表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Light and Darkness  作者: あおの蒼穹著 敬愛監修
10/17

 居場所がばれた。

「起きろゲダイン、ニータ! 逃げるぞ」


 それは深夜を少し過ぎたときだった。ヴォルグが何者かの足音を聞きつけた。その足音はかすかではあるが、こちらに近づいてきている。2人と1匹が野営しているそこは、木ばかりで周りに集落などは無い。

 もちろん人もいない。そんなところに近づいてくると言うことは……すなわちこちらを狙うものにほかならないわけで……。


 ヴォルグが大きな声で2人に叫ぶと、2人を起こす。足音はまだ遠いが確実にこちらに向かってきている。おちおちしていられなかった。


 ヴォルグの叫び声でゲダインはとび起きた。

「どうしてここがばれた?」

 ゲダインはニータを起こしながら、疑問気に呟く。


「大方ヒトラーが跡をつけさせていたのだろう」

「っく……あのとき完璧にすべてを討ち取っていれば!」

「んん……んぅ?」

 ヴォルグが推察したことを言っていると、ニータが寝ぼけ眼でこちらを見る。その目は焦点があっていない。

「過ぎたことを言っても仕方がない。とりあえず逃げるぞ」

「どうしたの?」

「逃げるよニータ」

「へ?」

「急ごう。ナイフは持った?」

「うん、ここに」

「じゃあ行くよ。ちょっとの辛抱だ」


 ゲダインはまだよくわかっていないニータを抱きかかえると走り出した。その少し後ろをヴォルグが続く。荷物は邪魔になるのでその場に捨てることにした。


 走りながらゲダインは苦笑する。

「全くヴォルグを仲間にしてよかったよ。ヴォルグがいなかったら今頃はこの世にいなかっただろう」

「ふ」

 ヴォルグが何をいまさらという感じで息を吐いた。


――そのときだった。

「ゲダイン少し右に避けろ」

「ん?」

 ゲダインは少し疑問に思ったが、この場ではヴォルグに従うのが賢明と考え、素直に右に少し避けて走った。

その横を銃弾が通り過ぎて行った。

「…………」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