14/17
XIⅢ
それからしばらくの時間が経ち、ゲダインたちは日本にいた。
ドイツはヒトラーが死んだ事によって政治的混乱に陥り無法地帯と化していてイタリアは主導者であるムッソリーニが神経衰弱を起こし国家として破綻。よって既に降伏していた。後は日本だけだ。
「ねえパパ。この国は綺麗だね」
「ん? 日本が気に入ったのかい」
「うん」
ニータが嬉しそうにしている。ゲダインはふっと微笑んで。
「すべてが終わったら、日本に住むのも悪くないかもしれないな。ロベルト君、ヴォルグも一緒にどうだい?」
「考えておく」
「いいかもね」
ロベルトとヴォルグからは肯定とみられる答えが返ってきた。
「ニータは日本の学校が合うかもしれないな」
「学校?」
「楽しい所さ」
ゲダインはすべてが終わったらニータの父親になろうと決心した。この子をきちんとした大人の女性に育てあげることが自分の使命であると……。
「見えてきたぞ」
ヴォルグがそう言ってきた。確かに皇居が近づいてきている。
もうすぐ、終わろうとしていた。