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結論から言うと夢ではなかった。
水面で確認したが、俺は青いロボットになっており、人語を解するカンガルーは「俺は人間だ」などと宣っている。
青いロボットと言うと見た目が少しばかりずんぐりむっくりで秘密道具を引っ張り出していそうな印象を受けるが全くそんなことは無く、人の形を成していて造形がかなり細かい。全身のいたるところに姿勢制御の為に使用するかのようなバーニアやらなにやらがある。
このバーニアのおかげでカンガルーと俺は今も生きているのだ。
「それで? あんたはなにか知っているのか?」
「そのセリフそっくりそのままテメェに返すぜ。 俺は仕事でこれから大阪まで行く所だったんだ」
「俺は高校に向かってる途中だった」
「お、なんだ学生なのかお前」
「あんたその見た目で社会人なのか?」
どうやら互いに目的地へ向かっている最中にここへ来たようだ。
「どうやら俺達は何か面倒ごとに巻き込まれたようだな」
「おいおい、困るぜ。ただでさえ繁忙期なんだ、こんな所で時間食ってらんねぇよ」
「……おそらく仕事どころの問題ではないと思うが」
にわかには信じがたいが、なにか超常的な現象が起こっていると思っていいのだろうか。
どうしたものか、何から行動を起こせばいいのか全くわからない。
「なぁ、こういった場合どうしたらいいのかなんかわからないのか? 一応あんた大人なんだろ?」
「どうしたらっつってもお前、どうしようもねえだろうがよ。 なんか知らねぇけどケータイもどっか行っちまったしよ、ケータイ無かったら警察にも連絡できねぇよ」
「まぁ、そうだよな」
「ただガキを不安にさせるのもなんか気分悪いしな。とりあえず一緒に人探そうぜ」
「……この木々が生い茂る場所でか?」
「わかんねぇけど直進し続ければどっか開けた場所にでも出るだろ、そっから道路見つけて道に沿って行けば誰かしら通るか、どっか辿り着くだろ」
「俺らの見た目で素直に話を聞いてくれればいいがな」
「言葉話せるんだから大丈夫だろ」
なんとも楽観的で大雑把な奴だ。
「とりあえずよ、さっきの川に沿って歩こう。川に沿って行けばいずれ街にでも着くんじゃないか?」
「そうだな、それで行こう」
―――――
「……なぁ、カンガルーさんよ」
「……なんだロボットさんよ」
「