
「エ、今までの行動とその推定から?」
「恐ろしいわね、あなた。」
「恐縮でーす」
「思っても無いことは言わない方がよろしくて?」
「そらごもっとも、そんじゃ往生際の悪いアンタに朗報だ。あんたのやった催眠術は、どんな男でも引っ掛けられるぞ」
「当然でしょ?」
「そして悪報だ。そんなんじゃ、あんたの欲しい本当の愛はない、そんじゃぁな」
「・・・」
俺やっぱ名探偵やろうかな(恋愛限定)?あ、待ってコ●ン君キャラ脇に置きたい。え?一?ダメダメ。あいつは難聴系鈍感主人公。あいつに限ってそんな観察眼は発揮できない。恋愛脳な俺だから出来んのさ。少女漫画愛読かとは俺のことぉ・・・。
さて、ここは俺は静かに変えるかねぇ、あ。コーヒーやるか。
「おい」
「なにかしら?」
「ほれ」
俺は最後まで開けなかった無糖のコーヒーを投げる。
少し反応が遅れたが、身体も冷えただろう。このくらいの親切したっていいはずだ。
「んじゃなぁ、お前らぁ」
「ありがとなー、ノリ」
「おー」
「ねぇ・・・」
「何だ、彩音さんや」
「その・・・ありがと」
「おうよー、気にすんなー」
そして俺は友人キャラらしく、静かに闇に消えて行った・・・あ、やべ、チャリ忘れた。
「・・・しまんないよねぇ」
「閉まらないなぁ」
「うっせぇー!」
諸君、いいか?友人キャラも楽じゃないんだぞ。