第1話『夏の日』
初めは重い話が続きます。
少し残酷な表現もあります。
家が隣同士で、親が仲良しで、小さい頃からずっと一緒だった私達。
いわゆる幼馴染みというやつで。
物心がついた時には私はもう旺志朗のことが好きだった。
中学生になってすぐ、旺志朗から告白されて付き合うことになった。
私達は喧嘩なんて全然しなくて、中学時代も高校生になってからもラブラブだ、と全校生徒に知れ渡るほどだった。
本当に大好きだったの。
なのに…。
人の命ってこんなにも一瞬でなくなるの?
どうなっていれれば旺志朗は助かったの?
――誰か教えて…
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高校2年生の夏。
「実玖留ー!もうお昼になるわよー!起きなさい!旺志朗くんと約束あるんでしょー?」
1階から母の声が聞こえる。
そうだった…と、ベッドから起き上がりカーテン開ける。
「今日は旺志朗の誕生日だった」
机の上に綺麗に包装された小さい箱が置いてある。
これは昨日、旺志朗のために買った誕生日プレゼント。
『アクセサリーが欲しいんだよな』
夏休み初日に、2人で街にお出掛けをした。
その時にたまたま旺志朗がアクセサリーを見ていて、そんなことを言うものだから、私は旺志朗が見ていたアクセサリーの中からいくつかピックアップして、さらにそこから旺志朗に一番似合いそうなネックレスを選んだ。
「へへっ、旺志朗びっくりするかな」
2人で街にお出掛けした次の日、私は一人でもう一度あのお店に足を運んだ。
そして、このネックレスを選び、プレゼント用に綺麗に包装してもらった。
「何着ていこう?」
旺志朗のバイトが終わる時間に合わせて待ち合わせをしている。
時計に目をやり、時間を確認する。
「もう12時か。旺志朗との待ち合わせにはあと2時間。早く準備しなきゃ」
ご飯を食べて、お洒落な旺志朗に並んでもおかしくないような服を選び、ミディアムヘアの髪をハーフアップにして、メイクはナチュラルに。
服に合うように鞄を選んで、お財布、携帯、ポーチ、プレゼントを入れる。
準備をしていると時間はあっという間に過ぎていった。
時計が13:30と表示されたのを確認して、お気に入りの靴を靴箱から出す。
「実玖留、もう出るの?」
母親がリビングからひょいと顔を覗かせて言った。
「うん、旺志朗のバイト先の近くで待ち合わせしてるから。いってきます」
「いってらっしゃい」
母親の声を聞いてから、玄関のドアを開け、旺志朗との待ち合わせ場所に向かって歩き出す。
14:00
時計がそう表示しても、旺志朗が来る気配がない。
遅れるにしても旺志朗はちゃんと連絡くれる人なのに。
「連絡出来ないくらい忙しいのかな…?」
ちょっと不安になり、思っていたことが声に出る。
14:30
30分経っても旺志朗は来ない。
何回携帯を確認しても、連絡はない。
「…何かあったのかな?」
私はやっと異変に気が付いた。
確か今日は、遥夏とシフトが被ってるって言ってた気がする。
遥夏は今日が旺志朗の誕生日だって知ってるはずだから、私と旺志朗が会うことはもちろん知ってる。
店長だって知ってるはずなんだけどな…。
「実玖留!」
私の名前を呼んだのは、私と待ち合わせをしている彼ではなかった。
「遥夏…?」
遥夏はバイト先の制服のままで、息を切らして走ってきた。
「どうしたの?」
私は何かがあったということを悟った。
ただ、その何かが私にとってあまりにも残酷だった。
「旺志朗くんが……」
何があったかを遥夏から聞いた私は、持っていた鞄を地面に落としてしまった。
「……え?」
私には理解出来なかった。
「旺志朗……死ぬの……?」
【To be continued】
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