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恋猫  作者: Hiei
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プロローグ 〜黒猫の想い〜

思い思いで書いているので少し文章が変になっていると思いますが、そこはご了承ください。


みんなは、夢って見る?

それはどんな夢?楽しい夢?面白い夢?それとも……悲しい夢、とか?

もしかして夢は見ないって人もいる?それはそれで羨ましいな。熟睡しているわけだしね。


夢はその人の記憶の一部を見せると言われている。しかもだいたいが無意識のうちに見るものとも。

誰だったかな。ユングだっけ。たしか人の意識のほとんどが無意識で、それを確かめる方法は夢であると。その夢は自身の記憶でもあるとも言っている。

無意識下の想いが強ければ、より夢に見やすい。そう彼は唱えている。


ごめんなさい。脱線しました。

えっと……なんだっけ。そうだ。夢の話だった。

わたしも夢を見るよ。そりゃ見るよ。わたしだって生き物だからね。

どんな夢かと言われたら……いい夢じゃない。

夢の始まりはいつも炎の中。そこにわたしがいる。体のところどころに火傷ができているの。そんなわたしを炎が容赦なく襲う。まるで意志があるかのように。そんなわたしを炎から庇うように抱きしめる人がいた。誰だかわからない。けど、自身を盾にして炎からわたしを守ってくれてる。

そしてわたしに言うんだ。

「生きて」

って。

そこで暗転して、目が覚める。


いつもこの夢なんだ。いつからかわからない。少なくとも、小学校低学年からは見ている。

ユングの説が正しいなら、わたしのこの夢は記憶となる。しかもかなり昔の。

だけど……だけどね。わたしは……昔の記憶がないの。具体的には小学校入学前までの記憶が。

忘れたとかそういう類じゃない。

本当に…………ないの。






小学校低学年の頃のことを時折思い出す。


あの時わたしは1人で、友達がいなかった。ずっと1人だった。担任の先生が手を焼く程。

そんなわたしに手を差し伸べてくれる男の子がいた。一緒に遊ぼうって、誘われたんだ。

嬉しかったよ。だって、わたしこんなんだから。友達を作ろうとしないし。誰とも話そうともしなかったし。"独り"だったから。誰かそういうふうに話してくる人なんてこの時誰もいなかったから。

でもわたしは断った。わたしなんかより他のみんなと遊んでたらって言った。

だけど男の子は引かなかった。それどころかバカって言われたんだ。

もうこの後はわかるよね。そう……喧嘩した。バカってゆうほうがバカなの!とかそんな感じのをね。


ただこの喧嘩の後、少しずつだけどその男の子と遊ぶようになったんだ。初めは無理矢理連れまわされてたけど、1年もしたらわたしから誘って遊ぶ程の仲になった。

その時の思い出の1つに男の子との約束がある。約束は……こうだ。

「ぜったいにひとりにしないからな!ずっと!」

今でも忘れられない思い出。わたしにとっての……大切な思い出。

だってあの時、何回も指切りしたぐらいだから。

だけど……これで終わりじゃない。2年後、その男の子は何も言わずにわたしの前からいなくなった。引っ越しちゃったんだ。

唐突過ぎて……頭が真っ白になって……いなくなったことを受け入れることができなくて……それがストレスとして溜まって、2週間ほど学校に行くことができなかった。心にはポッカリと大きな穴が空いた。



あれからもう6年がたった。

友達ができた。思い出も増えた。楽しいことがたくさんあった。

けど、やっぱり心の穴は塞がってはくれない。多分この穴を塞ぐことができる機会は今まで何度かあったと思う。でも……それだけじゃダメなの……。足りないの、全く……。あの男の子がくれたものより……ずっと……。

恋しい。あの子が。また…会いたいな。

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