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最強4姉妹は異世界でも最強だそうです  作者: 紫煙人
第一章 新たな現実
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 1話 これがこれからの現実

今回は説明回かな?いろいろと詰め込んでるのでごちゃごちゃになってるかも知れません…一人称で書くのが下手だと実感しておりますが生温かく見守って下さい。では、どうぞ!

 平衡感覚が狂ったような違和感を感じたのは、ほんの少しだった。私が目を覚ますと見慣れた自分の部屋のベッドの上ではなく、1ヶ月ぶりの懐かしさを感じるプライベートホームの1室である寝室のベッドの上だった。プライベートホームとはゲーム内で購入できるその名の通りで自分の家である。設定をすることによってギルドホームと直結することができ、敷地内でポーション等の製造に必要な薬草を栽培したり、ジョブで契約者サモナー使役者テイマーなどが魔物や動物を飼ったりすることができ、自分のデザインで家を建てることが出来ることから上位プレイヤー達好んで購入していたのがプライベートホームだ。私達姉妹も個々で所有している。


「そっか、最後にログアウトしたのってココだったけ。けどさっきの違和感はなんだったのかな?」


 そんな疑問を口にしていると部屋の外から慌ただしい足音が聞こえて勢いよく扉が開かれた。


「お姉ちゃん!メニュー画面を開いて見て!」


 そんな慌てた口調で部屋に入って来たのは和服に身を包んだ金髪碧眼で頭から狐の耳を生やし、九本の尻尾が特徴的な狐型の獣人ワービーストで響のアバターであるヒビキだ。私達姉妹はゲーム内でも良いのが思いつかなかったためか現実と同じプレイヤーネームにしている。ちなみに、私のアバターは初期にランダムで設定した際に運よく引き当てたレア種族の死神だ。私は、響のようにアバターの外見をそこまで弄っていなく、瞳の色を菫色に変更したくらいで髪は黒のままである。服装は、イベントボスを倒したときにドロップしたゲーム内で最上級のレア度である幻想級の黒を基調としたドレスである。


「どうしたのヒビキ?そんなんに慌てちゃって」


「いいから!メニューを開いて見て!」


 ヒビキは私の質問には答えず、メニューを開くことを催促してきた。わけがわからず私はヒビキの言葉に従いメニューを開く動作をする。そうするとメニューはいつも通り開かれた。そこで私は2ヶ所気になる所を見つけた。メッセージに新着のマークが付いているのは当たり前だ。大型アップデートの直後で変更点等が運営から送られてきているのが普通だからである。しかし、私が一番驚いたのはメニュー上にログアウトの項目が無くなっていたのだ。


「メニューからログアウトがなくなっている?」


 普段ならメニューの一番下にあるはずのログアウトという項目が無いのである。


「それだけじゃないよ。メッセージを読んでみて」


 ヒビキに促されるままに私はメッセージの項目を開く。新着メッセージは3件で、古い順に運営からの大型アップデートの内容、そして2番目のメッセージは私だけにしか来ていないと思われる運営からのPGMについてのメッセージだった。そして、1番新しく自分の目を疑うようなメッセージ、その差出人は・・・


「差出人は神様?」


 そんな信じられないような字があった。内容は、



『プレイヤーと呼ばれる皆様え、突然のことで理解できないかもしれませんが現在、皆様がいるのはFWOに似た世界いわゆる異世界です。今回のこの現象は、ゲーム内の世界と実際に存在する異世界の境界線が崩壊するという事態が起き、二つの世界が融合するという現象が起きてしまいました。たいへん申し上げ難いことですが皆様は元の世界、地球には帰還することが出来ません。この現象は我々神の力を超えた領域の現象であり、我々が介入することすらできないからです。唯一の救いは皆様がゲーム内と同じ力と肉体を持っており、多くのプレイヤーが異世界に存在することです。そして、この異世界の歴史はゲームと同じであり、皆様の知識は役に立つということです。神である我々が介入できるのは今回くらいですが、皆様は1人ではありません。多くの仲間がいます。願わくは皆様が健やかに新しい世界で、肉体で、新たな人生をスタートできることを我々は祈っております。」



