友人キャラを極みにまでステ振った俺は、煌きスマイルを嫌悪する。
俺は、その黒いビニールを被った彼女が現れ、口を開くのを待った。
そして俺に対して打った駒は疑問符だった。
「それで?いつから気付いていたというの?」
「ハナっから、と言いたいが決定打は白の連絡で確信だな」
「こんな厄介な奴がいたとわ、私も見る目を誤ったわ」
「・・・彩音」
「まてはじめ、今お前はしゃべるな」
「なぜかしら、彼氏としゃべる事の何が悪いの?」
「うっせー、てめぇがクソみてぇな催眠術使わなきゃ何もしなかったさ」
「はて、なんの事かしら」
「恍けた時に右の触角をいじくる、目を右上に逸らす」
「・・・ッ!」
「俺は情報収集は得意でね、クラスで腫れ物なのもそれが原因だ」
「恐ろしいわね」
「お前が真っ向勝負挑んでりゃぁ俺も何もしなかったんだがな」
「岩瀬さんの臆病が祟ったのではなくて?」
「そう思うのも結構だし俺もそう思う、が。俺は少なくともはじめがお前といる時よりも、白といる方が元気なんだ。いくら暗示をしてても身体的反応だけはお前にも塗り替えることは出来ないからな」
「・・・どうしてそこまでするのかしら?」
「そんりゃ、友人キャラってのはカップルを陰ながら成立させて、影ながらNTR フラグを折らなきゃならんのさ。ついでに言えば、恋の盲点は主観よりも第三者のカバーがあると強いからな」
「・・・なにか大仰なこと言ってはいるけれどあなたのやっていることはただの一つの恋人関係の破局よ?」
「たしかにそうだな。そして新たな恋人関係の橋渡しもな」
そうしてマックの自動ドアがアクチュエーターを鳴らしながら開き、一人の少女の影を鮮明にする。
「来たな、白。」
「・・・どういう事かしら?」
「お前と話している間に俺が何もしないアホンダラだと思うか?」
「思うわね」
「即答は軽く傷つくぞ、俺でも。・・・つてもお前すげぇ神経してるよ。今崎俺に負かされたばっかだってのにな」
「それは迂闊だったからであって、あなたの実力ではないわ」
「ほーん・・・まいいや。白、一行くぞ」
「待ってくれ」
「ここで言え、一」
「・・・そうだな。彩音聞いてくれるかい?」
「・・・ええ。聞きましょう」
「とりあえず、ごめん。これ以上君とは交際できない。出来るなら前に戻ろう。」
「・・・」
「そして、ありがとう。好きと言ってもらえたこと自体は凄くうれしかった。けど俺の考えなしで浅はかな答えの出し方は誰かを傷つけてもしまった。それもごめんね?」
「・・・」
「それじゃ・・・」
これでこっちは解決か。
「そんじゃ、ちょっちお前らついて来い」
現在時刻は20:00ぴったり。
今からならいけるか、ヤバいな。
「はじめ、お前は白を後ろに乗せて飛ばせ」
「了解」
「し、失礼します」
「どうぞ?」
その爽やかスマイル止めろ一ぇ!男の俺が一瞬キュンッってくるだろばか!
・・・ホラァー、ショートしてますよ?白さんや。
「・・・いくぞ!」
「了解した!」「うん!!」
俺が先頭、続くのが初めで俺はチャリを最速で走る。
そして、俺が来たのは舞浜駅だった。