危険なおまじない
ある日の事だった。雄二はいつものように帰り道を歩いていた。雄二は大学4年生。もうすぐ卒業式を迎える。卒業したら社会人になる。これからもっと厳しい日々が待っているだろうけど、もっともっと頑張らないと。高校を卒業して、東京で一人暮らしをしている。最初は戸惑いばかりだったけれど、徐々に慣れてきて、すっかり板についてきた。そして、大学で多くの友達に囲まれた。だけど、もうすぐそんな友達ともお別れだ。寂しいけれど、それを乗り越えて強くなっていかないと。
と、雄二はあるものを見つけた。それは、段ボール箱だ。朝はなかったのに。どうしたんだろうか?
「あれっ・・・」
雄二は近寄った。段ボールの中には子犬がいる。子犬には首輪がついている。誰かが捨てた飼い犬と思われる。
「この子犬、かわいいな」
雄二は一目ぼれした。買いたいと思った。だが、雄二は戸惑っている。それには、ある理由がある。
「うーん・・・、飼いたいけど、アパートはペットダメなんだ。ごめんね」
雄二の住んでいるアパートは、衛生上の理由からペットが禁止になっている。どんなに願っても、大家は許してくれないだろう。残念だけど、あきらめるしかないだろうな。
「かわいそうやな・・・」
雄二は無視して、そのままアパートに向かっていった。だが、雄二はあの子犬事が忘れられない。かわいそうすぎるな。何とかできないかな?
雄二はアパートに戻ってきた。アパートは2階建ての木造で、少し古い。だけど、安いからここに住んでいる。衛星はそんなに良くないものの、ここが住みやすい。
雄二は鍵を開け、部屋の中に入った。雄二の部屋は整理があまり行き届いていない。通るのがとても大変な状況だ。
「はぁ・・・」
雄二は疲れていた。今日は休日だ。様々な所を見て回って、とても疲れた。ちょっと寝よう。
「ちょっと寝よう」
雄二は横になった。雄二は知らなかった。その様子をあの子犬が見ている事を。
雄二は変な夢を見た。目の前には2足歩行の犬がいる。どうしてそんなのがいるんだろう。目の前にいるのは何だろう。雄二は首をかしげた。犬は雄二をじっと見つめている。どうして見つめているんだろうか? 自分に因縁があるんだろうか? まさか、捨てられている子犬を無視したからだろうか?
「ビアドビコーメ、ビアドビコーメ」
その犬は変な事を言っている。もしかし、おまじないだろうか? 雄二にはおまじないのように聞こえる。
「えっ!?」
雄二は呆然となった。何を言っているんだろう。全く意味が分からないな。それより、ここはどこだろう。全く想像がつかない。
雄二は目を覚ました。そこはいつもの部屋だ。一体あの夢は何だったんだろうか? 捨て犬を無視しただけで、こんな夢を見るなんて、何だろう。まさか、拾わなければならなかったんだろうか? いや、拾ってはいけない。もし拾ったら、大家に怒られ、捨てられるだろう。
「何だろあの夢・・・」
雄二は起き上がり、首をかしげた。あのおまじないは一体何だろう。考えれば考える程言いたくなってくる。どうしよう。言ってみようかな?
「うーん・・・」
雄二はちょっと言ってみる事にした。
「ビアドビコーメ・・・」
雄二はおまじないを言った。だが、何も起こらない。やはり夢だったようだ。何も起こらない。
「何も起こらないか・・・」
雄二は首をかしげた。だが、気になる。何という意味だろうか? 全くわからない。自分は大学で語学を研究していたけど、こんな言葉、全く聞いた事がない。
「何やろ・・・」
だが、雄二は全く気にしていなかった。直にわかるだろう。それはいつになるんだろう。
「まぁいいか」
雄二はまた眠たくなってきた。もう少し寝よう。寝れば、わかってくるだろうな。
「もう少し寝よう」
雄二は再び寝入った。その夢の中でとんでもない事になる事を知らずに。
「うーん・・・」
雄二が目を開けると、体に異変が生じていく。なんと、自分の体が犬になっていく。これはどういう事だろうか? 雄二は戸惑っていた。まさか、あれは犬になるおまじないだろうか?
「えっ、犬になってく・・・」
雄二は驚いていた。どうしてこうなるんだろうか? 人間でいたいのに。
「そんな・・・」
と、目の前に両親がいる。両親は仲睦まじそうな様子だ。雄二の方を全く見ていない。
「父さん、母さん!」
2人は振り向いた。だが、それが雄二だとわからないようだ。目の前にいるのは、犬だと思っているようだ。
「あら、かわいいワンちゃんじゃないの!」
「気づいてよ! 僕だよ!」
2人は抱きしめ、体を撫で始めた。雄二は戸惑っている。まさか、両親から犬扱いされて、かわいがられるとは。
「かわいいかわいい!」
雄二は目を覚ました。やっぱり夢だったようだ。でも、あの夢は何だろう。今さっきのおまじないの夢と言い、犬になる夢といい、疑問ばかりの夢だった。
「夢か・・・」
雄二は手を見た。雄二は手を見て驚いた。なんと、夢の時と同じ犬の手だ。
「えっ!?」
何と、雄二は犬になっていた。
それ以来、雄二を見た者はいないという。