 そのような言葉でメッセージは締めくくられていた。


「嘘でしょ?異世界・・・」


 私はそんな言葉と一緒に全身の力が抜けていくような感じに襲われ、膝から崩れ落ちてしまった。


「大丈夫?お姉ちゃん」


 ヒビキが心配するように声をかけて私に駆け寄ってくる。


「ひ、ヒビキは不安じゃないの?異世界だよ?もう元の世界には戻れ無いんだよ?」


 ヒビキは私のその言葉を聞いて少し悩んだような顔をしてからいつものように笑顔を浮かべて、


「だよね・・・もうお父さんとお母さんや学校の友達にも会えないって考えると寂しいけど・・・私にはシズクお姉ちゃんがいるし、メイお姉ちゃんやジュンだっている。神様のメッセージにあったように独りじゃないんだよ。ここがFWOに似た異世界なら私達姉妹が集まれば何でも出来るでしょ?楽観的過ぎるけど、悲観的にはそんなになれないかな。1人で巻き込まれてたら心が折れてたかもしれないけどね」


「強いねヒビキは・・・」


 正直、泣き叫びたい気持ちが無いわけではない。けど、妹のヒビキがここまで強く困難に立ち向かおうとしているのに長女の私がくよくよなんてしてられない。そんな気持ちが私の心を満たしていく。私は、気合を入れる気持ちで、両手で両頬パシッンとはたいて立ち上がる。


「そうだよね。前向きになろう。私達は独りじゃない!」


「うん!」


 私の言葉を聞きヒビキは満面の笑みを浮かべて返事をした。



「じゃあまずは、メイとジュンがどこかにいるかだよね。たしか二人とも前回ログアウトしたのは自分達のプライベートホームだったよね?」


 記憶から二人が現在いるであろう場所に目星をつける。ヒビキは前回ログアウトしたのは私のプライベートホームだったから今回直ぐに合流できたのだろう。


「二人とも、もうメッセージは読んでると思うから一度ギルドホームに行ってみる?プライベートホームには直結しているし」


「だね。二人も私達とまず合流するのを優先するだろうし、まずはギルドホームに行ってみようか」


 私達はそう結論づけて部屋を出た。ギルドホームにはプライベートホームで指定した扉から移動することが出来る。私の場合は玄関の扉を指定していた。


 玄関の扉の目の前に着くと私はドアノブに触れて指定しておいた言葉を口にする。


「ゴー、ギルドホーム」


 そして、ドアノブを開いたその先は一面砂浜と海だった。


「あれ?なんで移動してないの?」


 本来なら指定している言葉を言ってから扉を開けばそこはギルドホームのはずなのだ。これは私のプライベートホームを建てた場所が海岸線であり、これは移動していないことを意味している。


「お姉ちゃん、マップを見てみて!」


 私が疑問に思い首を傾げていると、ヒビキが私を呼んだ。そして、ヒビキの手元に展開されているマップを見て私は驚きで目を見開いてしまった。


「ギルドホームがあるエリアが未踏破エリアになってる?」


 本来、マップ上で一度でも行ったことがあるエリアは黒から緑に色が変化しているのである。しかし、ヒビキが開いたマップでは、私達のギルドホームがある【静寂なる丘】の色は黒。未踏破エリア、行ったことが無いことになっている。私は、急いでマップで他のエリアを見てみるが現在、私達がいるプライベートホーム周辺【女神の海岸】だけが緑になっており、他の所は黒く詳細はわからない状態である。


「本来ならギルドホームがある所は行ってて当たり前だけど、未踏破エリアは転移アイテムや転移魔法では行けないからそれが関係しているのかな?」


 ヒビキがそんな推測をしていると私の開いていたメニューにボイスチャットが表示される。相手は・・・ジュン!


