Prologue
1900年初頭、こんな伝説がドイツにあった。「世界闇に包まれ人が沢山死ぬとき、光を纏った1人の勇者現れ惨状の中で正義の名のもとに悪を裁くだろう」
かの有名な独裁者、アドルフ・ヒトラーの人間改造計画は地下で着々と浸透していた。実験台にされた人間たちはそのほとんどが死に至り、ほんの一握りの人間だけしか生き残ることは出来なかった。その一握りの中でも飛びきり有能な人間兵器が1人誕生した。その名は超人シュタイナーであり無双戦士ベルセルクであり神剣アイザックであった。
その者は誰にも存在を認知されない、「見えない人」であった。両親はユダヤ人で殺されてしまったから。この話はその男が亜米利加の勝利の陰に隠れて世界の救世主と伝承され、それをまとめたロベルト教授と言う男の「異能人間の戦争における功と罪」という書物を紐解く所から始まるのであった。
その男には名前が無かった。歴史の陰に隠れて生まれ、そして生きた。駆け抜けるように…… 誰も知らない英雄、私の友人である彼は(私は彼の事をゲダインと呼んでいたが彼が死ぬまで本当の名前は知ることはなかった)名前を命名されないでいた捨て子だったので、私が仮に古代語の「顔の無い男」という意味を持つゲダインと呼んでいただけの話だ。