「ジュンからボイスチャットがきた!」


「私には、メイお姉ちゃんからきてる!」


 ヒビキにはメイから来ているみたいだ。私は、すぐさま応答の項目を押した。


『もしもし、シズ姉?』


「ジュン、無事?」


 耳にいつも気だるげにしている一番下の妹の声が聞こえてきて少しホッとした気持ちになった。


『無事だよ。シズ姉は大丈夫?」


「私も大丈夫。あと、ヒビキも一緒にいるよ」


『あ~ヒビ姉は前回ログアウトしたのシズ姉のプライベートホームだったね。気づいてるかもだけどギルドホームへの転移が出来なくなってるのは知ってるよね?」


「うん。私達も今気づいた。合流したいんだけどどこか良い所あるかな?」


『う~ん・・・ヒビ姉がシズ姉のプライベートホームにいるなら、私とメイ姉のプライベートホームからちょうど良い所だと【王都アガスタ】かな?そこだったら中間地点だし、情報とかも集められそう』


「わかった。【王都アガスタ】ねそこで合流しましょ」


 私がヒビキにアイコンタクトをすると向こうも頷いてくれた。どうやらメイも了解してくれたようだ。


『シズ姉達の方がどちらかというと近いから先に着くと思うから、先に着いて待ってて。私も出来るだけ急ぐから。あと、シズ姉はいちようPGMの影響を確認しといて。何かしら影響があるかもしれないから』


「わかった。気をつけてねジュン」


『はいは~い』


 そんな気の抜ける返事でボイスチャットはきれた。そして、ヒビキに向き直ると向こうもちょうど終わったようだった。


「メイお姉ちゃんも王都に向かうって。いつも通り落ち着いてたよ」


「ジュンもいつも通りだったかな。ジュンがPGMについて確認しておくよう言われたけど」


 私がジュンと話した内容を言うとヒビキも忘れてたっ!という顔をした。


「そうだよ!PGM!お姉ちゃん確認してみようよ!」


 そう言われて私はメニューを開いて運営から送られてきたメッセージを確認する。ヒビキが横から食い入るように覗き込んでくる。


『今回、PGMに選ばれたシズク様には称号【世界の調律者】を贈らせていただきました。詳しい内容は、ステータス画面の称号からご確認下さい。シズク様がより良いFWOの世界にしていただくことを運営一同願っております。追伸、シズク様に限りそのようなことは行わないかもしれませんが、悪用だけはしないようご注意してください』


「・・・【世界の調律者】?」


 私は首を傾げて、ステータス画面を開き称号の欄にある【世界の調律者】を選ぶ。



【世界の調律者】・・・世界の調和を守るために与えられた称号。FWOのシステム上の限界値までステータスを上昇させる。及び、ゲーム内に存在する全てのスキルが使用できる。この称号を持つ者は任意で3名まで補助をするプレイヤーを選択でき、選ばれたプレイヤーは本人ほどではないがステータスが上昇する。


 私は、その説明文を読んで改めて自分のステータスを見てみる。


名前:シズク

性別:女性

種族:死神

クラス:冥府の女神

称号:死と破滅の女神 世界の調律者

ジョブ:鎌術士 魔術師 スキルマスター

所属ギルド:5人の超越者ファイブ・ロード


ステータス

Lv:255

HP:99999 (999999)

MP:99999 (999999)

物攻:999 (9999)

物防:999 (9999)

魔攻:999 (9999)

魔防:999 (9999)

素早さ:999 (9999)

回避:999 (9999)

命中:999 (9999)

運:500 (5000)


 えっ?・・・私がそのステータスを見て固まっているとヒビキが私を見て、


「お姉ちゃんがラスボスクラスになっちゃった・・・」


 その言葉が示す通り、FWOで確認されていたボスキャラでもイベントボスで運営が難易度極悪と発表していたボスの古龍王エンシェント・ドラゴン・キングでもHPとMPは50万ぐらいで他のステータスは5万~6万くらいだったはずだ。そのボスキャラの設定上それより強いボスキャラは世界観を崩壊させるとかいう理由で今後は出さないと運営は発表していた。


 どうやら、私は異世界でラスボスのようなステータスを手に入れてしまったらしい・・・





旅立ちは次の次くらいにはなりそうです。良ければお気に入り登録お願いします。次話は2/25 22時に投稿予定。

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